FOVEる (SIGMA DP1s)
ボーナス出るからって、コーヒー豆買いに行くついでに八百富写真機店とか覗くからこんなことになるんです。
予備バッテリーとフードがついて22000円。
隣に似たような値段でSD10まで置いてたんですけど、流石にこれは思いとどまったぞ。今からシグマSAマウント追加はさすがに。
触ってみた
スペックは、28mmF4単焦点レンズで、APS-CサイズのFOVEON X3センサーを使ってる、それでいてサイズは幅113.3mm・高さ59.5mm。
後のDPシリーズはけっこう大きくなっていったけど、この頃のはだいぶ小さかった。これがたった250g。いいね。
FOVEONセンサーによる最高の写りはかねがね噂に聞いていたところです。一度使ってみたかった。
しかしまあ……なんだ、写りの良さ以外は酷……いやなんというかその、すごいという噂もかねがね聞いてるとこでした。
幸い、購入時点でバッテリーは満充電近いようだったので、持ち合わせのSDカードを入れて早速ぶらぶらしながらテスト撮影。
電源入れてまず気付かされるのが、動作が冗談みたいに遅い。今の基準で遅いとかじゃなくて、2010年頃でも私が知る限りこんな遅いのない。20世紀のカメラみたいだ。
起動は、2秒くらいでレンズを繰り出して画面がついて、それから3秒くらい操作不能時間があって、絞りとシャッター速度が出たらやっとシャッター押せる。
AFは1秒くらいかけて。モノがモノなので精度重視で合わせないといけないとか、事情もありそうですけどね。
そしてシャッターを切って2秒くらいかけてプレビューが出て、RAWだとそこから7秒くらいSDカードの書き込みランプがつく。発売当時は高級SDカードで30MB/s書き込みくらいの時代だから、今のカードで遅いはずもない。
一応書き込み中に次の撮影に入れるようですが、電源は切れないから、1枚撮ってすぐ引っ込める用法も厳しい。
この動作の鈍重さというとあれだな、オリンパスX-1とかこんな感じだったな(伝わりにくい)。
RAWの書き込みの遅さでいうと、DSC-F828よりは速い……ってまったくフォローにならないな。DSC-F828は「これは無理」ってなりましたけど、DP1sだったらまあ「こういうカメラだから」でギリ我慢できるレベルか。
それとちょっと気になったのは、まあ時代のせいかもですけど液晶の質があんまり。角度ついたら見えなくなる。
せっかくMF用ダイヤルまでついてるのに、この液晶じゃ全くピントわからなくて使えない。
実写
1400万画素というものの、記録画素数は2640x1760だから465万画素。
オートホワイトバランスが全然、とは聞いてたんですけどほんとに。
現像ソフトのSIGMA PhotoPro 6に食わせても頼りないし、プリセット選ぶだけで微調整スライダーが無効になってる。
しかも撮影時オートにしてるのに、埋め込まれてるプレビューとPhotoProのオートの色がだいぶ違う。PhotoProだと大体めっちゃ緑に転ぶ感じ。
やむなく太陽光に切り替えてみると、今度は黄色っぽい。しかしプリセットに太陽光より色温度高そうなのがない……。
まー、でもこういう何の変哲もない、しおれ始めの花の写真ですけど。
等倍で見てみると確かにこれは、なるほど、なんかものすごい写り方してるなあ。SIGMAフリークはこれが欲しくてDPを愛するのか。
レンズもかなり良い写りみたいで、こういうときに若干樽型歪曲があるかなってくらいしか今回はアラは感じなかったな。
まあプログラムラインが結構絞りたがるみたいで、あんまり開放で撮られたカットがなかったんですけれど。
28mmだから広角らしくパースはつくんだけど、最短30cmとあんまり寄れない。
しかも一眼だとセンサーからだけど、もしかしてこれはレンズ先端から30cmじゃないかな……と思うくらい、すぐ近接でピントNG出されて。
ちょっと扱いが難しいレンズだなあ。
水準器がついたカメラに甘えきっていて、水平外しまくる自分を発見するのでした。PhotoPro 6には傾き調整が見当たらない……
ホットシューにつける物理水準器をK-01から持ってくるか。
いつものPENTAXほど現像でいじりまくらせてくれるわけでもないので、ある意味「あとから直したらええやろ」とRAW撮りに甘えることもあんまり許してくれないな。
(これは割といじってます)
わりと色はあっさりしてる感じだから、ちょい彩度高めでアンダー気味に撮ったりしてみたらいいかな。
あ、色々頼りないといってるカメラですけれども、評価測光はけっこういい感じにやってくれますね。
ここまで、フードなしで撮影。
ただ、キャップはもちろん手で着脱だし、間違ってつけたまま電源入れるとレンズが引っかかって「キャップ取って電源入れ直せ」と怒られる仕様。そして怒ってくれるまでがめっちゃ長くて電源なかなか切れない。
そうするとフードはつけっぱなし運用として、46mmのレンズキャップを別途調達してつけておく、というのがいいかもしれないな。これだとレンズにキャップが当たらない。
使ってみた初日の感想としては、たしかにこれをピクセル等倍で見たときの写りは圧倒的なものを感じるなあ。
いやまあそら、465万画素でいいんだったら、2000万画素以上・APS-Cサイズ以上のカメラの画像を縮小したら同じくらいの解像感のものが得られるかもだけど、そんな野暮いうても仕方ない。
2010年ごろだと、同世代機はまだ1200万画素前後の頃でしたし。
ここんところ写真不調も続いているので、一眼レフでは持ってない、しかも苦手な自覚がある28mm単焦点で、しかもこの全く甘い使い方させてくれないカメラ、というのも、気分転換と修行になるかもしれない。
しばらく使ってみよう。
GRみたいな機敏なカメラだったら、リストストラップでポケットから出して撮ってひっこめる、とやるんですが、これだとできないんで首吊り運用ですね。
標準添付のネックストラップはあいにくついてなかった。
三角環とかはなくて、細いストラップしか通せない。でも両側にはある。
さしあたり近所のジョーシンにあった、ハクバのPIXGEARテーパードストラップ15を買ってきたのでこれで。
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