6月19日は桜桃忌
6月19日、今日は太宰治の誕生日であり、遺体が発見された日。(13日に入水自殺しています)
私は詩が好きで詩集はよく読むけれど、小説はあまり読んできませんでした。小説って読むのに時間がかかるし、続きから読もうとするとどんな話だったか忘れてしまうんですよね。
しかし今年に入って太宰治の人間失格を読んだんですけど、感想は、『なにこれ?めっちゃ面白い!』でした。時間を忘れて、夢中で一気に読み終えました。
あの文体がものすごく私に合ってるみたいです。リズム感、というのでしょか。なめらかで軽やかで、内容は重たいのにすっと入ってくるんですよね。
正直、人間失格は王道すぎて敬遠していましたけど、もっと早く読んでおけばよかった。と、実に歯ぎしりのする思いに駆られました。
そして次に読んだのは女生徒。
思春期の女の子の心情を、みずみずしく、鮮やかに表現しています。
これでもう私は、完全に太宰治の虜となりました。他にも作品を読みましたが全部大好きです。
そんな太宰ファン新参者の私ですが、太宰に会いたくなり、先日、禅林寺にお墓参りに行って来ました。
お墓の前に立ち、今まで感じたことの感覚になりました。『感動』という言葉では全然たりなくて、『感無量』というんでしょうか。魂が震えるとはこういうことなのか、と初めて身をもって体感したような気がします。
人間失格を書き太宰は亡くなりましたが、私は人間失格を読み生きる希望をもらいました。とても感謝しています。
彼は自らの手で自分の人生を終わらせましたが、私達は今のこの困難の中、生き抜かないといけませんね。
太宰の分まで生きようとか、そんな偽善は思いませんが(彼は偽善が大嫌いですから)、彼の本当は生きたかったであろう、生に対する情熱を作品から受け取り、前に歩を進めたいと思います。
津島修治さんお誕生日おめでとうございます。
いつまでも安らかに。
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