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自己肯定感も良し悪し

よく「自己肯定感」が大事ということが言われますが、
ずっと違和感を感じていました。

何でだろうと思い海外の文献なども色々読んでみると、
例えばアメリカでは日本ほど「自己肯定感が大事!」
みたいなことは言われていないということに気づきました。

むしろ沸いてきた感情にどう対処するのか、
ということが解説されたりします。

アメリカでは
social emotional learningが教育のトレンドになっているといいます。
頭文字をとってSELと呼ばれ、直訳すると「社会性や感情の学習」

SELというのは周囲の人々と良好な関係を築いたり、
自分や目の前の人の感情を理解することによって、
自分を取り巻く社会の中で適切に行動できるための技術や知識を学びます。

では、アメリカでは「自己肯定感」について
全く触れられていないのかと言ったらそうでもないようです。

そのところをスタンフォードオンラインハイスクールの
星友啓校長に質問をしました。

実に明快な回答が返ってきたのでシェアします。

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「自己肯定感」があればいいってもんじゃない

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結論。
自己肯定感も良し悪し。
どんなことに対して自己肯定感を感じているのかが
大事だということです。

よくないのは何か外的な結果や人との比較によって
得る自己肯定感。

例えば、
「俺はあいつよりすごいんだ。」
「こんだけ稼いでいる自分は優れてるぜ。」

これも自己肯定感があると言えばそうなんですが、
あまり良ろしくない。結果を追い求めることで、人と比較することで
自己肯定感を得ようとする人生は必ず破綻します。

教育に関わる人たちは結果や人との比較で
子供たちを褒めてはいけないのです。

スタンフォード大学の有名な心理学者である
キャロル・ドゥエック教授は

・結果を褒められた子
・努力を褒められた子

この両者の違いを明らかにしています。

結果を褒められた子は失敗を恐れるようになり、
難しいことに挑戦しなくなってしまいました。

一方、努力を褒められた子は自身の成長に喜びを見出し、
困難なことにも果敢に挑戦するようになると言います。

能力を高めるためには継続力が必要になります。
結果を褒めて挑戦できなくなるのでは本末転倒です。

つまり、外的な何かから得られる自己肯定感ではなく、
内面的な側面や自分の存在から得られる自己肯定感が
大事だということです。

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「ポジティブに考える」 ではなく
「ありのままの現状を受け入れる」

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最初にSELについて触れました。
SELは自分の感情を理解し、対処する方法を学びます。

その例として、マインドフルネスがあります。
マインドフルネスは簡単に言うと、
今のこの瞬間を意識すること。

SELでは自分の「意識」を意識することを学びます。
自分の感情を無視してポジティブに考えるのではなく、
ありのままの現状を受け入れ、そこから自分の気持ちを
どう整えるのかにフォーカスします。

「ポジティブな思考」には限界があります。
SELのようにありのままの現状を受け入れ、ストレスとうまく付き合い、
自分の衝動を適切にコントロールしていくことを学ぶ方が現実的であり効率的です。


SELについてはさらに理解を深めたいと思っています。
有用な情報があったらまたシェアします!

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