vol.ZERO THE QUIZ OF AMERICA 2020
みなさんこんにちは。🤙🏽🤎
「隔週企画」と銘打っておいた「クイズ企画」もいつの間にか2週間すっ飛ばし、今日は別の企画を持ち込んでの再開になりました。
もうめちゃくちゃ過ぎるな。笑
一応下書きはほぼ完成しては居ます...笑
大統領選挙について、まだまだ書き足りないこともあるのですが、その辺は私よりも別のライターの方が詳しく書いてくれていると思うので(笑)今回は、みなさんも関心を寄せているであろう「BLM」関連の記事を書きます。
全米で未だかつてない高まりを見せるBLM運動&それに伴うNBAの取り組みについて少し話をしようと思います。
・バックスがプレーオフをストライキ
現地時間8月23日。
ウィスコンシン州ケノーシャで非武装の黒人男性のジェイコブ・ブレイクさんが白人の警察官に7発もの銃撃を受け、重体となったニュースは全米に瞬く間に広がり、海を超えたここ日本でも多くの関心を引き寄せました。
事件後、再び活発化した「BLM」運動に参加する人々が更に増え、その熱は最高潮に達しました。
そして、ジェイコブ・ブレイクさんが銃撃を受けたケノーシャと同じウィスコンシン州を本拠地としているNBAチーム、ミルウォーキー・バックスは、事件後初となるvsマジック戦のプレーオフゲームを予告なしにストライキ。
ティップオフの時間になっても彼らが予定通りコートに姿を現す事はありませんでした。
ストライキを予告なしに突如として決行したバックスのプレーヤーたちの行動には賛否両論ありますが、ストライキを主導したバックスのジョージ・ヒルは、
「僕たちには何もできない。正直なところ、僕たちはバブルに来るべきではなかった。」
とし、バブルで集中的にバスケットをプレーすることで社会で起こっている様々なニュースへ無関心になりつつあることに懸念を示しました。その中で、
「全てが終わったら、僕たちにはやるべきことがある。」
とも話し、変革への意欲を伺わせています。
また、同球団のプレーヤー、スターリング・ブラウンも以前、白人の警察官から暴行を受けた経験があります。
ヒルやブラウンが所属するチームと言うこともあり、バックスは球団全体として日頃から社会問題に対する意識が高いチームです。
今回の銃撃事件を受けて、彼らがストライキを決行したのも理解できます。
プレーオフの大事なゲームがストライキされた今回の緊急事態でしたが、球団やリーグはバックスのプレーヤーたちの行動に理解を示し、柔軟に対応してくれました。
バックスの他に、当日ゲームが予定されていた他のチームも同じようにゲームをストライキしたのには正直驚きましたね。
このバタフライ効果は、日頃から彼らがコートの外でも社会問題を意識して行動し、世界をリードしていることが評価された結果に違いありません。
緊急事態でもプレーヤーたちの意思を尊重し、すぐに声明を発表できたバックス。素晴らしいです😭
ジェイコブ・ブレイクさんの死について言及した部分(画像4/4を参照)では、
ジェイコブ・ブレイクのために正義を求め、警察官たちが責任を負うことを要求します。
これが起きるためには何ヶ月もの警察組織の責任問題、彼らによる暴力を是正し、刑法を再編する為の有効な対策を取ってこなかったウィスコンシン州州議会に対して緊急的な協議を要求します。
と、州議会に訴えかけました。
(球団が発表した声明の全文訳はこちらで読めます。
佐々木クリスさん迅速な対応ありがとうございます!)
結果的に、バックスのこのストライキがMLBやWNBA、女子プロテニス界へBLM運動が広がるきっかけになったので、
彼らが地元ウィスコンシン州での事件に心を痛め、沈黙することなく行動を起こしたのには意味があったと思います。
私は(日本では数少ない)バックスのファンなので、このストライキで、プレーオフの日程がズレ込んでしまったことや、NBAに関わる全ての方々の仕事に影響を与えてしまったことについては目を瞑らせてください...🙏🏼🙏🏼
・背に掲げるメッセージの意味は?
今でこそプレーオフまで漕ぎ着けましたが....
