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水原一平の違法賭博スキャンダルの根源にあるカルト的な大谷現象


2024年のMLB開幕戦の翌日に報じられた大谷翔平と水原一平の違法賭博スキャンダルは日本と全米を大いに騒がせた。

私はその根源にカルト的な文化を見出した。

それは違法賭博が用いるカルト的な手法でもある。が、それ以上に日本のマスコミが扇動する大谷翔平のカルト的な熱狂と共に、水原が大谷をカルト的に崇拝していた可能性を意味している。

騒動から1週間後、大谷は会見を開き賭博との関わりを全否定。水原が勝手に彼の口座のお金を違法賭博業者に送金したと話した。つまり彼は窃盗と詐欺の被害者であると主張したのだ。

私はこの訴えがおそらく真実だと思う。それは大谷が絶対に悪いことをしない聖人だと信じているからではない。この筋がカルト的な大谷現象と符合しているから、信じられるのだ。

水原一平は、大谷への度を越した献身の果てに、破産や自殺といったカルト信者の末路と同じところにたどり着いたのではないだろうか。

この一大スキャンダルと大谷カルト現象の深いつながりについて考えたい。


1:水原は大谷に群がるハイエナの犠牲者だ

この違法賭博スキャンダルが起こった本質的な要因は2つある。1つ目はアメリカの違法賭博業者が水原を巧妙な罠に陥れた点。2つ目は水原が自身の借金トラブルを大谷に相談することを頑なに拒んでいた点にある。

1つ目は、マシュー・ボウヤー率いる違法ブックメーカーが大谷の莫大な資産に目をつけ、それを奪うべく関係者に忍び寄っていったことである。水原一平はそれに引っかかり、カモになったのだ。

先日ワイドショーの『ミヤネ屋』では違法ブックメーカーのハメ込みの手口が特集された。それを踏まえた上で、私の推測する展開はこうだ。

1:ボウヤーが大谷の所属したエンゼルスの中で人脈を築き、同球団主催の      
 パーティに紛れ込む
2:エンゼルスの選手の仲介の元、信頼される立場で水原に接触し、合法を
 装った賭けに誘う
3:水原をVIP待遇で迎え入れ、賭け金のキックバックなどで油断させる
4:次第に返済不能な借金が押し付けられるようになり、水原は違法ギャン
 ブルだと気づく
5:法的に返済義務を無効化することも考えるが、相手がそれを見越して殺
 害をほのめかすような脅迫をしてくる
6:追い詰められた水原は、大谷との仲を壊さないよう彼の口座から横領し
 たお金で返済する

5つ目では、違法業者が水原に対し、違法賭博をやったことを大谷や球団にばらすぞと脅迫していた可能性もある。

ミヤネ屋の特集によれば、違法ブックメーカーの最終目的は球団全体の弱みを握り、八百長を実行させて賭博で大儲けするというものだった。

要するに暴力や脅迫といった強引な手法で人の弱みを握り、支配下において違法行為をさせることで、莫大な利益を得ようとしていたということ。

それはカルト的な手法と一致する。

一方で、この事態は水原が大谷のアシスタントでさえなければ起こらなかったことだ。この点から見ても、彼が大谷の資産を狙う闇組織の陰謀に巻き込まれた犠牲者だという事が分かる。

水原は自らをギャンブル依存症だと言うが、私にはそうは思えない。

このカルト手法にかかれば多くの人が雪だるま式に借金を作るようになるからだ。違法ブックメーカーはカモを甘やかした後、唐突に巧妙な理由で大きな借金を作らせる。相手がギャンブルから手を引いても法外な利息をつけて日々借金をふくらませることができる。

さらに違法業者は訴訟で債権を失っても、暴力的な威圧行為で引き続き相手を債務奴隷にすることができる。つまりこのハメ込みは、ギャンブル依存症ではない人をも充分に引掛けられるカルト的な手法なのだ。


2:自身の破産より大谷との破綻を恐れた水原

スキャンダルを引き起こした2つ目の要因は、水原一平が大谷に対して相談することをかたくなに避けていた点だ。

私はこの理由を、2人が対等な親友やビジネスパートナーではなかったからだと見る。この時点で考えられるのは師弟関係だったということだ。

去年10月、マシュー・ボウヤーはFBIから家宅捜索を受け、彼の違法賭博業務は撤退に追いやられている。水原もこのトラブルを知っていたはずだが、彼はその後に及んでも大谷に知らせることはなかった。

