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【ゆるく書くブルアカ】カルバノグの兎編-1「正義の味方と正義の行方」

2年目のブルーアーカイブ、メインストーリー一発目。エデン条約編にて生徒たちが綴る物語の可能性を提示し、大きな事件を乗り越えていきましたが、今回のvol.4もそれに引けを取らないほどに重要局面を迎えます。そこの中心に位置するのは消滅したSRT特殊学園の新入生、そして1周年イベントでもメインを張ったヴァルキューレ警察学校、そして何より連邦生徒会。この三つの組織にシャーレがどう関わっていったのか。

いつものようにネタバレありで書いていきますのでよかったら、
プレイ後に読むことをお勧めします

エデン条約編3章より。4章開始前はここのみにSRTの名前が登場している。ちなみに右から2番目が今回登場する「カヤ」

ざっくりと前段階としてはSRTは連邦生徒会長の統率下に置かれた治安維持の特殊部隊、各学園の自治区域にも縛られず、迅速な解決のための強力な武装も有していた学園。かつては1周年イベントでも、大暴れをかましたワカモをエース部隊である「FOX小隊」が捕縛に成功するなどの功績も挙げました。しかし、連邦生徒会長の失踪後、SRTの統率者不在による暴走を恐れた一部の意見やFOX小隊によるタワー襲撃事件もあり、閉鎖にまで追い込まれました。その決定への反抗から物語は始まります。

彼女たちRABITT小隊がなぜ公園にまで立て篭ったのか。そこには複雑な「正義」の持つ難しさがあったと言えるでしょう。

正義をテーマに語られる複雑な学園事情

SRT特殊学園の特異性はその絶対的正義を象徴するあり方でした。RABITT小隊のリーダーであったミヤコを筆頭に、SRTだからこそ入学を決め、学園の閉鎖やヴァルキューレへの編入を拒むだけの理由がある。というのが彼女たちの事情と主張でした。
エデン条約編やアビドス編を見てきたユーザー層にはわかる方も多いと思いますが、学園の自治区などが設定される以上、どうしても政治的駆け引き、思惑などが絡み、正しさと言うものが如何様にも表現されるのが常であることでしょう。それは現実もキヴォトスも変わりないものです。ヴァルキューレも学園自治区への効力が薄いだけに彼女たちの思う正義とは違うと言いたいのだと思います。

そして釈放後、連邦生徒会のカヤに頼まれたこともあり、再度公園に集いながら、気高い理想と尚も突きつけられる現実の間で苦しむ彼女たちのこれからを、悪態を突かれながらも見守る先生。個人的にはここらへんのシーンがコメディであっても重かったと思います。大雨のあたり結構きつかった。ただミヤコがそれでも前を向き続ける中で先生の手伝いの中で、少しずつまた団結していくことが今後もリーダーである彼女の強さに注目していきたいなと思えるシーンでした。(その後のシーンでは逆に彼女も支えられて強さを取り戻すこともあり、少しずつチームとして強くなっていると感じられます。)

しかし、事態は恐ろしい方向へと彼女たちを迎え入れ、再び彼女たちは正義と向き合うことになります。

正義の道を切り拓く

公園での滞在生活が続く中で、ヴァルキューレの不穏な動きを知ることとなり、調査の中で自らの拠点も脅かされることを知る一同。
不穏な動きとはまたしてもアビドス編以来の登場となる「カイザーグループ内の企業」との取引によって不正にお金が動くという展開に。これによってRABITT小隊と先生はヴァルキューレへと襲撃を仕掛けます。
彼女たちの所属していたSRTの持つ絶対的正義を遂行する役目として。

証拠を掴み、脱出を図ろうとするタイミングでの公安局長、カンナとの相対。
犯罪行為の証拠を突きつけるも、それに返すように理想の正義を掲げる裏にある泥臭い仕事に擦り切れた一面を見せる彼女の吐露には同情の感情もあります。
 それでも先生は「自分の行く道は、自分で選ぶことができる」と言います。実際に彼女たちは公園での生活の中でそのことを学んできた、体感してきたと言えます。
「それがヴァルキューレ(あなた)とSRT(私たち)の決定的な違いです」
ミヤコのその言葉には確かな重みが宿っていると感じられました。

個人的に現在人生の岐路に立っていることもあり、今回の生徒たちの感情の揺れ方、理想や夢を掲げていくことの難しさを実際に経験していくことが現実に重なってとても今回のストーリーにも共感を覚えることがありました。カンナとの相対は自分の持つ違和感を押し殺すカンナが覚えるその辛さにやや共感していたこともあり、難しいながらもそれでもRABITT小隊のそれまでから道を選び、切り開く強さを美しく、半ば羨むように読んでいました。

そして物語は次の局面へ。さらなる苦難の影には連邦生徒会、そしてSRT最強格の先輩の影もちらつきます。彼女たちのこれからの行方はいかに。

これからを考える

まず浮き彫りになってきたのが今回の事件のバックにいるのが連邦生徒会「防衛室」のカヤ。彼女の思惑自体は不明ですが、先生にもたどり着いていないカイザーとのつながり、さらにはラストにまさかのFOX小隊を抱え込んでいることも判明し、強大な相手であることはまさに間違いのないことであると思います。

正直かなりの確率であり得るのが憧れとも言えるFOX小隊との一戦。
絶対的正義に憧れる彼女たちにとってSRTのエースである存在が誰かの陰謀によって動いている…と言うショッキングさ、そしてSRTという学園の存在すら誰かの駆け引きの中で揺らぐということを目にした時にRABITT小隊は何を感じるのか。
そんな衝突のある物語へとシフトする可能性は高いでしょう。先生に接触をしてきたニコの目的も不明ですが、彼女自身だけが持つ目的で何かを考えているのではないかとも思われます。

温室育ちの花の見る叶わない夢が叶う時は来るのか。先生とRABITT小隊の未来を見る物語はまたもう少し続きます。

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