東京工業大学大学院 数理・計算科学系を受験しました

とりあえず報告だけ。(9/24 追記)


5月くらい

数理計算科学、情報工学合同の説明会に参加。実はこの頃は情報工学系に進学して画像認識について研究したいというのが第一希望だったりしました。ただ、説明会の中で一人の教授の話がめちゃくちゃ面白そうで、ページを見てここにいきたい!と思い、数理計算科学系に進路を変えて勉強することにしました。


まず、数理計算科学系の入試問題形式をざっくりとまとめると基礎問A~Cのうち2問、専門問1~9のうち3問選択、各20点の100点満点+英語(TOEIC)20点の計120点満点となっており、さらに各問題のテーマがざっくりと決まっていて

A...線形代数学

B...微分積分学

C...離散数学

1...群論?(専門外なのでわからん9

2...数論?(同じく)

3...解析学(微分方程式)

4...線形計画法(オペレーションズリサーチ)

5...確率論

6...統計学

7...形式言語

8...アルゴリズム論

9...オペレーティングシステム

といった感じになっています。系の中でも幅広い感じに研究室があるので各分野ごとって感じでしたね。僕自身はこの中のA~Cと4~8までを対策しました。実際に本試験で解いたのはA, C, 4, 6, 9です。なぜ対策してなかった9をやったかというと本番で何故かオペレーティングシステムの問題なのにアルゴリズムの問題が出たからです。


各対策についてまとめます。

線形代数

正直最後までてこずりました。というのも、5月6月時点では行基本変形のやり方すら忘れていてまともに固有値を出せなかったレベルなので一から仕上げました。

・使用した参考書

1.マセマ

基本はこれを読んでいけばいいと思います。かなり参考になりました。

2.弱点克服 大学生の線形代数

基礎がついたらこれで問題演習をしました。解法が親切な上、ステップ式になっているので何回もできて良かったです。

3.池田和正の線形代数

基礎が身について大学院入試についての経験値が欲しかったので解きました。大学院入試って過去問の解答が与えられないんですけどこういう問題集があるのはありがたい。

微分積分

こっちに関しては基礎力がそこまで衰えてはいなかったので線形代数の2.の参考書の微積バージョンをいきなりやってました。本番で過去11年に出てきてない2変数関数の極限についての問題が出て(3)がおそらく平均値の定理みたいなのを使うんだろうなとは思ったんですけど論述できなかったので避けました。悲しかった。

それ+αでやったのが

1.明解演習 微積分

割と昔の参考書なんですけど、痒い所に手が届く感じでとても良かったです。大学生版チャートみたいな感じでした。

2.基本演習 微分積分

こちらも問題集として使いました。数列の極限の扱い方とかはこれが良いと思います。ちゃんと丁寧な解説があって本番の記述の参考にもなると思います。

離散数学

大学1年生でやったんですけど色々と忘れていたので最初は避けてたんですけどなんだかんだやってるうちに思い出して得点源にまで昇華できたのでやってよかったなって思います。

1.IT Text 離散数学

これだけで離散数学はいいかなって思いました。最後アルゴリズムや数論まで手が伸びてるので他の問題へのアプローチにもなってよい。

線形計画法

特に問題集は使ってないですが、ググってみると色々な大学の資料が出てくるのでそれを総合して解くとシンプレックス法やら双対定理などいろいろとわかると思います。

確率、統計学

これはセットで。めちゃくちゃ良い参考書があります。

1.大学生のための確率統計

これ、本当に本質。全部のってる上に検定の方法についても書いてあるし資格試験の問題集としても有用なので確率統計を学びたい人はぜひ買うべき。

2.基本演習 確率統計

こっちは問題演習用に買ったんですけどそんなに良くはなかったかも。確率統計に関しては1をやれば7~8割の過去問は完答できます。

形式言語

これに関しては東工大の友人からもらった資料でなんとかなったので問題集はないです。割とポンピング補題についてはやっておいた方が良い。

アルゴリズム論

これに関しても学部の資料や競プロをやってたのでその経験で何とかなりました。


6月

本格的に勉強に手を付け始めたのはこの頃から、といっても1日3時間くらいしか多分できてなかったかも。まず、去年の問題以外の10年分の過去問を全部解きました。当然できるわけもないんですけど、それによって自分に何が足りてないかがわかるのでできたところとできなかったところをメモして、できなかったところをピックアップするために問題集を揃え、問題を解くことに専念しました。

