ライブ配信で使える心理学~ギフトで応援してもらうために~(前編)
本日は表題の投稿をしていきたいと思います。投げ銭ライブ配信での応援の形は人それぞれ。ライバーにとって、迷惑行為でない限り、どんな形の応援もありがたいですが、副業として成立させるためにはギフトが重要になりますよね。
でも、いろんな枠を見ていて、こんな疑問を感じたことありませんか?
▪️せっかくリスナーを楽しませる配信をしているのに、思ったよりギフトが飛んでいない。
▪️ギフトを煽るクレクレ配信で大して面白くない枠なのにギフトが飛び交っている。
この違いはどこにあるのでしょうか?そういった疑問を心理学的なアプローチから、投げ銭ライブ配信に当てはめて、解説をしていきたいと思います。皆さんの投げ銭ライブ配信の糧になりますように。
下記、解説予定の目次です。前編①~⑤.後編⑥~⑩。
①スリーセット理論
②単純接触の原理
③ミラー効果
④親近効果
⑤黄昏効果
⑥自己承認欲求
⑦バンドワゴン効果
⑧ウィンザー効果
⑨ツァイガルニク効果
⑩返報性の原理
ちなみに、売れっ子キャバ嬢やホスト、そして僕が見ている限り、トップギフターさんが数名ついているトップライバーさんは、これらをマスターしていて一部は取り入れている人が多いです。
僕は今はあまり投げないのですが過去にはトップテンに入るぐらい投げてたので、レベルが上がってしまっており、ギフターに勘違いされるんでしょうね。こういったアプローチを個別によく受けます笑
そこまでやれない!という人も、あまり副業としてライブ配信を考えるのではなく、趣味程度で楽しむことは自由なので、あまり気にしないでください。
ただ、仕事として本気でやりたいという人は、これぐらいは基礎中の基礎なんで、自分が採り入れるかどうかは別として、知っておくべきだと思います。では、本題に入りましょう!
①スリーセット理論
スリーセット理論とは、「人は相手と会ってから3回目までに相手の印象を決定し、固定された印象は変化しない」という心理学理論のことです。
具体的にいうと、次のように相手の印象を決定します。
1回目:主に見た目によって、第一印象を決める
2回目:1回目の第一印象を確認し、内面を評価する
3回目:1回目と2回目の印象を確認して、固定する
相手の印象を固定した後は、それ以上会ったとしても印象を変えることはできません。そのため、2回目の配信までに「応援するには値しないな」「そこまで通いたくないな」と判断されてしまうと、常連となってギフトを投げてもらうのは難しいのです。
1回目では見た目によって判断されますが、じっくりジャッジするわけではないため、外面をおろそかにすれば一瞬で「この人はないな」と判断されてしまうのです。
心理学者「アルバート・メラビアン」によると、第一印象は次の3つで成り立っています。
視覚(服装や髪型、表情、しぐさ)
聴覚(声のボリューム、トーンやスピード)
言語(言葉づかい、会話の内容)
さらに、この3つの要素がそれぞれどれくらい相手に印象を与えるのか調べてみると、次のような結果になりました。
視覚:55%
聴覚:38%
言語:7%
このように、第一印象で一番見られているのは「身だしなみ」や「話をしているときの表情や話し方」で、話した内容はほとんど相手に影響を与えていないのです。
言語は、いきなりタメ語ではないか?下品な話の内容になってないのか気をつけましょう。
視覚は、服装や髪型は清潔であるか、表情は穏やかか、仕草はガサツではないか気をつけましょう。
聴覚は、大きな声、小さな声ではないか、ちゃんと相手が聞き取れてるスピードで話せているか気をつけましょう。
上記の事さえ気をつけていれば、初対面でマイナスイメージを与えることはないでしょう。
これを投げ銭に置き換えると、常連のギフターさんから如何に多くリピートしてもらってギフトしてもらえるかがポイントだと思いますが、いつ新しいギフターさんがあなたの配信を発見して来てくれるかはわかりません。となると、常に見た目を整えておく必要がありますね。
化粧や服装はもとより、背景などの見た目を魅力的にしておくことで、まずは第1関門を突破し、見た目として魅力があるライバーだということを認知させましょう。