新型コロナウイルスの感染拡大により3月に19-20シーズン中断を余儀なくされたNBA。
今年5月。こちらの記事に書いたように、ミネソタ州ミネアポリスで、白人警察官の目に余る不当な暴力により、黒人男性のジョージ・フロイドさんが命を落とした痛ましい事件をきっかけに「Black Lives Matter」(ブラック・ライブズ・マター;黒人の命を蔑ろにするな)運動が全米各地で活発化しました。
ブラックカルチャーやコミュニティを支持するNBAプレーヤーたちもこのムーブメントに賛同。
彼らも一般市民たちと同じようにデモ行進に参加しました。
<📸6/19 BLMのテーマを掲げ、ホームアリーナである“Fiserv Forum”の周辺を行進したバックスのプレーヤーたち。6月19日は”June Teenth”といい、1865年にテキサスで「奴隷解放宣言」が初めて読み上げられたで日で、アフリカ系アメリカ人の奴隷解放記念日として知られています。>
この動きにより、シーズン再開に意欲的ではないプレーヤーたちも登場し、NBAがこれからどう動くのかに注目が集まりました。
7月末〜、NBAは万全の新型コロナ対策を施した「NBA Bubble」(NBAバブル:フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド内に作られた“隔離地域”)でシーズンを再開させることが出来ました。
同時に、「Black Lives Matter」運動・社会の変革に意欲的な選手たちの意思を反映し、コートから「Social Message」を訴えるリーグ全体の取り組みも始まり、選手たちは思い想いのメッセージを背中に掲げ、今日も熱いゲーム繰り広げています。
彼らのユニフォームに書かれたメッセージは様々ですが、数えてみると何と28種類ものメッセージが刻まれていることが分かりました。(他にもあったら教えてください..!)
せっかくなので、その中でも特に「Black Lives Matter」運動を支援する上で知っておきたいメッセージをいくつか紹介したいと思います。
みなさんはゲームの中で、いくつのメッセージを見つけることが出来ましたか?
①BLACK LIVES MATTER
ヒューストン・ロケッツのスター選手、ラッセル・ウェストブルックが着用するBLMジャージ。
黒人人種差別撤廃を目指すスローガン「黒人の命は大切」というメッセージに強い意思を感じますね。
②EQUALITY
バックスを引っ張る「ギリシャの怪物」ことヤニス・アンテトクンポは「EQUALITY」ユニフォームをチョイス。「EQUALITY」(=平等)のワードは、キング牧師の日やBlack History Monthのキャンペーン然り、BLM運動以外でもNBAの中でよく用いられています。
③SAY HER NAME(SAY THEIR NAME)
ユタ・ジャズの若きエース、ドノバン・ミッチェルは「SAY HER NAME」を掲げています。この言葉は、3月13日に警察官の襲撃により命を落とした黒人女性、ブレオナ・テイラーさんの名前を呼び、正義を求めるキャッチコピーとして広く用いられています。
テイラーさんを銃撃し殺害した警察官は、解雇されたものの逮捕には至っていません。
④JUSTICE
シーズン再開後、NBAバブルで躍動したインディアナ・ペイサーズのTJ・ウォーレンが選んだ言葉は「JUSTICE」。
白人による黒人への不当な暴力を追及するために“Justice For 〇〇(※被害者の名前)”といった表現がデモ行進やSNSでの抗議活動に広く用いられます。
⑤VOTE
フィラデルフィア・シクサーズのルーキー、マティース・サイブルは「VOTE」を呼びかけています。
11月3日のアメリカ大統領選挙まであと2ヶ月とちょっとです🗳9月からバイデン氏とトランプ氏の討論会も本格化し、選挙戦も終盤に突入します。
新型コロナ感染拡大を受けて、投票方法をめぐっても両者の意見が対立しています。(私は郵便投票に賛成しますが、トランプ陣営は不正が行われる懸念があるとしてこれを拒否し続けているそうです。)
⑥RESPEKTE NOU(RESPECT US)
オクラホマシティ・サンダーのガード、ルーゲンツ・ドート。
両親がハイチ人の彼はルーツであるハイチ・クレオール語で「RESPEKTE NOU」と書かれたユニフォームを着用しました。“RESPECT US”(僕たちをリスペクトして)と言う意味です。
「Black Lives Matter」に異を唱える人の多くは「黒人だけでなく白人やアジア人などの別の人種の命も同じように大切だ!」と言う「All Lives Matter」を掲げがちですが、それは全世界共通の当たり前の認識です。
私たちが産まれる何十年も何百年も前から、白人には多くの特権が与えられており、今日まで黒人たちは「黒人として生まれただけで」様々な苦痛を与えられ、人として与えられるべき最低限の人権でさえも蔑ろにされ続けて来ました。
白人の警察官による黒人への不当な暴力や、無実の黒人たちを投獄する歪んだ司法は、その氷山の一角に過ぎません。(詳しくは「憲法修正第13条」をチェックしてみてください!)
