【ゆるく書くブルアカ】エデン条約編-3「生徒の味方であって、誰の味方でもない」

待望のエデン条約編、続編追加!
実に半年くらいの間をもって追加となりましたエデン条約編1章続編、さらに2章も追加し、一気に物語が加速しました。

夏イベ、山海経、C&Cまで経てやっとと言われたメインストーリーに歓喜するプレイヤーさんも多かったのではないでしょうか。ここから先はネタバレになりますのでご了承を。







トリニティに暗躍の嵐


そしてその内容と言えば、これでもかってくらいのシリアスなストーリーの中にはドロドロの代理戦争が入っており流石の私も紅茶を噴き出してしまいました!って感じです。

つまるところ、トリニティの文字通りの三位一体とも言えるティーパーティーのシステム、形骸化の兆しが見えている可能性を示唆してきました。
「3人の生徒会長ってのはわざわざ互いの意見を交換して意見をすり合わせていい形を模索するからいいんだ。3人がそれぞれ独断で行動しても組織が持つからいいわけじゃないんだ、わかるか?」
とでも言ってやりたいくらいに各々が独断で動き、一枚岩とは言えなさそうな複雑な事情を目の当たりにすることになりました。

今回やはり気になるのは補習授業部内で各生徒のバックにいそうな重要人物を仄めかすようなシーンの数々です。対応させると

ナギサ ー ヒフミ
ミカ  ー アズサ
セイア ー ハナコ
ハスミ ー コハル (正義実現委員会のライン)

というような感じです。それぞれを詳しくみていきましょう。

まずはヒフミとナギサのラインですね。ここはもうアビドス編からの定番です。今回合宿内で明かされたのはヒフミにも裏切り者の情報を流していたということです。てっきり先生のみかと思われたのですが、それほどまでにヒフミが信頼されているという証拠の表れなのでしょうか。かと思うとそうでもなく、ナギサはヒフミのアビドス編からのシャーレとの縁を評価しているという点が大きく、自身の手札を見せていくものの、その上でも「どうせやんないんだったらお前も一緒に退学やぞ」みたいなニュアンスで交渉してくるのですが。

結果的にヒフミは同じ情報を持つ先生との情報共有にも成功し、なんとか現在は部長としての職を全うしていますが、今後部の行方を左右する結果となった場合にどのような行動を取ることになるのか。

そしてなんといっても、2章でさらに明かされたのはギャグ調に描かれ、随時ブルアカの定番ネタとして擦られたアビドス編のあのシーンをまさかのシリアスの状況になって回収してくるという憎い展開…結果としてそれがナギサがこのような事態を招き疑心暗鬼に陥らせる結果を作ってしまうという。

見えている状況は本当に真実なのか?
私が信頼している人間はその裏で何か私を裏切って暗躍しているのでは?

2章第9話では「不可能な証明」の如く、疑うことの際限のなさをナギサが陥っている病として明確に示唆するものでした。


そして今回明かされたのはここからです。

セイアとハナコの繋がりは衝撃的という他ありません。というよりも今まで謎であった浦和ハナコという生徒の内情が今回の更新で明確にわかってきたともいえます。
1年時にはすでに3年の問いにも満点で答える秀才っぷり、一方で礼拝堂での授業に水着で立ち入るという行為もあったようで、2章で登場したシスターフッドのマリーともなんらかの面識があるようでした。しかし2年では一転してわざと落第するかのような成績を残します。ナギサに目をつけられたのも主にそれが理由です。
果たして彼女になんの理由があっての行動なのかはまだ明らかにはなりませんが、2章ではなんとかヒフミとの和解も成立し、補習授業部の目標へと邁進することになります。ここでは彼女の数少ない情報からヒフミや先生の持つ情報を推理し、ぴたりと当てたことからも彼女の持つ頭脳の恐ろしさが分かります。

そしてなかなか姿を見せないセイアは入院中と言われていましたが、まさかの「何者かの襲撃によるヘイロー破壊」という事態に見舞われていたことが明らかとなります。アビドス編でもホシノより語られたヘイローの破壊は具体的に彼女たちに何を及ぼすのか、そもそもヘイローとは何か、具体的に構造がどうなっているのかも明確には語られていません。セイアの安否も不明であり、もしかするとその事件の中でセイアとのつながりのあるハナコが2年での落第を招くようなことにつながったのではとも考えられます。(何かに対するささやかな抵抗?)裏切り者を見つけようとするナギサを「猫ちゃん」とも称する彼女の口調にはなんらかの意思が見て取れます。

そしてセイアがプロローグで口にし、アズサからも語られた7つの古則の5つ目
「楽園に辿り着きし者の真実を証明できるか。」

これに機敏に反応したハナコがセイアの名前を口にしたことでセイアとの繋がりが明らかになっていましたが、アズサもまたどこかでこの古則を知る機会があったのでしょうか。

そしてトリニティのティーパーティー最後の一角、ミカです。今回のメインストーリーはたった一度の彼女の来訪で完全に彼女に振り回されたと言ってもいいくらいに物語を動かしました。

彼女が口にしたのは大きく分けると

・「ナギサの言う」裏切り者の正体
・エデン条約の危険性
・アリウスとは何か
・アズサとの関係性

と言ったところでしょうか。これだけでもクッソ重要なことばかりですが、あくまで彼女の口から語られたという点は忘れてはなりません。後述しますが、現在の先生の視点は誰かの持つ考えの視点と必ずしも合致しているわけではありません。先生もまた多種多様な力のせめぎ合いに巻き込まれた存在の一人であり、「生徒の味方」であって、まだ特定の個人に肩入れするわけではないのです。アビドス編では相手が「悪い大人」であったためにアビドスに肩入れをしましたが、今回は生徒対生徒とも言える状況です。先生なりに対処を試みるようですが果たして。

話をもどすと

・「ナギサの言う」裏切り者の正体→恐らくアズサ。アリウスからの転校生。もしくはそれを手引きしたミカ自身?

