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片田舎のちっぽけな船のでんきやが描く夢

古くから変わらずに使われ続けているものは、それだけで何かを感じてしまいます。

変わらずに活躍し続けてきたという堅実さに敬服する気持ち。

流行りモノともアンティークとも違ったロマンと信頼感。

昭和中期から50年以上、海で生きる人たちを照らし続けているのが船のでんきやが販売する照明器具マリンランプです。

今でも漁船や客船、海上保安船などの作業灯・通路灯として使用されています。

海という過酷な環境に使用されるため、電球はガラスのグローブでおおわれ、さらに真鍮のガードでカバーされています。

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もちろん耐久性と防水性が備わっていますし、その形はシンプルで合理的。

海を漂う船上を灯すために考えられた機能そのものが美しさとなってあらわれているのです。

船のでんきや日東電機の歴史

船のでんきや日東電機は、「昭和26年頃から地元の漁船にバッテリーを販売したり発動機を修理していたのがはじまり」と創業者であり先代の社長でもある父に聞いていましたが、なにせ田舎のこと当時は戦後のドサクサではっきりした資料が残っていません。

元々は漁師だった父は、若いころ肺結核を患い療養生活をするため漁師を断念したが、手先が器用だったのでちょっとした船の修理や大工作業の手伝いをしていたらしいのです。

そんな父はとってもユーモアのある人だったので、いろいろな会議などの集まりにでかけては雑談で頓智のきいた発言をしたりし結構人気者だったと聞いています。(息子が言うのも変な話ですが・・・)

それから「日東電機工業所」を興し、世の中の近代化の波に乗り漁船のエンジン修理や鉄工部門、家庭電化製品の修理や販売などを幅広く手がけ、町の便利屋として一代で大きく商売を広げていきました。

その後、平成元年に法人化し現在の名称になりました。

「210dk」の意味

私が日東電機で働きだしたある日のこと、「これからの仕事に関係するから、目を通しとけ!」と渡された会議資料に隅に書かれていたのが「210dk」という文字。気になったので他の資料もいろいろ見てみると、ほとんどの資料の表紙の隅に「210dk」と書かれていました。

父に「この210dkって何の意味?」と聞くと「わからんか?日東電機工業所のことやろ!」とかえってきました。

日本には、「日東」っと言う名の企業がたくさんあります。

日東電〇さんや日東化〇さんと言った大企業もあります。

そんな中、地方の一零細企業に過ぎない弊社が「日東」(日本の別名(中国から見て)日が昇る東の国ということです。)を名乗るのはおこがましいのかもしれませんが、父は父なりにこの社名に誇りをもっていたと思います。

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父が亡くなったあと、あとを継いだ私がちっぽけな会社(店舗といった方がしっくりくるかも・・・)でもキラリ!と光る何かをホームページやSNSで発信したいと思ったとき、そこに「210dk」を使おうと真っ先に考えたのはそんな父の思いがあったからです。

自分のこと・・・

私は大学を卒業後、家業を継ぐために魚群探知機や無線機等を製造販売する会社に就職し昭和63年に帰ってきてこの仕事をするようになりました。

魚群探知機や無線の修理に関しては一通りの技術は習得してきたつもりでしたが、「船のでんきや」の仕事は奥が深く発電機などの取付技術は輪島に戻ってから必死に勉強しました。

船に故障があると夜中であろうと時間に関係なく連絡が入ります。

私を頼って連絡があるので眠いと言ってはいられずすぐに駆けつけ何とか出漁できる状態にします。

漁師のお客様の「ありがとう!」の一言を聞いたとき、この仕事をしていて本当に良かった思います。

一隅を照らすマリンランプ

ただ、ここ輪島港は日本海の突き出した能登半島の外側に位置するため、毎年冬場になると海が荒れてなかなか出漁できない日が続き船の仕事が激減するのが悩みの種でした。

そこで当社の取扱商品である船舶照明器具を家庭や店舗のインテリア用品としての活用を思いつき、多少のアレンジを施し「マリンランプ」としてホームページやブログ・SNSを利用して発信しました。 
Facebook https://www.facebook.com/210dNK/
Instagram https://www.instagram.com/210dk_ig/

要するに「マリンランプ」は、漁船などに使われている本物の作業灯を一般のご家庭やお店でも使えるようにアレンジしたものです。

その特性は、堅牢でデザインがシンプルなところと優れた防水性です。またスペースもとりませんし美しいフォルムから放射線状に広がる光は幻想的です。

おかげさまで弊社の販売しているマリンランプは、全国各地のマイホームを新築・リフォームやマンション・アパートのリノベーションを施工中のお客様から注文をいただき発送しています。

最近では、わざわざ遠方から実際のマリンランプを見に来店されるお客様も増えてきました。

海を感じさせる灯りのアクセント

堅牢さのある機能美は、主張しすぎずにインテリアもエクステリアも演出してくれます。

主張しない中にも、どこか海を感じさせてくれる船舶照明は空間にほどよいアクセントとなってくれます。

ほとんどのマリンランプの素材は2種類。

経年変化を楽しめる真鍮とシャープなイメージのクロームメッキ。合わせる空間によってお選びください。



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