【ゆるく書くブルアカ】エデン条約編-5「青春×ミリタリー、その一つの着地点。」
サービス開始からのこの1年。
それを締め括るに相応しいものだったといえるこの「エデン条約編」がついに一区切りとなりました。圧倒的劣勢と窮地に追い込まれた前半からどのように先生と生徒たちが彼らの物語を紡いでいったのか。それを少しずつ考えます。
少し歪なこの世界で、彼女たちがなす物語とは何か。
楽園の証明、契約の持つ力、この物語の持つ意味 ここら辺がキーワードになりそうでしょうか。
楽園の証明
今回全てを通じてエデンの楽園の証明という言葉から
「存在しないかもしれないものをどう捉えるのか」
「永遠に理解できないかもしれないものをどう証明するつもりか」
という問いが出され続けていました。不可能な証明が生み出した誰かの疑心に勝つこと自体は2章全体でもなされていたものの、3章ではそれすらも上回る憎悪と空虚さへと立ち向かうことになります。
ティーパーティーの1人、セイアとの問答は結果として先生の持つスタンスがエデン条約編を通じて何も変わっていないことを教えてくれたといえるでしょう。
「実のところ、楽園の証明には興味がなくって。」
選択肢に出てくる言葉の一つですが、それが先生の答えになります。先生自身の答えは「ただ信じるのみ。」証明の可否、存在の可否ではなく、ただ信じるか否かと言う単純な問題でしかないということでした。
「水着も下着だと思えばたぶん下着である。」というまさかの言葉でセイアの動揺を誘いますが、結局は自分がそう信じるしかないということに先生自身が行き着いたのです。3章前半のポストモーテムでもミカのクーデター未遂の事件の終わりにそういう発言していたのですが、そしてそのスタンスが生徒の味方となるという行為自体に繋がっていきます。
最終盤、再び目覚めた先生を皮切りにトリニティの混乱が一つずつ収束していくその流れには先生の作った信頼関係こそが柱となり、世界を少しずつ動かすことになります。
予知夢を持つセイアは頭の良さ、その虚しさを肯定するが故に絶望の先にあるその結末を見ていませんでした。
しかし、先生を含めた彼女たちはまさかの方法で戦況を覆していきます。
契約の存在と力
今回の更新でネックとなったとある事象は今後のメインストーリーにも影響を与えるかもしれません。
アリウス、そして背後にいるゲマトリアが取ったのは本来のエデン条約そのものに書き加えて、戒律を力と盾とした復讐。
ゲヘナの万魔殿に取り入ってまで会場を作った公会議の再現、電撃のような攻撃の展開、それによるユスティナ信徒の複製、何もかもが用意周到で崩されることのない作戦。それに対抗する術はなかったはずでした。
しかし、先生もこれに同じような例を使って反撃をした前例があったのです。
それがアビドス編最終盤でした。
契約には契約を
大人のやり方には大人のやり方を
エデン条約にはエデン条約で対抗する。
契約、戒律、約束事、キヴォトスにはこれらが現実に履行するだけの力を持つ存在があるということを示しにきたアリウスに、同じように「事象の再現による契約」で覆しにかかりました。正直思い返せば10話からの流れは圧巻とも言えます。
今後このような例がいかにストーリーに絡んでくるか。過去のキヴォトスの政治、歴史を理解、提示した上でその中の契約を扱うことが今後も可能性として多そうです。
そして、この契約の中心は間違いなく今を生きている生徒たちに他なりません。
私たちの物語とは
アリウスが「過去」を示したのに対して、生徒たちは「今」を示しました。19話のあのシーンに行き着くまでには決して平坦な道ではなく、多くの生徒たちの持つ思惑、感情のぶつかり合いがあったと言えるでしょう。
そしてそれが結実したのが「私たちの青春の物語」という言葉に込められた意味です。
全てが無駄であるという言葉を知りながらも、それでもハッピーエンドを信じ続ける。確かさのない世界で、私たちの望む物語をそれでも作り上げていく。
描き手は私たちなのだから。
この「青春の物語」という意味でタイトルになる「ブルーアーカイブ」が回収されていきます。
今を生きる彼女たちの物語が最終盤で大きな輝きを持って、そして約束、契約の具現化の力によって確かさを増していくのです。
結果としてそれがアリウスの中でも「過去の憎しみは今を生きる私たちのものでないのではないか?」という思いを生んで、エデン条約の中での物語は一旦の終戦を迎えます。それぞれの日常へ、そして新たなる局面へと物語は進行していきます。
そしてそんな「青春の物語」をこんな殺伐としていた世界の中でできるのかという問いもあるでしょう。
しかし、その一部分が切り取られたPVがつい昨日発表されましたね。
そう、生放送の最後に公開された「1周年記念PV」です。
この中では1周年のパーティーとそれぞれの生徒の普段の日常や今までのイベントなどを季節を追いながら振り返っていきます。
それぞれの生徒の見せる表情、笑顔に心打たれながらも守るべき、そして紡いでいくべき世界の物語が確かにここにあるのだとなんとなく再認識させられました。
エデン条約編という大きな岐路を越えてシャーレとそれを取り巻く生徒たちの物語は新たな場所へと向かいます。
その先にある物語がハッピーエンドになることを信じて。
1周年おめでとうございます。
ライト勢プレイヤーの私ですが、これからもブルーアーカイブの紡ぐ物語が少しでもより良い方向へと向かうことを陰ながら、キヴォトスではないこの世界の片隅で応援しております。
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