そして、聴覚がその次に大事。ミキサーを使わずに音楽を流すとシャカシャカして聴いている方にはストレスがあります。声や歌も良い音質で届けた方が居心地の良さを与えられますので、機材をしっかり揃えましょう。揃え方はこちらです。
初見で気に入ってもらえれば良いのですが、残念ながら気に入ってもらえなかったとしても、ギフターが2回目の視聴に来ることがあります。その際は、第一印象と変わりがないか再確認され、内面が評価されます。初対面に受けたイメージは正しかったのか、という視点で見られ、初対面の時にマイナスイメージを与えてしまってもギリギリ挽回できます。
そこでは、ギャップを作り出せるかが勝負になり、相手に「あれ?実は優しい所があるんだ。」や「この前は無口で暗い感じがしたのに、実は会話の引き出しをいっぱい持ってて楽しい人なんだ!」と思わせたら、こっちのものです。
逆に「やっぱり、初対面のイメージと変わりない。」と思われてしまったら応援してもらえることはないでしょう。
良いイメージを与える「ギャップ」を作るには
とにかく初対面時の相手の行動や好きなもの、会話の内容をしっかりと覚えておくことです。二回目に会うチャンスに備えて、ギフターのプロフィールやSNSをチェックして相手の好きな物や事の情報を収集しておき、会話の引き出しを多くしておきましょう。
あとは、初めて会った時の会話を覚えておきましょう。2回目に会った時は「この前○○の話をしてたよね!?そう言えば~」など、前回会った時の会話をさり気なく振ってみて下さい。
この行為は相手にプラスイメージを与える事が出来ます。些細ないことでも覚えてくれてると言うことは嬉しいものなのです。ぜひ会話の内容は覚えておいて下さい。
そして三回目ではいよいよ関係が決定しますが、既に相手はあなたのイメージが固まってしまってる為、イメージを覆すことは困難となります。
相手にプラスのイメージを持ってもらえてるのなら、些細なミスを起こさないように細心の注意を払いましょう。
ここでマイナスイメージを与えてしまうと一気に相手の気持ちは冷めてしまいます。
相手との関係を親密にさせたいのなら、やはり
1回目、2回目に良い印象を与えるように全力で努力することを心掛けましょう。
全力で努力した結果、応援をしてもらえなかったとしても、それは自分が相手の好みではなかったと諦めることができます。努力しなかったとしたら、ああ、せっかく来てくれたのに、もっとこうしておけば良かった!と、後悔につながってしまいますよね。
②単純接触の効果
単純接触効果とは、接する回数が増えれば増えるほど、相手から好感を持たれやすくなるという心理学の法則の一つです。この法則を発見したのはアメリカの心理学者ロバート・ザイオンスですので、ザイオンス効果とも言われています。
対人関係、特に恋愛の場面で顕著なのですが、人は会ったり話したりするチャンスが多い人に好意を持つ傾向があります。恋愛や投げ銭ライブの場合は、一目惚れや生理的に受け付けないという例外はありますが、この単純接触効果の法則が当てはまる場合が多いのです。
なぜ会うチャンスが増えると好意を抱くようになるのでしょうか。これは人の脳の働きが関係しています。人は初めて見たものや人に対して「これはいったい何だろう?」「この人はどういう人なのだろう?」と警戒心を抱くものです。しかし、最初は脳が受け入れないものも、繰り返し接することで警戒心が薄れ、受け入れるようになります。初めて会った人には警戒心を抱きますが、何度も会っていると知り合いになり、やがて好意を抱くようになるのです。
単純接触効果を恋愛や投げ銭ライブ配信に活用する場合は、知り合って間もない時期に使うと大きな効果が期待できます。応援してもらいたい相手がいれば、相手が自分をあまり認識していない段階で相手の目に留まる回数を増やすといいでしょう。
単純接触効果の具体例をいくつかご紹介します。
・毎日会う人に好意を抱く
電車やバスで通勤・通学していると、毎日のように会う異性が気になり、そのうちに好意を抱くようになるのは単純接触効果の一例です。毎日会うから相手に好意を抱くようになり、たまにしか会わなければ好意を抱くことはほとんどありません。
・アイドルやテレビCMを好きになる
