一万歩の花 //211218四行小説

 歩くために歩くという矛盾しないことをしながら、一歩また一歩と歩いている。画面上の世界は花に満ちているが、実際の世界は空気に排ガスの混じる灰色の大通りだ。
 頭の中で二つの世界を重ね合わせる。あちらこちらに花が咲き乱れ、踏まれても枯れない花は強くて美しい。花びらの舞う世界を歩くのは楽しくて、不意に目に留まったコンビニにも大きな赤いポインセチアが咲いている。
 「君たちもポインセチアが好き?」と後ろをとことこと歩くモノに聞くと、答えるようにポインセチアを咲かせた。


(ピクミンブルーム楽しい)

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