30 もう無理かもしれない
現在勤めている大学に違和感があるのは、教員が学生を招いた飲み会の幹事をすること。学部も大学院も。
自分のゼミの学生となら、それも仕事の一部だと思うので頑張る。
しかし学科単位や研究科単位で、所属教員と学生を招いた飲み会をたびたび開かなければならない。それもフォーマルな店ではなく普通の居酒屋で。
特に疑問なのは、新入生のための親睦会を開き、教員の日程を合わせ、学生の出欠を取り、ケータリングを頼み、ゲームや出し物をすること。
すごい底辺大学みたいに見えるが、入試上は一応難関大学である。なぜ手作りの「お楽しみ会」みたいなことをしなければならないのだろうか。別の大学でしていた高校への営業や保護者への電話対応よりもきつく感じる。学生も大人なので付き合ってくれるが、本当にこれを望んでいるのだろうか。
他方で、ゼミ配属や卒論審査などの重要と思われる仕事はちゃっちゃと適当に済ませてしまう。「教育を重視しない」という一貫した態度と言えなくもないのか。
この大学、自分にはもう無理かもしれない。校風が今までで一番合わない。この程度のことで退職するのは甘ちゃんで世間を知らないからなのだろう。でも、甘ちゃんで世間知らずで、研究がしたいと思ったから研究者になったはずなのに、どうしてこんな「皆で仲良く」という一般的な価値観のもとで頑張らなければいけないのだろうか。そういうことが出来ないから研究者になったのに。