やだじゃん?
朝、目が覚めたのです。
大人になったからだと思うのですが、
自然と目が覚めることがあるのです。
寝起きの匂い。
体の芯が重いような。
目覚まし時計が鳴り出す前。
今日は休みだったでしょうか。
仕事のような気もします。
またあの道のりを歩くのかと思うと、まあアレです。
子供たちも奥さんも、まだ寝ているはずです。
いつまで働くのだろうかと思います。
そんなことを考える年齢なのです。
起きましょう。
まだ早い時間ですが、もう起きてしまいましょう。
それで頭を上げたら、なんだか引っ掛かるのです。
右耳がなんだか引っ張られるのです。
耳の穴からツタが出ていました。
この先にメロンが付いていたのです。
ツタの先のほうに五百円玉くらいの大きさのメロンが、四個ぶら下がっているんです。
仕事かあ、めんどくさいなあ。
そんなことを考えたからかもしれません。
こんなものを耳からぶら下げていったら、会社の人たちは驚くだろうと思いました。
そんな驚く顔も見てみたい気持ちもありました。
もしかしたら「美味しそうなメロンですね」なんて言うかもしれません。
会社の人たちは、食べてくれるだろうかと考えました。
そんなことを妄想しながら会社に行きました。
いろいろ面倒だなと思いながら行きました。
こんな現実逃避しながら、今日まできたのです。
それでこれからもこんな感じでいくのです。
夜になると眠ります。
朝になると起きるのです。
目覚まし時計が鳴る前に起きるのです。
もちろんメロンなんてないわけです。
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