【FF14】煉獄編零式4層のHP調整について考察
先日公開されたパッチ6.21にて、現在の高難易度コンテンツである煉獄編零式4層のボスHPが前半・後半の両方とも1%ずつ引き下げられることになりました。
また、同時にナイトと戦士の火力調整が緊急的に行われ、いずれも3%、1.5%ずつの上方修正となりました。
こうした高難易度コンテンツにおけるHP調整が実装後に実施されるということは長いFF14の歴史のなかでもはじめてのことです。HP調整前にクリアしている人たちもいるなかで、まだクリアしていない人たちの心境はややモヤついたものになってしまうのは私も含めて必然でしょう。
そうしたことを鑑みたのかどうか、吉田直樹の名前入りにて本日、あらためて今回の調整全般における説明の文章が公式サイト上で公開されました。
緩和ではなく、本来の難易度
かいつまんで話すとすれば、まず今回のHP調整は「緩和ではない」ということ。言い換えれば本来の難易度となった、という話です。
バトルチーム(FF14開発チームのなかでも戦闘や高難易度コンテンツを担当しているチーム)による慎重な検証と実践を経てもそれより上を行くプレイヤーたちのスキルが想定よりも上にあり、結果的に上振れする形でボスHPが上がり過ぎてしまった…ということですね。
ワールドファーストなどを筆頭としたFF14高難易度コンテンツに注力している早期攻略勢のプレイヤースキルは確かにとんでもないレベルです。
日々研究を重ね、それぞれのジョブが最大限の能力を発揮できる環境で挑戦を続けたうえでの早期攻略・クリアということになるので、当然の結果と言えるでしょう。
しかし、実際にFF14で零式に挑戦しようとしているプレイヤーは、どうしてもそうした人たちと同レベルというわけにはいきません。
もちろん個々が研鑽をかさねて努力をしているのは同様だとしても、ゲームの慣れ・不慣れ、コンテンツに対する意識や良いチームメンバー、あるいは使っているマシンのスペックなど、環境においても意識においてもトップ層と完全に一致しているというわけにもいかないでしょう。
固定であるか野良であるか、というおおきな違いも大前提として存在しています。
特定ジョブのハブられ問題
また、今回のボスHP調整についての理由のもうひとつとして、火力水準を上げすぎたことで一部ジョブの締め出し(ハブ)があるから、ということも掲げていました。
こちらは昨今のまとめサイトやSNSでもおおきく話題になっていることで、具体的にいえばナイトが出せる火力が(適切なスキル回しをしていても)他のタンクと比較して低すぎることで、実際に心ない言葉を投げかけられてしまったというツイートも出回っています。
現実的に零式の特定の層をクリアしたい時に火力が原因でハブられてしまえば、もちろんジョブを着替えるか零式攻略自体をあきらめるしかなくなります。
どちらを選ぶとしてもナイトをメインとしている人からすれば悲劇でしかなく、たのしいオンラインゲームとは言えなくなるでしょう。
吉田の言葉からすれば、こうした人たちの救済もかねてのナイトと戦士の火力調整ということだという話でした。
ジョブのハブられは今回だけではない
さて、要約するとすれば「攻略トップ層に合わせたHPになっていたため調整した」「特定ジョブのハブられがあるから、火力的な難易度を下げた」ということになります。
しかし、考えてみればいままでにもジョブのハブり問題はたくさんありました。
たとえば新生時代、バハムート侵攻編2層。
ここはメリュジーヌというボスと戦うことになりますが、途中でルノーという巨人が出現します。この巨人を適切なタイミングで石化させて利用する形でギミックを処理する…という解法があるのですが、このルノーはタンク以外ではAAだけで即死するほど強いザコでした。
そのため、足止めをする方法がいくつか考えられましたが、召喚の使うミアズマ(いまは存在しません)というデバフ魔法をルノーに使うと鈍足状態にさせられるということから、召喚がルノーを誘導するというのがもはや野良では通例となりました。
結果、同ロールであるキャスターの黒魔道士がハブ対象とされてしまいます。黒でもうまく動けばしっかりルノー誘導もできるのですが、事故を避けたい野良では基本的に黒は募集されませんでした。
ほかにも、火力問題から言うならば蒼天時代のアレキでのナイト、あるいはいまだに根強く言われ続けている機工士など、一部のジョブが弱い、火力が低いという理由で募集対象外にされるという問題は常にありました。
そのたびにフォーラムでもまとめサイトでもSNSでも話題になり、時には荒れたこともあります。
そこまで大っぴらにされない範囲で言うならすべてのジョブがどこかしらのタイミングでハブ対象にされたことがあるほどです。10年も経過しているオンラインゲームということもあるので当然とも考えられます。
なぜ今回だけここまで大掛かりな調整をしたのか
いままでのFF14歴史からこうして何度も特定ジョブのハブられはあったにも関わらず、なぜ今回だけはコンテンツ側の調整まで含めて大きな調整となってしまったのかについて、いろいろ考えられます。
それはやはり、昨今になって有名ストリーマーや実況配信があちこちで始められたことや、それに伴ったプレイヤー(アカウント数)のおおきな増加というマーケティング面での拡張があるのではないか、と。
かつて特定ジョブのハブられが問題になった頃は新生や蒼天という時期であり、まだまだFF14は(徐々にプレイヤー数は増加傾向にあったとはいえ)ゲーム界で今ほど台頭しているとはいいがたい位置でした。
それが紅蓮、漆黒を経て暁月となり、最近でも日本ゲーム大賞の最優秀賞を受賞したということもあり、もはやゲームを知っている・いないにかかわらず、ファイナルファンタジー14は世界共通認識されるほどの大マーケティング場に躍り出ています。
吉田直樹をはじめとしたゲーム開発者たちの思惑はもちろんみんなが楽しめるゲームを作る、ということであるのは揺らがない事実でしょうが、それと並行して、しっかり稼げるゲームを作るというのはスクウェア・エニックスという会社名を背負ったチームの命題のひとつでもあります。
こうして人数の増えたオンラインゲームで、その全員(登録者数は現時点で2500万人以上)が納得できる形にするとすれば、コンテンツ丸ごとの調整というところに持っていくしか手はなかったのではないか…と思います。
お疲れ様でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?