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【美術ブックリスト】 『戦後日本の現代ガラス・私史』 武田厚著

【概要】
「美術の窓」連載「拡張するガラス・JAPAN」を単行本化。個々人のスタジオに用意された小型炉による、自由な造形芸術「スタジオガラス」。それがもたらしたガラス作家の意識改革を評価軸に、日本の現代ガラス芸術の流れと活躍する作家43名について詳細に解説する。日本の現代ガラス史がわかる一冊。

【感想】
ガラスというと工業製品や日常の器やせいぜい土産物という認識が一般的だが、ガラス工芸というジャンルが厳然とある。しかしその美的あるいは美術的な魅力も味わい方も伝わっておらず、実際に作品を蒐集する人も限られている。
本書は、現代のガラス芸術を評論家の立場から一望している。「私史」となっているのは個人の視点に過ぎないとの謙遜であろうが、ガラス文化に対する同時代人による通時的な応答として将来貴重になると思われる。

生活の友社◉刊 四六判 462ページ 3500円

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