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龍の宮物語

間もなく千秋楽を迎えるということで、感想を珍しくしっかりと。ものすごい汚い字と共に。


観劇前の想像としては、下図のとおり。

夜叉ヶ池に眠る龍王(天寿光希)は「寝過ごしてたら地上は日照り。かわいそうに娘が沈められてきた」ということで沈められた娘を玉姫(有沙瞳)と名付け我が娘のように育てる。
ある日、池のほとりを散歩していた玉姫はなんやかんやで危ないところを清彦(瀬央ゆりあ)に助けてもらう。その清彦の優しさにいたく感動した玉姫のお付きの亀?が姫が止めるのも聞かずに龍の宮に連れ帰ってしまう。(この時点でお互いに意識する場面が入る)
そして歓待の総踊り(瀬央以外)(リトルマーメイドのアンダー・ザ・シーぐらい派手)(戸惑う瀬央)
一方地上では突然行方をくらませた清彦の下宿先の娘、百合子(水乃ゆり)が清彦を探し始め、最後に池のほとりで見かけたという情報を手にいれる。その後は百合子に甘い父が池の水全部抜いてみたりして、人間vs龍の宮の全面戦争になって、
ポスターの感じが悲恋を想像させるので、凶弾に撃たれてどっちかが死ぬ。みたいな流れかと思っていた。

しかし実際は下図。

重めの愛が大渋滞。
「アイツをコロせば今度こそ私は楽になる!」と玉姫は刃物を振り回すし、そんなことがあったのに純朴青年だった清彦が「もう一回池の底に行って、玉姫に会わねば」とか言い出すし、最後には清彦も玉姫も「あなたの手で死にたい」とか言い出す始末。
「私だけのものだ、私だけを頼るんだ、玉姫」と呪いをかける龍王に、人間(清彦と玉姫)を気遣っているのかと思ったら、重度のブラコンだった火遠理(天飛 華音)。
「百合子は私のためにバイオリンを弾いてくれなかった」とか登場から最後まで独占欲丸出しの白川さん(朱紫 令真)(なぜか“さん”付け)
上流社会に生まれた義務と娘としての憧れに揺れる百合子なんて可愛いもんだった。

軽めの悲恋は死に別れのない『霧深きエルベのほとり』だけど、重めの悲恋といえば死に別れが続く『金色の砂漠』。
どちらも客席から水分を奪う演出家・上田久美子先生の演出じゃないか。
今作が指田珠子先生の演出デビューということで、先生も客席すすり泣き型演出家になるのかな?
楽しみにしよう。
ウエクミ先生みたいなジェットコースターで客席を振り落としていくショー作ったりするのかな。
……楽しみにしよう!

《感想まとめ》
黒山椒道(大輝真琴)の手の形が見もの。
笹丸(澄華あまね)が癒し。

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