第二回にじさんじ甲子園-3「躍進と明暗」

だいぶ日が空き、全チームがスタートし、早いところはすでに3年目まで突入した。明暗別れ、運に笑う者、泣く者様々な中、すでに昨年越えとも言える躍進を果たしているところもある。

加賀美実業の1年目

加賀美実業は千葉県大会1回戦では延長13回タイブレークまで持ち込む熾烈な戦い。白熱の投手戦を演じたのはやはり一年エース社築だった。13回を1失点。球数は150を超えた。しかし打線が繋がらず、タイブレークに持ち込んだ13回で、不調だったニュイ・ソシエールがサヨナラの犠打。見事に突破するも、続く2回戦で序盤の乱打戦が響き、社築の降板後は競り負ける結果に。一年目の夏が終わった。

その後の夏合宿や猛特訓は一年生には大きな物だったと言える。
葉加瀬冬雪にチャンスメーカーやラインドライブ、来栖夏芽に流し打ち、ジユに闘志、社にキレ○がつくなど攻防でのレベルアップが見られた。そしてその萌芽は秋の公式戦で見られた。

あと一歩届かなかったものの……

1回戦を勝ち進んだ加賀美実業は今年の甲子園出場校とあたる。序盤、中盤は葉加瀬冬雪の安打やニュイ・ソシエールの2ラン、来栖夏芽の複数安打、社築の好投もあり、リードするも、後半になるにつれ点差が縮まり、最後は逆転されてしまう。社築のスタミナ切れの降板後に大きな課題が見られることとなった。しかし、あと一歩のところまで甲子園出場校を追い詰めたその攻撃に確かな手応えを掴んだのは事実であろう。

直後の練習試合でも後続ピッチャーや外野の守備などでリードを守りきれない展開も続き、監督としては歯がゆさを感じる結果となったものの、冬でレベルアップしたメンバーは年明けから快進撃を続け、夏の県大会では打撃面特化の野球が逆転となるビックイニングをたびたび演出することとなる。

今後の課題と確かな希望

加賀美実業の今後はかなり明確だ。確かな攻撃力とそれを守り抜くだけの力、この場合は攻撃特化で追いつけないような点差を生む攻撃力を育成するのか、はたまた短い点差をきっちり守り抜くだけの投手、守備の育成か。いずれにせよ、社築の後続を務めるジユのさらなる飛躍は必須だろう。
守備を捨てるか否かは監督次第だが、既に新入生エトナ・クリムソンやぽむ・れいんぱふなどが高い能力を持ち、後輩にも期待が持てる。
現在の2年生の中にも粘り打ち、流し打ち、ハイボールヒッターと、安定した安打を放つ4番打者としての風格が出つつある来栖夏芽や、威圧感などもありつつホームランや長打を放ったニュイ、チャンスメーカーとして強打とそれを活かす足にも期待のかかる葉加瀬や、すでに一年ながら中核を担うエトナなども打撃面でかなり期待が持てる。

そしてなんといっても社築の負け運を打ち消して上書きする勝ち運取得。パワーを信条とする加賀美実業にとっては追い風に他ならない。

加賀美実業としてはその噛み合いが今後にかかってくるだろう。

現在の本戦メンバー予定
投手
社築
オ・ジユ
グウェル・オス・ガール

捕手
ニュイ・ソシエール

一塁手
葉加瀬冬雪
二塁手
文野環
遊撃手
エトナ・クリムソン
三塁手
白雪巴or轟京子

外野手
ぽむ・れいんぱふ
来栖夏芽
桜凛月


VR関西、苦境。


天才2人と上々のスタートを切ったかに見えたVR関西だったが、まさかの苦しい展開を迎えている。
府大会は激戦区の打力に追いつけず、二回戦敗退。続く夏合宿や特訓でも芳しい結果を残せてはいない。
秋大会以降も未だ奮わず、地区大会進出も叶わなかった。天才打者2人が不振にあえぐ中で、弱点であった投手層の薄さも重なり、思うように結果が出せずにいる。特訓での能力獲得が進んでいないのも一因だ。

2年目突入、正念場を乗り切れるか。


すでに2年目の新入生も迎えるも、その能力の低さなどもあり、より一層育成に力を入れる展開になることは確かだ。サードであった西園チグサはセカンドへとコンバートし、盗塁技術の高さとともに走力アップを期待されている。ショートであったドーラはサードへとコンバートすることが決まっており、威圧感持ちの外野手ベルモンドバンデラス、投手の明楽レイ、ソンミアも育成次第では継投によるリリーフとしての期待がある。

