2022年6月12日(日)
私は数年前まで、自分がサウナーだとは知らなかった。汗を流すのが良くて入ったことはあったけれど、水風呂には真面目に浸からなかった。これが分かれ道だと思う。脳が冷えるような、瞼の裏で清冽なパターンが目眩くようなあの感じ。自分の目安では「足の裏が冷えるまで」2、3分。サウナ室では最上段で、指先から汗が滴るまで。
だいたい日帰り温泉自体、こうちゃんに初めて連れて行ってもらった。「極楽湯」の芹が谷店だったと思う。黒湯の炭酸泉と、敷き詰められた小石がつぼ押しになる寝湯が気持ちいい。そしてここは食事がとても美味しい。
その後、一番通ったのは「竜泉寺の湯」鶴ヶ峰店だった。私の狭い行動範囲で知る限り、ここの炭酸泉が一番広い。みんなが大好きな炭酸泉に、どのタイミングでもゆっくり入れる。
そして引っ越し後、それこそ極楽を近くで見つけた。「相模健康センター」。でも今は無い。早々まっさらになった一画を見て、あの日々は夢だったんじゃないか?と思った。ほんの数年通っただけでそうなのだ。年期の入った常連さんの気持ちに思い及んでしまう。翌日まで香りの残る草津の湯、黄金色の薬湯、極低温の炭酸泉。心行くまでお風呂に浸かった。
ここのサウナには、行き始めはあまり入らなかった。自分がサウナーだと分かった切っ掛けは、コロナ禍で見まくったプライムビデオで「サ道」に出会ったからなのだから。通っているのが、あの「相模健康センター」であることに気付かされた。
膝に「あまめ(あまめ剥ぎという妖怪は、仕事をさぼって囲炉裏にあたっているとできる、このあまめを剥ぎにくるらしい)」ができるほど高温のサウナ、他には姉妹店の「草加健康センター」でしか出会ったことの無いバイブラの水風呂。
でも私が密かに好きだったのは、外気浴スペース。空は見えるのに風は入ってこない。雨の影響もあまりない。ここに座っていると、何故だか子供の頃を思い出した。子供の頃に触れた外気を思い出した、というのが真実かも知れない。
今は少し足を延ばして、「東名厚木健康センター」まで通っている。相模でお世話になったスタッフに、今はここでお会いする。ロウリュで立ち込める熱気がたまらない。
最近、また新しい所を見付けた。「多摩境天然温泉森乃彩」。こうちゃんが「馬鹿じゃないの!?」というくらい暑いサウナが素晴らしい。セルフロウリュの後、なかなか終わらない爆風。その間はウルトラ警備隊みたいな赤ランプが点いている。これが消えるのを待っている方がいらっしゃるのを見て、楽しみ方は人それぞれなのだと思った。
日帰り温泉というのは、男風呂の方が混むらしい。こうちゃんに「今日のサウナはがらがらだった」と話すと、「暑くても出られなくて困った」と返ってきた。女風呂のサウナでそんな目にあったことはない。サッカー観戦や劇場のトイレ、男の人が羨ましい思いしかしたことが無かったのに。でも今週、知り合いの「初めてのサウナ」に付き合うことになっている。女性サウナーが増えるのは嬉しい。