対面で会わなくても単純接触効果が現れる場合があります。例えば、新人アイドルがデビューすると、テレビや雑誌など様々なメディアに露出して売り出します。そのアイドルがデビューした当初は気にも留めなかったが、多様なメディアで毎日のように見ているうちにファンになったという話です。このパターンで、歌手や俳優のファンになることも多いでしょう。
また新しいテレビCMが流れるようになった当初は、キャッチコピーやCMソングに違和感があるはずなのに、毎日のようにテレビでCMを見ていることに慣れ覚えてしまうものです。CMソングが好きになり、知らないうちに口ずさんでいることもあるでしょう。これも単純接触効果の一例です。
では、これを投げ銭ライブ配信に置き換えると何ができるでしょうか?とにかく、毎日のギフターさんの目に触れる頻度を高める必要があります。
できる限り毎日配信する
いろんなギャングに顔を出す
他枠の配信に顔を出す
SNSを多くの人にフォローしてもらって毎日更新する
相手のSNSやライブ配信のアカウントをフォローして、投稿があった場合は、たまに、いいね!やコメントをしてみる。
ただし、ギャングや他枠配信は追いかけすぎたりやりすぎると逆効果です。あくまで、追いかけてもらうことが目標ですから、相手の目に留まる接触さえできればOKぐらいの感覚でサラッと引きましょう。
ライブ配信のアカウントやSNSも、本来はギフター本人にフォローして貰いたいですが、もしそれが出来ないとしても、リスナー同士の繋がりがあったりします。特に、フォロワーが多いリスナーさんにシェアしてもらえたり、RTして貰えると、ギフターにも届く可能性がありますので、そういうハブとなるリスナーさんとの関係も良好にしておきましょう。
とにかく、単純接触の効果を最大化させるためにも、タイムLINEやSNSは毎日更新することをオススメします。
③ミラー効果
ミラー効果とは、まるで鏡を見ているかのように相手と同じ行動を取ることで親近感を抱かせる心理学の法則の1つ。
ミラーとは鏡を表しており、対面している相手が自分の振る舞いを真似ることで鏡に映る自分を見ているような錯覚に陥り、好意を持ちやすくなるというのがカラクリです。
たとえば、相手が腕を組んだら自分も同じように腕を組んだり、相手がお茶を飲んだらそれを真似してお茶を飲んだりして相手と同じ動作を繰り返すだけで「あなたと似ていますよ」「あなたと同じですよ」というサインを送ることができるのです。
人は自分と似ていたり、共通点を持っていたりする人に対して安心感を覚える傾向にあります。そのため、同じような仕草を繰り返すだけでも潜在的なレベルで“気になる存在”に近づけるのかもしれません。この法則を逆手に取って、配信中にギフター些細なコメントをさりげなく真似することで相手に好意を持ってもらえる可能性も高まることでしょう。
例えば、相手のコメントを声に出して読む、顔文字や絵文字の真似をしてみる、などは1番単純なミラーリングですが、相手の意見や感情に同調するというのも効果的。相手の見た映画や小説、アニメや漫画などを見て、「私も見たよ!」と話すことで共通点を作って会話をすることも出来ますね。
とにかく、いろいろとギフターさんの真似をしてみることで、親近感を持ってもらいましょう。ただし、全てのリスナーさんに対してやってると体が持ちません。ギフトを考えて特に応援してもらいたいなという相手をしっかり見定める必要もあるかもしれません。
④親近効果
親近効果とは、アメリカの心理学者ノーマン・アンダーソンが提唱した心理学で「最後に示された印象が頭の中で強く残り、後に何かを決めるときに大きく関わる」という効果です。つまり、相手に自分の印象を残したいときには、去り際が重要だということです。
この親近効果は残存効果とも呼ばれています。人が記憶しているのは最初の映像と同じくらい最後のシーンが印象に残ると言われています。
例えば、ミュージカルや映画、ドラマをみると、ラストシーンやエンディング、最終回がハッピーエンディングだとその映画はハッピーな作品だと印象付けられ、悲しいエンディングだと悲しい作品だったとされます。たとえ劇中でドロドロした恋愛が繰り広げられていたとしても、最後に二人がくっつけばハッピーエンディングに。