何はともあれ、ここが勝負の年であることは確定したVR関西。昨年のような巻き返し、更なる天才の飛躍が期待される。

その後、2年目夏は4回戦に転生黒田博樹や転生亀井善行を擁する高校に敗退。月ノは復調を果たしたものの、天才遊撃手チャイカは打撃面では奮わず、監督としてはやはり誤算だろう。
しかしその後の夏合宿にて雨森小夜にまたしてもキャッチャーBがつき、西園チグサも大幅なパワーアップを果たす。2年目秋、昨年の月ノの覚醒も同時期に起こったためか、やはり今回も期待せざるを得ない。


現在の本戦メンバー
投手
でびでび・でびる
ゆうた(矢車りね)
明楽レイ
ソン・ミア

捕手
雨森小夜

一塁手
星川サラ
二塁手
西園チグサ
遊撃手
花畑チャイカ
三塁手
ドーラ

外野手
月ノ美兎
ベルモンド・バンデラス
える


レインボール、確かな手応え


快進撃とも言える勢いをつけるのはレインボール高校。天才キャッチャーを擁するこの高校は1年目の夏は県大会二回戦にて名門校と当たり、なんとか食らいつくものの、惜敗。しかし夏では一年生たちの特殊能力取得が原動力となり、秋は毎試合ごとに終盤で打線が奮起して接戦を制し、地区大会まで進出。
冬にかけては投手アルス・アルマルの強化や新入生スカウトなども功を奏し、春最初の練習試合では3年生抜きのチームでも快勝を果たす。

そして迎えた夏大会。投手陣は3年生平塚、2年アルス、モイラの継投リレーとミユの好リードが光り、打撃面では4番ミユを軸にショート宮崎や外野手蓮沼などが躍動し、決勝進出を果たす。
決勝戦は劇的な投手戦。一点を争う戦いとなり、敵のエラーが響いて生まれた一点を守り抜き、最後は守護神モイラが抑えて、県大会優勝と甲子園出場を果たした。
甲子園大会は2回戦で敗退となるも、選手たちは確かな爪痕を残したと言える。

そして迎えた秋大会も打線の援護と投手陣の強さもあり無事地区大会まで駒を進める。地区大会は惜しくも2回戦で敗れるも、センバツへの出場権を獲得。夏春連続出場となり大きく飛躍できる可能性が高まっている。

総合力のあるチームに

現2年の中でも突出しているのはキャッチャーAやムード○に加えて、現在はアベレージヒッターなど打撃面も強い天才捕手ミユに他ならないが、それだけではないチームに仕上がりつつあるのがレインボールの強みだ。
一塁手フミは既に4つの青特や、パワーBまで育っており、打撃面では強打者の雰囲気が漂う。外野手の2人、瀬戸美夜子とシスター・クレアは前者は盗塁と走力、肩に突出し、後者は威圧感持ちでバランスの良いステータスに育つ。
そして投手アルスとモイラはそれぞれ持っていた赤特が現在消えており、既にミユの援護もあって好ピッチを続けている。
緩急○、リリース○、根性○、球持ち○、打球反応○、キレ○と、6つの○つき青特を持つ先発アルス、闘志、クロスファイヤー、低め○と勝利時の絶対的守護神となりつつあるリリーフのモイラも侮れない。

現1年生も2年目夏では外野手として活躍し、ショートへのコンバートを果たして打撃面を中心に活躍する神田笑一、対左に強く、ミートの高いセカンド長尾景、低いステータスながら打撃面で快進撃を続けるサード郡道美玲、一年生ながら危なげなく活躍する外野手健屋花那、代打枠として期待されるガオンなどがいる。
総合力としてはなかなかの高さを誇るチームへと成長しつつあるレインボール高校
混戦模様のBリーグを制する大きな力を獲得できるか。

現在の本戦メンバー

投手
アルス・アルマル
モイラ
ハン・ナリ

捕手
ミユ・オッタヴィア

一塁手
フミ
二塁手
長尾景
遊撃手
神田笑一  ガオン(代打)
三塁手
郡道美玲

外野手
瀬戸美夜子
シスター・クレア
健屋花那


ヴィラン連合、まさかの快進撃


Aリーグ注目株といったら彼らを置いて他ならない。ヴィラン連合は一年目より大躍進を続ける高校の一つだ。
1年目の新入生も転生プロの投手などを含めて基礎ステータスや個性の光るメンバーが集い、先輩にも恵まれた。

