美しさの所在地 //211219四行小説

 美しいと思っていても、彼ら自身は美しくしようと思っているわけではないのだろう。
 蛍と惑い。
 鬼灯に隠れ。
 花火と遊び。
 月夜を愛でる。
 あまりに美しく目を離せないでいるが、本当に美しいのは彼らが美しいと思っている心そのものであり、真摯で真っ直ぐな有り様ゆえに溢れる物である。
 洗練された美しさは、同時にこの世のものではないような得体の知れなさが付きまとい神かと見紛う。神は目の前にいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?