そこの空も越えました。
「歳を取るって素晴らしい」
そんなことを思いました。
若いことは恥ずかしいと、若い頃に気がついていたのです。
早く大人になりたい。
そんなことばかり思っていたのです。
子どもたちが
「高麗人参て、なんて読むの?」
なんていうのです。
ああ、馴染みがないから読めないかもなあ。
そんなこと考えながら
「こうれいにんじんだよ。」
と答えたら奥さんが
「違うよ、こうらいにんじんだよ。」
なんてこと言い出すので驚いたわけです。
調べてみたら「こうらいにんじん」。
おかしい。
そんなことあるだろうか。
僕の父親はずっと
「こうれいにんじん」と言っていましたから。
韓国に愛人がいた父親がそう言っていたのです。
韓国に愛人がいて、きっと色々精通していたであろう父親がそう言っていたのですから。
なので
「こうらいにんじん」ってことはないんですよ。
なのに正解は「こうらいにんじん」。
こうした説明出来ない何かみたいなものを、いつも世界は内包しているなと思うのです。
それが面白味かもしれませんし、諍いのもとなのかもしれません。
とりあえず「こうれいにんじん」なんて言わなかった顔でいこうと思うのです。
そんな発言は忘れたのです。
「こうらいにんじん」だろ?
そんな顔でいくのです。
歳を取るのって最高なんです。
(図々しいともいうのです。)
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