そして彼等はまさかの1年目にして大分県から甲子園出場を成し遂げたのだ。
文面で伝えきれないがこれはとんでもないことであると言わざるを得ない。
監督本人の采配と先輩たちを含む打線の爆発、エース剣持の酷使、もとい完投などもあり、数々の試合をものにしてきた。甲子園大会は1回戦敗退に終わり、さらに一年目秋ではセンバツ出場叶わずに終わるも、2年目新入生で転生前田健太を引くなど大きな強化があった。しかし、2年目は名門校に阻まれ、夏大会は県大会で終わりを迎える。

あともう一つ、勝負の3年目へ。


今のところ、投手層の厚さ寄りの総合力の高いチームとなっているヴィラン連合。2年エース剣持、1年生転生マエケンのレザ、さらに2年生投手黛といったリレーは本戦でもかなりの威力を発揮するだろうと言えることに加え、気になるキャッチャーB以上などの捕手能力は3年目新入生スカウトで獲得が確定。バッテリーを迎える準備は万全と言える。

野手面も悪くはない。2年のりりむや物述などに打撃面での特殊能力もあり三塁手ギルザレンにはアベレージヒッターもつく。走力面などで飛躍を見せるエリーなどもいる。

スタメン予定
投手
剣持刀也
黛灰
レザ・アファンルナ
イ・シウ

捕手
正捕手は未確定(童田明治、朝日南アカネなどはキャッチャーポジあり)
3年目の新入生でキャッチャーB以上の選手が確定

一塁手
鈴鹿詩子
二塁手
魔界ノりりむ
遊撃手
卯月コウ
三塁手
ギルザレンⅢ世

外野手
物述有栖
エリー・コニファー
宇志海いちご
(成瀬鳴)

期待の神速、3年目夏へ。


兵庫県選択となった神速高校。
1年目は転生田口壮など悪くない選手層だったものの、2年目は少し引きが悪くなってしまい、1、2年目ともに結果は奮わず。しかし、2年目秋に機動力重視の戦術が功を奏し、少しずつ神速高校の野球が確立されてきている。
3年目に転生宮本慎也を引いたことで遊撃手枠も確定し、ほぼ本戦スタメンも決まった形。あとは一勝でも多くの勝ちを夏大会で奪うのみ。
最後の夏、そして本戦に繋がる夏が始まろうとしている。

注目選手紹介


やはり注目となったのは転生田口壮が元の戌亥とこだ。外野手としての守備面はほぼバッチリであり、3年目ではオールC以上のステータス。ここからどういう形を取るかが注目だ。
次に代走枠としてほぼ3年間走力育成しかしてこなかった黒井しば。しかし走力Sのその足はセーフティバントや内野安打を確実にものにする。彼の出塁こそが機動力で破壊する神速野球部の要だと言える。戌亥の長打などで確実にものにするドッグラン戦法がどこまで刺さるか注目だ。
他、一年生ながらスタメンを勝ち取った転生宮本慎也の緑仙はしばの出塁を確実にチャンスにする役割が求められ、スタメンの起用次第だがチャンスBの捕手弦月藤士郎、堅実な打撃と走塁Bのファースト、アズラや4番のサード、リクサ、アベレージヒッターのエクス・アルビオも合わせて機動力重視の野球を支える。

投手は三年エース不破とリリーフであるライが主軸。投手陣を支える捕手にキャッチャーB以上がないのが少し怖いが、果たして。

本戦スタメン予定
投手
不破湊
ライ・ガリレイ
山神カルタ
早瀬走

捕手
弦月藤士郎
(春崎エアル)

一塁手
アズラ・セシリア
二塁手
夜見れな
遊撃手
緑仙
三塁手
リクサ・ディレンドラ

外野手
黒井しば
戌亥とこ
エクス・アルビオ

アン大、低迷脱出なるか。

苦境に陥るのがアン大高校。1年目県大会は3年生の活躍もあり準決勝まで駒を進めたものの、その後、打線の低迷と大分県選択により得た転生山口俊が元のエース、リゼ・ヘルエスタの運用もあり、低迷期に陥る。2年目新入生で先発枠となるエースを獲得するも、県大会では前評判以上の難敵に阻まれ敗退。特訓などでの不運もあり、打線、投手面の両方でピンチとなったアン大、何とか打開して欲しいところ。

(栄冠ナインは運用や采配もそうだが、何より運の要素も強いゲーム。この他に様々な因子が絡むため、一概に解決法がこれだと言えない。だから何とこちらが意見しようにも正解はなく、正直監督の決定に対して、見守るしかいい方法はない。)

注目選手の紹介

鍵を握るのは3人の投手、それと打線面だろう。守備面での育成重視だったこともあり今後の攻撃力増加がまさにチームの鍵となりうる。それぞれに成長を遂げているものの、いまひとつそれが点につながっていないのが痛いと言える。