今こそ、黒人へ敬意を表し「RESPECT US」の言葉を口癖に出来たらいいですね。
そして...
紹介した6つのメッセージのユニフォームの他に、
I Can’t Breathe / Peace / Freedom /
Enough / Power to the People /Justice Now /
Sí Se Puede (Yes We Can) / Liberation /
See Us / Hear Us/ Respect Us /Love Us /
Listen / Listen to Us /
Stand Up / Anti-Racist / I Am A Man / Speak Up / How Many More / Group Economics /
Education Reform / Mentor
と、NBAプレーヤーが掲げるメッセージは多様です。しかし多様ながらも、全て「正義を求め、公平で誰もが暮らしやすい社会を目指す」というテーマに共通しています。
NBAプレーヤーがメッセージを掲げたり、コートに「Black Lives Matter」のキャッチコピーを刻んだりしたことで「こんなことで解決になるのか?」と思った方も多いと思います。
しかしこれらは単なる「パフォーマンス」ではなく、あくまでも「考えるきっかけ」を与えるコンテンツだと私は考えています。
一つ一つを漫然と見過ごさず、(バスケットを通じて)意味を考え、調べて行動するチャンスになればいいなと思います。
・行動を起こそう
デモの中心地、アメリカから遠く離れた日本に住む我々にできる事は何でしょうか?
最後に、「Black Lives Matter」運動を日本から支える方法を紹介して記事を締め括ろうと思います。
①寄付(ドネーション)をする
個人的に、(ことの背景を知ったうえで)まず何か行動を起こすのに手っ取り早い方法は、黒人差別問題を撤廃するために設立された団体に寄付をするのが一番早いと思います。
BLM運動を先導するこちらのサイトでは、クレジットカード💳を利用し、寄付をすることで黒人の方々を支援することが出来ます。
警察による不当な暴力で亡くなった黒人の方の遺族や、黒人のビジネスオーナーの方々、黒人差別撤廃運動を主導する団体へ寄付が出来ます。
こちらは、カニエウェストの情報を発信するアカウント「Team Kanye Daily」がカニエウェストの43歳の誕生日に、主にアメリカで活動するブラックコミュニティを43個紹介した投稿です。
経済的に余裕がある方はもちろん、度重なる悲劇を受けて「何か力になりたい」と考える方は是非ドネーションに参加してみてくださいね。
②黒人の方が起業したお店を利用する
海外への渡航が制限されている今、これもまたクレジットカード💳での支払いに限定されますが...
黒人の方々が生まれながらにして持っている才能を生かし、起業したビジネスを利用するのもひとつの支援に繋がります。
制度的奴隷制により、生まれながらにして黒人より白人の方が将来的に成功しやすいように作られた社会構造は是正していかなければなりません。
Jay-Zを客演に迎えた、ファレル・ウィリアムズが8月21日にリリースした新曲「Entrepreneur」のミュージック・ビデオは、実在する黒人のビジネスオーナーたちにフォーカスし、その活動を紹介する内容になっています。
みなさんもファレルと一緒にブラックコミュニティを支援してみませんか?
因みになのですが....ファレルとカニエ・ウェストの対談が掲載されているこちらのi-D Magazineの売上金を通じてBLM運動を支援できたのですが、いつの間にか売り切れてしまっていたようです...!
(インタビューの日本語訳はSublyricsさんで読めます。)
こちらも併せてチェックしてみてください!
と言うことで....急ぎ足になってしまいましたが、
今回の記事では、私が応援するミルウォーキー・バックスのストライキを通じて、NBAが取り組むBLM運動について少し書いてみました。
特に目新しい内容でもなく、二番煎じのような記事で本当に申し訳ないのですが...誰かの何かになっていれば幸いです。
私はブラックミュージック、ブラックコミュニティ、ブラックカルチャーに影響を受け、アメリカのプロバスケットボールを愛する1人の人間として、黒人人種差別に断固として反対し、抗議する人間で在りたいです。在りたいと言うよりは、そう生きています。
アメリカ大統領選挙の内容然り、BLM運動に関する記事はこれからも機会があれば、みなさんに紹介していくつもりです。
みなさんもBLM運動に関して何かお話ししたいことがあれば、是非個別のメッセージやTwitterのリプライ、コメントなどで教えてくださいね!
アツい夏はまだまだ終わりそうにないですね。
時々気を休めながら、差別や社会問題に向き合ってひとつひとつ解決に導く支援ができたらと考えています。
これからもThe Gardenのnoteをよろしくお願いします!🤙🏽🤎
それではまたお会いしましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました(^^)
御賽銭箱はこちらです。(笑)