瞼に住むモノ //220201四行小説

 まぶたに何かが住んでいる。そいつはふとしたときにピクリピクリと蠢いて、ここにいると存在をアピールする。違和感はあれど、変な感じがするなぁという程度でそこまで気にも止めていない。どうせいつも数日もすればどこかへ行ってしまうのだし。
 存在は何度か確認しているが、姿は見たことがない。想像の姿は虫か寄生虫を真っ先に思い浮かべてしまうのだが、次に考えるのは小さな人間。まぶたを布団に出来るのかを確認し、居心地を確かめている。その度にピクリピクリと動くのであれば、まだ許せるような気がした。

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