ChatGPTの次はデバイスの革命が起きる
●どうもChatGPTやその他のLLMの進化はGPT5が出たあたりでそろそろ限界がきそうだ。
●しかしそもそもChatGPT4すらほとんどの人が使いこなせていない。
●誰もが使える形(例えばAI-phoneなど携帯への標準実装)になったとき次の革命が起きるのではないだろうか?
AIが進化していない?
この1年半、ChatGPT4と大して違わないモデルしか生まれていないことが我々AI悲観論者の間で話題になっている。
AIの進化の速度は明らかに鈍ってきている。
2022年では来年にはできると思っていたことが、来月にはできていた。
今では来月には出るかもしれないと思っていたGPT5を夏まで待たされている。
清水さんの記事でおっ!と思ったのは、「あるタイミングで生成AIバブルが弾ける。しかもそれはけっこう早いと思う。」という部分。AIバブルがじきに崩壊する事を予言している。だから自前でGPU買ってもしゃーないんじゃね?と。自前でA100を8台だか買ってる清水さんが言うんだからそうなのかもしれな…
— うみゆき@AI研究 (@umiyuki_ai) April 10, 2024
これはどうかな?
— RIZ@AI illustrator (@roiyaruRIZ) April 3, 2024
GPT4以降の1年間LLMの革新は起きてなくて画像生成AIも進化が止まりつつある
モデルの要求パラメーターは異常に増え続けていて、よほどの技術革新が起きない限り従来のスピードで進化するとは考えにくい
夏ごろにAIがどこまで行けるかの答えがでて、GPT6はずっと先と思う https://t.co/SmOwibc3Hx
AIのユースケースもいくつか挫折が見えてきている。
東大松尾研は日本の公的機関で一番AIに詳しい集団だ。
OpenAIや東大松尾研ですら作れないなら、チャットボットとしての活用はもう厳しいのではないか―――。
他はどうかと言えば、翻訳界隈やプログラミング界隈は完全に塗り替わっているものの、そのほかの業種は今のところさほど変わっていないのではないだろうか。
ハルシネーションを起こすAIをどう活用するかという所で多くのベンチャー企業が躓いているように思える。
ちなみに私が研修で使っている資料はこんな感じ pic.twitter.com/RTwDzGR88P
— ところてん (@tokoroten) December 15, 2023
しかし、待ってほしい。
ここで出ているのはあくまで技術的な限界ではないだろうか?
それも商業的にコスパを含めてLLMがどこまでいけるのか、という限界が見えてきたにすぎないという話だ。
もちろんGPT5には期待をしている。
しかし一方で、次に革命を起こすのはLLM自体の性能の進化ではないのではないかと考えている。
GPT4の時点ですでに革命は起きているが、それが誰もが使える形になっていない。起こりうるはずの当然の未来にまだたどり着いていないのではないだろうか?
プログラミングの世界を変えたCursor
例えばCursorを見てほしい。
こいつは、プログラミングの世界を丸ごと塗り替えてしまったとんでもない化け物だ。
Copilotの推論機能が素晴らしいものの、基本的にはVS codeにGPT4を載せてワンボタンで使えるようにしただけだ。
たったそれだけで素人でも簡単にプログラミングができる画期的なCode editorができてしまった。
wordで似たようなことができればどうなるだろうか?小説を書きながらこの表現は何がいいかサジェストしてくれる。論文を書くのに面倒な整形など必要ない。それっぽい論文もAIが見つけてきてくれるだろう。データさえ渡せば勝手に論文ができあがるかもしれない。
Excelでは?やりたいことを言えば勝手に関数をかいてくれるだろう。Excel関数を使えない無能な老人役員はもういなくなる。
Powerpointにのれば、適当に指示をするだけでいい感じのスライドを作ってくれるだろう。
これらはChatGPT4の今の時点ですでに十分できることなのだ。しかし、それが誰もが使える形になっていないのだ。
GPT4で出来てしまう未来
今のChatGPT4でどのような未来が予想できるだろう。
まず、個々人に一台ロボットがあるはずだ。
こいつはなんでもやってくれる専用の執事だ。
その日きたメールを要約してくれ、興味のあるニュースをいいタイミングで教えてくれる。ユーザーの生活に合わせたセール情報などを教えてくれる。夕飯はバランスを考えたものをいくつか提案してくれて、冷蔵庫にある食材を参照して、勝手にネットで注文してくれる。夕飯を食べたら見たかったけど忘れていた映画が勝手に流れ出す。
このロボットはどのような形をしているだろう?持ち歩けるスマートフォンタイプか、それともAlexaのような据え置き型か、それとも人型ロボットか。
まだそれらが完全に積まれたデバイスがないのである。
LLMを全国民が使うには電力やGPU性能を食いすぎるという問題がある。
今スマートフォンに積むことを前提にした、2Bモデルという軽量モデルが開発中だ。初めてAIが載るスマートフォンはどのような形になるのだろうか。
おそらく一番高精度なAI-phoneを出したメーカーは、Appleのように携帯市場を塗り替えるだろう。
Looks like Google has just silently released a 2B recurrent linear attention based model (non-transformer based, aka the Griffin architecture). This is a bigger deal than CodeGemma, IMO. AFAIK, the closest thing to this is RWKV. https://t.co/u1Wsx47rLQhttps://t.co/p2lQpP1kzC
— Jeethu Rao (@jeethu) April 9, 2024
Stanford researchers just introduced Octopus v2, a groundbreaking new framework for on-device AI agents.
— Rowan Cheung (@rowancheung) April 5, 2024
It outperforms GPT-4 in accuracy by fine-tuning language models with special functional tokens.
The new era of on-device AI agents is coming.pic.twitter.com/oE13AmrBf4
それともFigure1のような誰もが想像するロボット執事のようになるのだろうか。
この場合はせめて掃除洗濯ぐらいはこなしてほしいものである。今のLLMの深部情報の認識技術をもってすればルンバなど目にならないぐらい高性能なロボット掃除機ができあがるだろう。
こちらについては技術的にどうこうというより資金的にどれだけ安くなるかという問題の方が大きそうだが…。
OpenAIが出資しているロボット開発ベンチャーFigureと開発したFigure1がすごすぎますね。
— Hiroki Mukaino (@hirokimukaino) March 14, 2024
会話できるだけでなく、視覚認識もしてリンゴをとって渡したり、皿を片付けたりしてくれます。
指の動き、素晴らしいです。#OpenAI #figure01 pic.twitter.com/GQofrPXUua
おそらくchatGPTやその他のLLMはフィクション映画であるような全知全能の神には(性質的に)なれない。なれたとしてちょっと優秀であらゆる分野を知っている執事ぐらいだろう。
しかし、GPTが限界にたどり着いたとしても、我々はまだGPT4の入り口にしかいないのだ。
だれもがLLMを使えるデバイスの革命が起きたとき―――それが次のphaseなのではないだろうか。
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