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ならまち28mm (SIGMA DP1s)

 大阪にリコーイメージングスクエアがあった頃、非人道的なな薄給で働かされていたもので、ほとんど買い物ができなかったのが心残りでね。
 ようやく生活水準が回復した今年は、J limited 01をはじめとして色々反動買いしちゃっておりますが。

 でまあ、冬のボーナスも出て(しかも思ってたより多くてしかも近々昇給まで予定されていて)、なんかレンズ買おうと思ってたんですよ。
 しかしこれが決まらない。
 フルサイズで使えってるのが、FA31mm Limited、DA40mmXS、DFAマクロ50mm、DA70mmLimited、DA☆200mmとある。古いレンズも含めると19-35mmとか28-105mmとか70-210mmとかある。
 新たに撮れる幅が広がりそうなレンズって、DFA150-450mmとか、DFA15-30mmとか、F1.4級の明るいレンズとか、100mmマクロくらいでしょ。あと標準ズーム。
 DFAの2本は流石に予算がはみ出すし、デカくて重いから使用頻度上がりそうに思えない。使うシーン思い浮かんでないし。
 F1.4は大体50mmだし、50mmマクロ買ったばっかりなんだよな。
 じゃあもう新100mmマクロだけど、マクロ買ったばっかりなんだよな。

 んでリコーイメージングストアで悩んでたら、あっ、と思って、GR IIIを注文したのでした。

 28mmのGR IIIか、40mmのGR IIIxか、私はどう考えても40mmのほうがうまく扱えるんですけど、でも28mmにしました。
 最近あんまり写真の調子がよくないので、普段と逆のことしないと、いつもと同じように同じことして調子が上がらないままになる。

 そういうわけで、同じ28mmのDP1sを持って、ならまちの方をスナップしにいってきました。

 近鉄奈良駅から南の方へ歩いてきてみると、率川神社(読めない)という奈良市最古であるという神社。子守の神様だそうで、近くの地名が本子守町となっている。
 こんな実用重視な拝殿だったり、フォトジェニックなとこではなかったけれど、まあ写真映えで神社やってるわけでもないし。ちょっと見えてるんだけど、幣を置いてて自分で祓っていいらしかった。なんと合理的な。

 街路樹にサボテンが寄り添っていた。
 このカットは適当に撮ったらずいぶんオーバーになったけれど、緑に引っ張られたのかな……?

 バスケットボールでもやってる像なのかと思ったら、一輪車に乗ってるのが植木に埋もれて見えないだけだった。

 ならまち方面、けっこう変な店があるな……。

 なんかこんな立体ロゴが脱落してるのをよく見かけた気がする。

 京終天神。古くから条里制の大都会だったせいか、神社はこぢんまりした敷地のところが多い感じ。寺はでかいところがあるけどまあ、そのへんは聖武帝の意向かな。

 奈良町南観光案内所、しれっと大正時代の建物を使っている。当時はハイカラだったらしい和洋折衷の作り。

 前来たときに寄り忘れてたならまち格子の家。
 てっきりこれも古い建物を改装再利用してるのかと思ってたら、これは当時の町家の造りを再現して最近建てたもの。

 いわれてみれば、調度はあえて古いものを置いてあるものの、建物自体に明らかな古さはなかったかも。本当に明治以前の建物を使ってたら、電気の引き回しに苦労して見えてたり穴空いてたりするけど、そういう感じじゃなかったように思う。

 格子の向こうに見えてる藤岡家住宅は江戸時代のリアル町家。

 税金が間口の広さで決められたらしくて、商人たちは細長い屋敷を建てて、入口側には商売の場所などを、途中で中庭を作って間を取ってプライベートな奥の間を作っていたと。

 そういえば、からくりおもちゃ館もこんな造りの建物だったな。ここらのスタンダードなんだろう。

 手ぶれ補正なし、感度もISO400がせいぜい、開放F4の暗いレンズとあって、室内じゃ相当つらいものがあった。久しぶりに息止めてぶれないように頑張ったな。なんか久々。やはりカメラの機能に甘えておるなあ。