大学のゼミもあったりして色々と勉強時間確保できなかったりとか単純に分からない知識が多くて勉強のモチベが出なかったので少し勿体ない時間の使い方をしちゃいました。

7月

1ヶ月くらいしてようやく基礎~標準にかけて理解して解けるようになってきたので再度過去問にチャレンジしました。そうしたら半分くらいはできるようになってて、+αで半ばくらいに昨年度以前の方が作って下さった解答を入手したのでそれを見て解法を学び、更に経験を積むといった感じで一気に過去問を始めとする結構難しめの問題の正答率が上がりました。

英語に関してですが、SANTA TOEICというアプリを使ってました。かなりTOEIC対策になる良いアプリだと思うんですが、1ヶ月5000円(半年1万円らしい、料金システムガバガバすぎんだろ...)と高いので迷いどころではあると思います。

ただ、この頃から本格的に卒業研究も始まって、そっちはそっちで700個の変数があるデータを成形したりそれをプログラミングに通して満足できるデータが得られるまでトライ...みたいな感じで大分時間もメンタルも消耗して色々とやばかったです。7月の下旬が一番メンタルに来てたと思う。この頃からTwitterを一時的にやめて、研究と勉強に専念しました。


8月

研究にめどがついたのでここからは勉強にひたすら専念しました。1日10~13時間くらいは勉強してたかも。

まず、8月最初に今まで封印していた昨年度の問題を実際の時間を測って解きました。そしたら基礎の組み合わせ的な問題のはずなのに思い浮かばないというケースがでてきて解けない。マジで焦りました。

それで色々と考えた結果知識をインプットする練習ばっかりしてきたのでアウトプットしつつ自分の中で使える解法、本番で少しひねってる問題が出てもうまく対応できる形に変換することが必要だと思ったので、noteに過去問全部の解法をまとめながら自分でちゃんとした解答を作り、理解し直すということをしていました。多分これはうまくいって本番でもうまく組み立てることができたと思います。解答欲しい人いたら売るか譲るかします。


さて、ここで東工大から発表があり、新型コロナウィルスの感染拡大によってTOEIC、また筆記試験の東工大での受験が中止になりました。ふざけんなよ。ここで一番懸念したのが口述試験だけになって内部生有利のまま物事が進みそうだなってことでした。(色々と先駆者のブログを見てる感じそんな感じだったので)ここでまた大分メンタルやられて不眠症っぽくなってしまいました。しんどかった。

結局、英語に関しては学部の成績、Zoomで監視されながら筆記試験を解いて全員口述試験という形に落ち着いたのでまあよかったのかなと。筆記試験がなくなってたらどうなってたか分からなかったですね...パッと固有値の定義に関して質問されて答えられる気がしない。


あとは1週間くらい最終確認ということでノートに知識をまとめ直したり、口述試験で聞かれそうなことについて対策をしたりしてすごしてました。

本番

(ここから追記)

筆記試験の構成は過去問とほんの少しだけ変わっていました。(大問9がオペレーティングシステムの問題から簡単なアルゴリズムの問題になっただけ)

あとこれは割と予想出来ていたのですが、筆記試験の問題の難易度が下がったのと過去問の刷り直しと言っても過言ではない問題が多く、かなり平均点が高そうな内容になっていました。


