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専門 問7から「降水短時間予報と降水ナウキャスト」とは11/16

第58回気象予報士専門試験、問7から

問7
気象庁が発表している降水短時間予報について述べた次の文(a)~(d)の正誤を答えよ。

(a)降水短間予報は、1時間降水量を。6時間先までの予測では10分間隔で発表し、7時間先から15時間先までの予測では1時間間隔で発表している。

(b)降水短時間予報の6時間先までの予測には、気象レーダー観測のエコー強度データを直接用いており、解析雨量は利用していない。

(c)降水短時間予報の6時間先までの予測で、数値予報モデルによる予測結果は用いない。

(d)降水短時間予報の7時間先から15時間先までは、メソモデルの予測結果を用いて降水予測をしているが、局地モデルの予測結果は用いていない。

。。。。。。。。。


気象庁では
気象庁|降水短時間予報と降水ナウキャスト (jma.go.jp)
ここにすべて載っています。

(a)については

 降水短時間予報は、6時間先までと7時間から15時間先までとで発表間隔や予測手法が異なります。6時間先までは10分間隔で発表され、各1時間降水量を1km四方の細かさで予報します。7時間先から15時間先までは1時間間隔で発表され、各1時間降水量を5km四方の細かさで予報します。

同じように載っているので
(a)は正

そして、(b)(c)についての内容は、

6時間先までの予測手法

 解析雨量により1時間降水量分布が得られますこの降水量分布を利用して降水域を追跡すると、それぞれの場所の降水域の移動速度が分かります。この移動速度を使って直前の降水分布を移動させて、6時間先までの降水量分布を作成します。

 予測の計算では、降水域の単純な移動だけではなく、地形の効果や直前の降水の変化を元に、今後雨が強まったり、弱まったりすることも考慮しています。また、予報時間が延びるにつれて、降水域の位置や強さのずれが大きくなるので、予報時間の後半には数値予報による降水予測の結果も加味しています。

このように載っているので、
解析雨量は利用している。
(b)は誤

数値予報による降水予測の結果も加味してあるので、
(c)は誤



(d)については

予報時間が先になるほど精度が下がりますので、常に最新の予報を確認するのが上手な使い方です。また、目先1時間以内のより詳しい見通しを知りたい場合には、「雨雲の動き」を併せて利用するのが効果的です。

7時間先から15時間先までの予測手法

 数値予報モデルのうち、メソモデル(MSM)と局地モデル(LFM)を統計的に処理した結果を組み合わせ、降水量分布を作成します。予報開始時間におけるそれぞれの数値予報資料の予測精度も考慮した上で組み合わせています。なお、7時間先から15時間先までの予測手法は6時間先までの予測手法と異なることから、予測手法の違いに着目し、「降水15時間予報」と呼ぶことがあります。

このように、
メソモデルと局地モデルを組み合わせて使っているので、
(d)は誤




ほかに降水ナウキャストのことも載っています。

降水ナウキャスト、降水短時間予報

降水ナウキャストとは

 降水ナウキャストは、降水短時間予報より迅速な情報として5分間隔で発表され、1時間先までの5分毎の降水の強さを1km四方の細かさで予報します。なお、気象庁ホームページでの降水ナウキャストの表示は令和3年2月24日に終了しました。1時間先までの降水の強さについては、「雨雲の動き」のページをご覧ください

降水ナウキャストの予測手法

 降水ナウキャストによる予測には、レーダー観測アメダス等の雨量計データから求めた降水の強さの分布および降水域の発達や衰弱の傾向、さらに過去1時間程度の降水域の移動や地上・高層の観測データから求めた移動速度を利用します。予測を行う時点で求めた降水域の移動の状態がその先も変化しないと仮定して、降水の強さに発達・衰弱の傾向を加味して、降水の分布を移動させ、60分先までの降水の強さの分布を計算しています。

 この手法は、降水短時間予報でも使われています。新たに発生する降水域等を予測に反映することはできませんが、短時間の予測では比較的高い精度の予測を得ることができます。また、降水ナウキャスト、降水短時間予報ともに、地形の影響等によって降水が発達・衰弱する効果を計算して、予測の精度を高めています。

 下の図は、平成24年7月14日の大雨を予測した例です。実況から目先1時間までの雨域が移動していく様子を容易に把握することができます。

0900の初期値(観測)
09:05の予想
10:00の予想

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/image/rad0900.png


降水ナウキャスト、降水短時間予報の利用方法

 降水ナウキャスト、降水短時間予報は、短い時間間隔で発表することにより、1~15時間先までの降水の予測を可能な限り詳細かつ迅速に提供します。
 例えば、15時台の各予報の発表タイミングと予報期間は以下の表のようになります。

降水ナウキャスト、降水短時間予報は、それぞれ以下のように警報・注意報や大雨・洪水警報の危険度分布と併せて利用することで、避難行動や災害対策に役立てることができます。

  • 降水ナウキャスト】大雨警報(浸水害)の危険度分布と併せて確認することで、下水道等で排水しきれないほどの大雨が短時間で降ったことが原因で、河川の氾濫とは関わりなく発生する都市部の浸水害からの迅速な安全確保行動に役立てることができます。

  • 降水短時間予報】15時間先までの大雨の動向を降水短時間予報により把握した上で、警報や危険度分布により数時間先までの災害発生の危険度の高まりを確認することで、避難行動の判断の参考にすることができます。例えば、夜間に大雨警報(土砂災害)が発表される可能性が高い状況の場合、暗くなる前の夕方のうちに夜間から翌日明け方の大雨の動向を確認し、早めの避難行動や災害対策に役立てることができます。

 このように、降水ナウキャスト、降水短時間予報を状況に応じて使い分けることで、防災活動に有効な情報を得ることができます。
 また、降水ナウキャスト、降水短時間予報は、外出や屋外での作業前に雨の有無を知りたいときなど、日常生活でも便利に利用することができます。

 なお、降水ナウキャストと6時間先までの降水短時間予報の作成には気象レーダーによる観測を用いています。レーダー観測の原理上、実際には降水のないところに降水域が表示される場合があります。気象レーダー観測については気象レーダーのページをご覧ください。また、局地的な大雨については現在の技術水準では予測が困難なため、前もって予測ができないまま突如として局地的な大雨の予測が出現する場合もあることに留意してください。

今後の雨(降水短時間予報)での表示

 気象庁ホームページでは、今後の雨(降水短時間予報)のページで降水短時間予報を確認することができます。リンク先の時間を表すバーの灰色の時間帯が解析雨量、青色の時間帯が降水短時間予報の表示になります。



気象衛星ひまわり画像と雨雲の動き

6:00の雨雲の動き

気象衛星ひまわり画像とナウキャスト(雨雲の動き)ですが、意外と雨が降っています。日本海に見られる筋のような雲は冷たい空気がやってきているこいうことなのかもしれません。

気象庁|気象衛星ひまわり (jma.go.jp)

この雨雲の動きをみれば1時間先までの雨雲の強さが分かります。
5分間隔で発表されてます。
気象庁 | ナウキャスト(雨雲の動き・雷・竜巻) (jma.go.jp)


おはようございます。
今朝のこちら、昨日と同じくらい寒く遠くの山はかすんでいます。気温下がったようです。
そちらはいかがですか?
今日もいい日にしましょう。
good time!

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