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2023年のニンジャソン夏 「読書感想文コン」リブート、レイヴン

前書き

ドーモ。
ニンジャヘッズきりたんのイガラシです。
普段はニコニコ動画、YouTubeでニンジャスレイヤーの二次創作動画を作っています。
私事ですが、名義変更しました。
ニンジャヘッズきりたんはチャンネル名であり、中の人の名義がなかったので、これからは「イガラシ」と名乗らせていただきます。
よろしくおねがいします。
今回は2023年のニンジャソン夏 「読書感想文コン」の参加文章になります。

本文


 私が読書感想文を書くにあたって、選んだエピソードは「リブート、レイヴン」です。
 第二部屈指の名エピソードとして人気のある本作ですが、なぜ今このエピソードを選んだのか。それは現在連載中のコミック、ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース(12)にて、「リブート、レイヴン」が完結したからです。もう本当に素晴らしくて、感情が溢れて涙が出そうになるくらい面白かったのですが、私は感想を言葉にするのを苦手としており、今まで感想文を書けていませんでした。今回はとてもいい機会ですので、感想文に挑戦してみたいと思います。
 最初に、好きなシーンを挙げてみます。文字数が限られているためごく一部になりますが。
 まずは冒頭のシーン、琵琶湖に沈むガンドー=サンがソーマト・リコールめいて過去の記憶をリブートします。記憶の中の事務所は雑然としていて、胡乱なオスモウ中継が流れています。私はこのシーンがとてもお気に入りで、原作の頃から何度も読み返していました。レトロなブラウン管テレビの音声はなんだかノスタルジックで、シキベ=サンの作ったアンコトーストのいい香りが漂ってくるような、そんなシーンです。
 穏やかなアトモスフィアの中で、ガンドー=サンが求めるのはZBR。二言目にはZBRの話で、助手の給料も滞納しているガンドー=サンは紛うことなきダメ人間ですね。しかし同時に、人情味に溢れた好人物でもあります。そのバランスが、ガンドー=サンの魅力の一つなのでしょう。探偵業の師、クルゼ・ケン=サンの教えを体現しているかのようです。
 ガンドー=サンが探偵を始めた理由。それは子供のころ拾った小さなゴミ、レトロな探偵もののコミックでした。私は、漫画やアニメ、小説は子供たちに夢や希望を与えることができると思っています。例えば「スラムダンク」を読んだ子がバスケを始めるように。誰が書いたかもわからない探偵漫画は幼いガンドー=サンに希望を与え、結果的にシキベ=サンの命を救いました。そして、シキベ=サンは探偵ものの小説「サムライ探偵サイゴ」を書きあげます。こうやってミームは受け継がれていくのです。きっと、サムライ探偵サイゴを読んだ子供たちの中には、探偵を志す子が出てくるでしょう。そう考えるとなんかエモい気分になりました。
 思ったより文字数がないので、シーンが飛びます。
 次に好きなシーンはクライマックス。コケシ社に乗り込むスズキ・キヨシは悲劇の主人公で、父に銃を向けられ、涙を流しながら笑っているソイチは哀れです。ニンジャとなり、超人的な力を得ても、幸せになれるとは限らない。「怖くてセプクできなかったが、ニンジャになった今ならできる!」のセリフがとても切ないです。
 ガンドー=サンが乱入してからの戦闘シーンはメチャクチャカッコいいです!ピストルカラテの構えで銃を向けあうシーンは、中盤で対峙したときのリフレインになっていますね。ニンジャ動体視力で弾丸がスローに見えるほどの高解像度、からのモータル視点でのすべてが残像にしか見えない高速戦闘。この緩急がとてもカッコイイです。
 イクサの決着はハング・ファイアでした。シキベ=サンの小説のアイディアがこの勝利につながったんですね。致命傷を負ったソイチは父に助けを求めますが、頭を打ちぬかれ爆発四散します。「サヨナラ」の文字が切ない。
 人ならざる死に息子がニンジャになったことを、真に理解したサイコウは、地獄で再開できるよう祈りました。ニンジャは死ぬと爆発四散する。最初はギャグだと思っていた描写がシリアスに感じる、これがニンジャスレイヤーの魅力の一つだと思います。
 リブート、レイヴンは第二部でも最も好きなエピソードです。最後に、それを最高の形でコミカライズ化してくださった余湖先生、田畑先生への感謝で本文を締めたいと思います。ありがとうございました。


終わり。

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