 郵便局がいい建物。流石に明治とかのもんじゃなく、昭和か平成の建物だと思うけれど、郵便局をこうも格好良く作ろうというセンスがここには残ってたのか。明治時代とかならハイカラな郵便局多かったようだけれど。

 謎の古本屋・酒仙堂。Googleマップにも登録がない。しかしネットを検索すると15年以上前から情報がある。
 酒と食の本を中心に、少しプラモデルなどもある、と。
 流石に入りづらさも感じるけれど、入り口から見える棚に遠藤周作の「切支丹の里」があったので、買うことにして中へ。
 建物は、住宅にしてはやけに広い土間があって、多分昭和の昔に小さな店を開くために建てられたっぽく、しかしそれも四畳半くらいの広さですぐ中に畳の部屋。土間と部屋には置ける限りの本棚。
 そこに髭を蓄えたご主人が、ラジオを聞きながら座っていた。
 奥もあるよと促されて覗いてみると、居間みたいなところでレトロおもちゃなどが積むように置かれている。ウォーターラインの空母ミンスクがあって買いそうになったけど、最近プラモ進まなくて船もいくつか積んだままだしな。一旦保留。

 ネットで見かける15年前の姿とはかなり変わっていそうだけれど、ご事情もありそうな感じ。かなりエントロピーは高まってるかな。私はまた行きたくなるけど。
 こういう小さな商いをどんどん摘み取っていくような世の中、まだ残ってるところは楽しんでおきたいな。

 元興寺も行ったことがなかったので拝観。
 ちなみに酒仙堂は元興寺の門前の道を南にいって最初の辻にある。

 名前通りに仏法元興の場というお寺だけれど、衰退の末に今は3つに分裂している。ここは西大寺の末寺になっちゃってるそう。
 大量に五輪塔があるのは、元興寺が極楽への入り口だといわれてた時期があって、元興寺に墓を作るのがめっちゃ流行った時代があったそうな。五輪塔はおそらく裕福な人、奥に行くと石板の墓も多数。
 収蔵庫にあった資料の中には、どうも骨壷収めてたのを江戸時代に廃棄したらしいのが見つかってるとか、衰退する中で結構困ってたんだろな。

 侘び寂び(時代が違います)。

 リフレクションスタバ。

 このへんまできたら鹿にも会えるかと思ったのだが、観光客の数は多いのに、鹿はわりと山の方に引っ込んでるのか、あんまりいない。それで鹿せんべいの供給過多になって、鹿ももう足元に放置してるし、どうも観光客が放棄したらしい鹿せんべいも散見された。マナー……

 県庁にきてみると、入り口にせんとさんがいた。
 まあ安土城の落成記念公開のときには信長公が自らもぎりやってたらしいから、せんとさんも奈良の主として県庁前にいても不思議はないな。

 せんとさんに許されて県庁の展望フロアに上がる。
 多分奈良市内で最も高い、民間人が立ち入れる場所だろうと思う。上の写真手前に奈良公園バスターミナルの屋上展望フロアが見えてるけど、あそこからだと若草山の方見てもあんまり見えないの。木のほうが高い。
 奈良県庁からなら東西南北どっちでも見れるぞ。まあそれでも南側は植樹の先から興福寺五重塔がちょろんと出てるのしか見えんが。

 ちょっと雲が出てきてたけど、なかなかいい。


 28mmにはあいかわらず苦手意識があり、写る範囲は広すぎるし、かといって18mmとかみたいな極端なパースだけで見せられるほどではないし、ほんとに「ただ撮っただけ」みたいなの量産しちゃう。
 DP1sだから、1枚1枚にちょっと時間かけて撮る感じになって多少ましかもしれないけれど、GR IIIでさくさく撮ってたら本当にしょうもない写真ばっか撮ってしまうかもしれないな……。
 GR IIIが届くまでに少しは解消できるだろうか。

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