本番の流れ
A→問題を見て、「これ過去問から数値変えただけだ」ということに気づく
B→過去問にはない重積分の問題、度忘れをしてしまったため省略
C→離散数学の○○則とかの問題、これもなんか過去問で解いたことあるなーと思って流す。
4→ORの問題、数値部分にパラメータあるけどこれ普通に解けるなと思い30分で完答
5→確率の問題、割と典型問題だと思ったけど緊張で計算がおぼつかなくラストだけ解けない、後回し
6→統計の問題、これもH20あたりの過去問の刷り直しだなと思い20分くらいで完答。
7→オートマトンの問題、少し手こずりそうだなと思ったので飛ばす
8→アルゴリズムの問題、厳しい、パス
9→念の為見ておくかと思った問題がめちゃくちゃ簡単、数字の出た目の組み合わせみたいな問題だったはず。漸化式を書いてそれを評価するみたいな。30分くらいで完答。

戻ってA→解法はすぐに浮かんだけど計算ミスが怖すぎてめちゃくちゃ慎重にやった。1時間半以上かかったと思う。
B→(2)の極限の問題をうろ覚えになってしまいパス
C→なんかやってくうちに循環になるなって思ったのでそれをうまく説明できたか少しあやふや
残り時間で5を解いたけど結局ラストの問題だけ間に合わずAC469のセットで提出。終わったあと自己採点していて(口述で使う事は言われていた)3箇所計算ミスや問題文読み間違えてたことに気付きメンブレ。自己採点は7割(計算ミス1箇所10点)

口述試験
今年だけ特例で全員受験になったのでここで落ちるみたいなことは無かった。

Zoomで指定された時刻に指定された場所に入ると6人程の教授が待ち構えていました。司会は第1希望の研究室の教授でした。

聞かれたこと(記憶の限り)
・受験番号、氏名
・志望動機
・学部時代頑張ったこと→B3の実験でセンター試験の文法問題を解くAIもどきを作ったことを言ったらその理論部分で出したワードを詳しく聞かれた
・修士を卒業後の志望進路→博士になりたいがその時次第と言ったら「博士を出た後は?」→企業の研究職と答えた
・筆頭試験について→ミスを3つしたことを答えると問Aについて聞かれたので解法と自己採点中に思いついた別解を答えた。その次に問C(1)について聞かれたので問題文の読み間違いを告白。

・志望研究室について→第2志望以降について上手く答えられずそこでツッコまれた。


という感じでした。20分の面接が本当にあっという間だった。合格発表まで生きた心地がしませんでした。


結果

第1志望の研究室は内部生が定員までいたため入れませんでしたが合格することは出来ました。あの時計算ミス無ければなーと思うことは多々ありますがそれもまた実力だと思います。

最後に

色々な院試エントリ記事を読んでいると学部3年から勉強し始めたとか入学時から因子を意識して高い成績をとっていたという記事が多い中で勉強し始めたのは院試2ヶ月前から、GPAは2未満というような感じからでも奇跡的に合格できたということで本当に何が起こるか分からないなあって思います。

大学院入試は大学入試の時よりも情報戦という言葉が強いと思います。実際、僕は説明会の前に同じサークルに所属している数理計算を受ける友達にコンタクトを取り、そこから試験前まで様々な情報を共有することで内部生に負けない色々なものを手に入れることが出来ました。また、志望研究室に所属している方から過去問の解答を頂いたり、様々なアドバイスを受けたりして当日までのイメージを掴むことが出来ました。勉強し始めた時には固有値の計算すら忘れていたので本当に教えて貰える人達が身近に沢山いてありがたかったなと思います。

もし周りにそのような人がいなかったらこのコメント欄やTwitterにDMを送って頂ければいつでもアドバイス出来ると思いますので気軽にお願いします。


今年は本当に色々とイレギュラーなことが多く、入試の2週間前に会場での筆記試験が中止になりZoom上での受験となったり形態が変わったりと大変だったのですが来年度以降はこのようなことがないことを願っております。

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