このように誰かに印象付けたいときには、一番最後にアピールすると良いという心理学です。これを上手に利用することで、他のライバーさんよりも濃い印象を与えられるかもしれません。
ですので、ギフターさんの去り際に、自分の魅力的な姿をメッセージを込めて見せられるのか、もしくは、配信を切る時に余韻を残すような最高のパフォーマンスのラストソングを歌って終わらせられるのか、などいった点がポイントになります。
そしてなにより、ライブ配信においてこの親近効果が発揮されるのは、ギフターさんが眠りにつく直前。あなたの配信を見たあと、ほかのライバーさんの配信を見てから寝ると、その人には他のライバーさんの印象が残って次の日を過ごすことになります。
たとえば、グループでどこかに行ったとき、みんなで自己紹介をすると最初に名前を言われた人よりも、最後に名前を言われた人の方が意外と覚えていますよね。
人の記憶は新しいものに上書きをして後から来たものをより覚えようとします。
この親近効果は、最後の一押しで使うと効果があるのです。例えば思うように相手と話せなかった合コンや婚活パーティーでどうにか近づこうとすると、一番最後に良い印象を残しておくと相手にとっても印象深くなるといいます。
人は多くの情報を一度にもらったときに、一番最後に示された情報が何かを判断するときに左右されると言われるのがこの効果の特徴です。
そのため最後の最後に話していた人の方が後から「誰がよかったかな…」と思い出すときに、思い出されやすいということなのです。
ということで、配信時間には工夫が出来そうですね。自分が早く寝たいからと言って早い時間に配信を切ってしまうと、ギフターさん達はほかの枠を視聴し始めてしまいます。それによって、推し変のリスクは高まってしまうことに注意をしておきましょう。
逆に朝配信も効果的です。仕事を始める前に見た枠の印象は、一日中続くことになりますからね。
⑤黄昏効果
黄昏効果とは、夕方から夜にかけての時間帯(黄昏時)は、人間の判断力が低下するという心理効果です。
夕方から夜の時間帯は多くの人にとって、一日の活動が終わる時間帯です。
仕事や学校の疲れが蓄積している
酔っ払っている
気が緩んでいる
お腹が空いている
などの要因で、日中と比べて、判断力が大幅に低下しています。実際、仕事などでのミスが発生しやすい時間帯であり、交通事故の発生率が高くなるのもこの時間帯です。
黄昏効果に関して、よく例に挙げられる人物としてアドルフ・ヒトラーがいます。彼は、演説を行う際、民衆の判断力が低下する黄昏時を選び、更に、長時間立ったまま演説を聞かせることで、その効果を高めていたことが知られています。
これを投げ銭ライブ配信に置き換えてみましょう。親近効果のために朝配信をすることの意味があったり、競争率の高い時間帯を避けて新規のリスナーさんを獲得するために日中の配信をすることの重要性はあったりしますが、やはりギフトが飛びやすいのは、日が暮れてからの夜の時間帯になります。特に、
お酒を飲んだあとの時間帯
については、ギフターも気分が大きくなって、いつもより多く投げてしまうことがあります。かく言う私も、これによって次の日にどれだけびっくりしたことか笑
投げ銭ライブ配信アプリでは、常人にとっては考えられない額の課金が当たり前に行われ、配信価値以上のギフトが飛び交うケースが往々にしてあります。
その答えが、判断力の欠如にあるのは、意外に誰も口にしようとはしません。でも、多かれ少なかれみんな気づいていると思います。
この善悪は一旦ここでは議論しないことにしましょう。
この判断力にもう1つ影響を与えるのが映像と音です。人の欲求にストレートに響くセクシーな映像は、ある種の興奮状態を作り出すことができます。また、リラックスできるBGMよりも、ノリノリのテンションの音楽の方が、同様の効果を作り出しやすいですね。
どこまで取り入れるかは各自が判断することになりますが、ギフトが飛んでいる枠には理由があること、これによってご理解頂けたのではないでしょうか。
それでは、前編は以上になります。皆さんのライブ配信が充実したものになりますように!
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