見出し画像

LPガス「見かけの安い!」の裏側にあるもの

基本的に、どこの業者を使うかは消費者の自由。(メリットデメリット両方ちゃんと見て選んでね)

LPガス(プロパンガス)販売店に関しては、自由競争自由販売の世界なので、使う方が自由に選んでいいと考えています。もちろん、危険物なので安心安全・信頼がおける所と契約をしていただければ良いのです。

もちろん、当社のような業者は、液石法省令第16条(販売の方法の基準に基づき、料金請求時は算定根拠を必ず通知をする決まりになっています。

もちろん、値段だけでなく「危険物」を扱っておりますので、安全のために4年に1回法律で義務付けられている点検や調査、毎月の検針時の目視チェックやお困り時のフォロー等、総合的に勘案して業者を選ばないと、多くの場合トラブルになったり、出さなくても良い金を出さざるを得ない事があります。

詳しい事は、経産省のまとめをご覧ください。平成29年のものなので少し古いです。今日現在だと、LPガスは他エネルギーに比べると比較的供給安定してます。電気・都市ガスに関しては知っての通り価格高騰が起こり続けています。

消費者が注意すべき契約時のトラブル

さて、そのような中で、規制緩和が生み出したものかと思いますが、近年、多くのお客様宅へLPガスの切替え勧誘として訪問するトラブルが増えております。大体以下のような流れのものが多いです。

●訪問販売
多くがガス会社の正社員ではなく、勧誘専門のブローカーが行っているのが現状です。極端に安い価格を提示し、お客様と契約し、ブローカーが契約しているガス会社へお客様情報を転売し紹介料を受け取るという仕組みです。その価格は適正価格よりも大幅に安い単価設定となっており、契約完了後、ある期間を経て値上げが知らぬ間に実施されます。

※しつこい訪問勧誘は、特定商取引法で禁止されています。詳しくはこちら

こういった注意喚起も、警察や協会から出ています

●インターネットでの比較サイト
「ガス協会」「ガスの相談口」「相談センター」「消費者協会」「誰でも簡単30秒で近くの会社を一括見積もり!」など謳っているサイトがあります。これ、公共のものでは全くありません。
そして、大体謳っている事も、「適正価格」「優良業者」「価格保証」と言う事。適正とか優良って誰が決めたものですかね?これ。そして、価格保証とか言っているものは、確実に信用しちゃいけません。輸入価格や為替などにより、毎月大きな変動があるので、大体そんなのは無理な話です。(契約書をよく見てみましょう。大体「保証期間」の設定や「原料費の高騰」の場合は除くとかいてます)

●電力自由化に便乗した値上げ
電力会社がガスを売ってたり、その逆でガス屋が電気を売ってたりするやつですね。
セット割にして、発生する割引の減収分を、以前勧誘してから一定期間が経過したお客様の基本料金などを値上げして、補填する手法になります。

基本的なストーリーは
①めっちゃ安い値段を提示

②とりあえず契約(契約しちゃえばこっちのもの)

③後からしれっと値上げ(途中解約すると不利になるような契約がされていますから、まぁ逃げられないよね)

と言う感じです。

じゃあ、実際どういう契約が横行しているか?先月弊社で被った事例をご紹介します。(個人・会社特定できる部分は墨を塗ってます)

悪質な勧誘ブローカーが関わっている手口

我々のようなガス販売店に、予告もなく突然、主にFAXで以下のような通知が届けられます。以下画像2枚で1組です。この案件は、液石法上の問題に加え、事業者間競争に消費者を巻き込む点で大問題です。

こちらの事例は、長年(40年以上)ご利用いただいておりました高齢者のご利用者様の事例となります。

2023年4月12日15時57分に着信されたFAX1枚目
2023年4月12日15時57分に着信されたFAX2枚目

ガス供給変更契約解除通知書と委任状が送られてきます。委任状をとったのが2023年3月16日ですが、弊社に届けられたのは2023年4月12日、切り替え予定日が2023年4月20日。1ヶ月も空けて通知する所がもう仁義もへったくれもないというか、要らぬトラブルを引き起こすだけでなく、そもそも通知書と委任状も申込者の名前が違うと言う点で大問題。記入していない部分も多くあり、委任状として法的に体をなしていないと言えます。
当然、弊社は即日業者に問い合わせています。

その後、2023年4月19日にふたたぶFAXが届きました。それが、こちら。

2023年4月19日17時33分に着信されたFAX1枚目
2023年4月19日17時33分に着信されたFAX2枚目

名前は直ってますね。ですが、これ、委任状にもかかわらずご本人様の文字じゃないですね。有印私文書偽造ですね完璧に。

そして、4月20日に業者が取り外したメーター等を持ってきました。
契約書には書かれていない全く別の業者(しかも愛知県内ではなく、松本から来た業者でした)
その業者に聞くと、複数のブローカーと業務委託してメーター外しの対応しているとのこと。

これが、実際に起こっている全貌です。
業者間のあれこれだけで済む話だったら良いですが、確実に消費者を巻き込む非常によろしくない事案ですので、実際に決断するみなさまに関しましては、賢く業者を選んでいただたらと弊社としては考えております。

2023年5月12日追記

日テレさんで報道がありました。行政処分出たとの事です。
消費者庁でも公示されてます。

電気、ガスの小売供給業社
CDエナジーダイレクト(中部電力×大阪ガスの合弁会社)
委託を受け訪問販売を行った業者
3Backs(職業紹介・派遣業 東彩ガス/日本瓦斯と業務提携)
ライフデザイン(営業会社 新電力・ガス販売代理店事業)

との事です。

いいなと思ったら応援しよう!