葉の縁は白 //220210四行小説

 椿をぼうっと見ていたら、葉が動いた。一ヶ所だけがざわりと動いて、目を走らせたもののもう何も動いていない。なんだったんだろう……と考え始めたところでもう一度ざわりと動いて正体を突き止めた。緑の体に黒いきらめきは白く縁取られている。枝に止まっていたのはメジロだった。
 もうメジロがやってくる季節なのか。確かに梅に止まっているイメージはあるけれど、まだ梅にも早い時期だから少しフライングしてやってきたのだろうか。それとも椿が好きなのだろうか。椿の花の赤に憧れているのだろうか。

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