そして気になるのは投手面。

先発枠に収まりそうなのが現1年のソ・ナギ。ステータスも悪くなく、超スローも合わせて変化球3種と多彩。勝ち運も取得してまさに先発として起用が期待される。そして2年のリゼ・ヘルエスタはリリーフに収まる形となるが、デバフがかなり運用次第では悪さをする可能性もあり、リリーフとしても安定した投球ができるのかが不安になる。そこで気になるのはもう一人の2年、魔使マオ。育成次第ではロングリリーフや抑えとして柔軟な起用が求められる可能性のある選手であり、ここのバランスが結果としてアン大の鍵を握りそうだ。

現本戦メンバー

投手
ソ・ナギ
リゼ・ヘルエスタ
魔使マオ
シン・ギル

捕手
フレン・E・ルスタリオ

一塁手
相羽ういは
二塁手
渋谷ハジメ
遊撃手
静凛
三塁手
葉山舞鈴

外野手
勇気ちひろ
甲斐田晴
森中花咲

帝華リベンジャーズ、正に逆襲となるか。


大分県選択の帝華高校。まさかまさかのアン大と同じく転生山口俊を引き、投手の基礎ステは悪くないが目につくデバフに振り回されることになる。
一年目、二年目は奮わず、弱小校のままだったものの、ここにきてジョー・力一がキャッチャーBを取得。チャンスBと合わせて一気に帝華の主軸に躍り出た。特訓や合宿での不運もあったものの、2年目の新入生も悪くはなく、ポジション調整も合わせて、ここで日和らずに一気にここから巻き返しを期待したい。
正に逆襲となるか。帝華高校はまだ諦めてはいない。

個性ある選手陣


やはり帝華で注目すべきは投手だろう。基礎ステが高く、奪三振などを持つものの、赤特3つの転生山口俊となった舞元啓介はなかなかに扱いづらく、運用が難しい。同じく強い特殊能力がありながらも負け運を持つ天宮こころとどちらを先発で運用するのか気になるところである。
2年目の新入生に加入した周央サンゴは育成次第ではリリーフとしてまさしく最強の性能とも目される。
同じく2年目新入生の奈羅花と合わせ柔軟な4枚運用で乗り切りたい。
そして今回帝華の守備面の主軸はまさしく捕手ジョー・力一だろう。キャッチャーBでの投手陣のバックアップに合わせて、チャンスBやいぶし銀も合わせて打撃でも期待したい。
二塁手で攻守で期待される現2年イブラヒムもそうだが、転生OB外野手が元で、ショートへのコンバートがなされた家長むぎ、走力のある外野手として期待されるミン・スゥーハなど2年目新入生が中心を担う形に、これを原動力に突き進みたい。

現本戦スタメン予定

投手
舞元啓介
天宮こころ
周央サンゴ
奈羅花

捕手
ジョー・力一

一塁手
竜胆尊
二塁手
イブラヒム
遊撃手
家長むぎ
三塁手
イ・ロハ

外野手
鈴木勝
ミン・スゥーハ
東堂コハク


王者にじさんじ高校 襲来。


今回は兵庫県選択となったにじさんじ高校。まさかの初回で転生小山正明を引き、金特「精密機械」を有する投手がエースとなることが確定。その他の軸も悪くはなく、上々の滑り出し。その後では県大会ではAランク相手に豪運であと一歩に迫り、その後秋大会ではエース絶不調の中で延長戦を制し、格上相手に勝利。さらに県大会で負けた名門高校に対して一歩も引かぬ戦いを見せ、勝利を収めるなど栄冠ナインを豪運で制するが如く、その力を発揮している。勝ちは勝ちのため選手の育成への貢献も大きく、自身の力をものにした育成で今年も連覇を期待せざるを得ない。
金特を有し、初期ステータスも今大会最高とも言える転生小山正明が元のエース叶は本戦では相手チームにとって大きな脅威となるだろう。昨年を彷彿とさせる捕手ユードリックや一年ながら本塁打などを挙げるメンバーもおり、正直今後に期待しかない。

現1年生メンバー
投手

ライラ・アルストロエメリア

捕手
ユードリック

二塁手
伏見ガク
遊撃手
三枝明那
三塁手
天開司


8月に入りいよいよ大詰め。ここからチームの外郭、全体像が出来上がってきており、本戦間近であることを知らせてくれる。チームの事前データはあれども何が起こるか分からないのが野球の面白いところでもある。本戦の一発勝負に胸を躍らせる準備はできている。


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