・アズサとの関係性→転校の手続きを捏造したのはミカ本人。ミカがアリウスと歩み寄りたいと考えているため、彼女を守ってほしいと先生に依頼。

・アリウスとは何か→トリニティの元となった分派の中で結託に最後まで反対した存在。トリニティからの攻撃を受け、追放された現在はどこで何をしているのか不明。

・エデン条約の危険性→第一回公会議(※1)の再現をし、ナギサ自身がエデン条約機構の中で強大な力を持ち、連邦生徒会長失踪の中でその力を奮い、意のままにキヴォトスの他勢力を削ぐ可能性を示唆。

これ以外にも補習授業部に先生を呼ぶことにしたのはミカの提案だったりと、かなり裏での行動がなかなかに激しく、幼馴染に容赦のないことをしている印象です。

(※1)
第一回公会議:トリニティの元となった分派たちが対立を取りやめ、手を組むことになった会議。反対したアリウス分校が結託したトリニティに攻撃されて自治区を追放されたという禍根を遺した。

その中で彼女はナギサの推進するエデン条約はかなり危険な可能性があると示唆してきたのです。ETO(エデン条約機構)は一種の武力同盟とも言える。その力でナギサは何をしでかすのかわからない、公会議のようにアリウスにまで被害が及べば今度こそ彼らは充分に学ぶ環境など用意されなくなるだろうという考えのもと、彼女は密かに活動を続けていました。
しかし、どこからか裏切り者を示唆する情報が漏れたことでナギサは補習授業部を設立し、ミカはそれにシャーレの横槍を投げたのです。

一種の理想主義的とも取れる考えであり、彼女の甘さを指摘する声もあるとは思いますが、彼女もまた歴史的な対立に終止符を打ちたいとする考えの持ち主でした。しかし、居所不明のアリウスから生徒を連れてきたり、アリウスに対してなんというか上の立場から手を差し伸べるというような形が見受けられ、結果的にアリウスの反感を買うことになる可能性もあるのが少し不安な要素である気もします。

そして未だ読めないのが正義実現委員会です。今回コハルが呼ばれた理由がハスミを食い止めるための人質戦術という展開。首脳会談の様子など、一見してすべてのシリアスのような伏線を跳ね返すギャグ的な部分の雰囲気も見受けられますが、まだ油断しきれないというのが本音です。そもそもコハルのスパイ宣言もどっちなのか、ハスミが意外とエデン条約に関してはそこまで強い反対を見せていないのもやや気になる点ではあります。

すでに役者は揃いつつある

そして今回の2章では今回の主要とも言えるメンバーが揃い踏みとなりました。マリーの実装、今回のストーリー登場とともに徐々に姿の見え出したシスターフッド、エデン条約でピリつく空気など気にせずゴールドマグロ強奪を行った美食研究会、引き渡しの際にゲヘナ側の救急医学部との邂逅、そして風紀委員会のヒナ委員長とのメインストーリーでは久々の接触と今回はかなり様々な勢力が入り乱れています。

思わぬ新キャラの登場もありつつ、来る後半に向けここからさらに加速していくキャラクターたちに目が離せません。

先生は誰の味方?

一章最後に放たれたミカのその言葉通り、数多の生徒の間で先生はどう動くのか。それの見極めが重要となってきます。

一旦それぞれ、登場したキャラの立場、考えをおさらいしておきましょうか。

ナギサ
エデン条約推進のホスト役。エデン条約締結の障害になりそうでトリニティ内での現状疑わしい人間を補習授業部に加入させ退学させることを画策。ヒフミとのつながりが強いものの、彼女の噂から疑心暗鬼になる。先生やヒフミに裏切り者の発見を依頼。

ミカ
ティーパーティーながらエデン条約反対派。エデン条約はナギサ自身の暴走を招く軍事同盟になりかねないとの指摘。

アリウス分校との和解を実現するため、アズサの転校を捏造するもどこかのタイミングでナギサの補習授業部設立につながってしまう。補習授業部にシャーレを組み込んだのは彼女の意見。合宿中にアズサの護衛を先生に依頼し、自らの情報を共有。アズサ自身との繋がりは不明。

ヒナ
エデン条約推進派として万魔殿のマコトを介して行動。ミカとは違いエデン条約は平和条約であると考える。

エデン条約締結ののち、風紀委員長引退も示唆。エデン条約でゲヘナの治安も良くなると考える。

未だ見えないアリウスのメンバーやセイア(セイアはアリウスとの和解には反対)
なども合わさり既に多くの考えが蠢く混沌とした状況の中で先生はあくまで生徒の味方という考えを貫きます。何を信じるのか、

ナギサの疑心暗鬼を覆せるか。
ミカの言葉をどこまで信用するのか。
補習授業部を守れるのか。

そしてエデン条約の行方は。

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