それは何より大谷から見捨てられることを
恐れてのことだったと思われる。

球団から首にされる。またマスコミにもれることで大谷のクリーンなイメージが汚れるといったことは、ほとんど考えなかったのではないか。

なぜなら水原は違法賭博業者の被害者であり、そこを強く主張すれば解雇は避けられるかもしれないし、騒動を内々に収めることもできるからだ。

ここでのポイントは水原と大谷の関係性だ。

もしこの2人が普段から何でも話せるような親友関係にあれば、水原はきっと自身のトラブルについてもっと早い段階で大谷に相談していただろう。しかし実際、彼は頑なに黙り続けてしまった。

それは、水原が大谷を聖人のように見ていたからではないだろうか。
大谷は清廉潔白な人物であり、たとえ自分が違法ギャンブルの被害者だったとしても許してくれないのではないか。最悪、絶交かもしれない。

水原はそんなふうに考えて、大谷に相談できなかったのではないだろうか。

つまり、彼は自分が破産したり
闇業者から命を狙われたりするよりも
大谷との関係が壊れることを恐れたのである。
ここに私は、大谷と水原のカルト的な結びつきを見る。

3:水原のESPNへの嘘に潜むカルト的な崇拝

水原がなぜ大谷に尊敬を超えた崇拝的な感情を抱いていたと思えるのか。彼本人は大谷のことを「翔平」と呼び、弟のようにかわいがっている面もある。だが、それは表面的な態度に過ぎない。

水原の大谷に寄せる本当の心情は、ESPNの取材でついた彼の嘘に表れていると私は見る。

この嘘はこの一大スキャンダルの最大の謎でもある。

後の大谷会見が真実であれば、大谷は水原の借金について何も知らなかった。だが、水原はその取材で大谷が借金を肩代わりしてくれたと言った。さらにこう付け加えて、大谷を大いに称えた。

「彼は素晴らしい男で、(借金を肩代わりしてくれた後も)ほとんど何事もなかったかのように自分の人生を歩んでいった」

Yahooニュース記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/e795096f275c18994d043074736947c67438454e


これについては、自らの横領を隠すためについた利己的な嘘だと見る人もいる。しかしすぐにバレる嘘なので、そこにずる賢さはない。

つまり、この嘘はまったくの不合理かつ幼稚なものでもある。そしてそういう嘘、虚偽には病的な心理が働いていることが多い。

私はこの水原がESPNについた嘘の根源に、信者による教祖の祭り上げと同じ心理を見た。それは「庇護・崇拝」のカルト的な関係とも言える。

信者の多くは信仰を深めるにつれ、教祖や神に対してありもしない美談をでっちあげ、それを自ら信じるのだ。水原の嘘も、私にはこの種の病的な自己暗示のように思える。

翌日、水原はすぐにこの嘘を撤回したが、それも大谷本人によって否定されたからではないか。つまり、大谷が知らなければ、水原はこの自身の嘘をずっと信じ続けていた可能性もある。

大谷への崇拝心は、水原がギャンブルを始めた
キッカケにもなったのではないだろうか。

水原は単に軽い気持ちでギャンブルを始めたのかもしれない。だが、私はギャンブルをやる前に既に彼が生活苦に陥っていたのではと思う。

それを暗示する水原の心の内がESPNのインタビューの一幕にある。

「ショウヘイにはそのこと(ギャンブルで多額の借金があること)を相談できなかった。彼のライフスタイルに合わせるために、支払いに追われるような困窮状態だった。だが、彼にそのことは言いたくなかった」(著者・拙訳)

"I couldn't share this with Shohei. It was hard for me to make my ends meet. I was going paycheck to paycheck, Because I kind of had to keep up with his lifestyle. But at the same time, I didn't want to tell him this."

{ESPNインタビューの原文}
https://www.espn.com/mlb/story/_/id/39784809/dodgers-shohei-ohtani-mizuhara-theft-line


これは違法賭博を始めた理由として語られたことではない。さらにこの後、水原は大谷が借金の肩代わりをしてくれたという嘘をついている。そのためこの発言の真偽も分からない。

だが、私はこの発言に水原が違法賭博を始めた真の理由があると思える。

ここからは彼が大谷の私生活まで支えていたことに加え、彼自身がその報酬をほとんど求めていなかったことがうかがわれる。

つまり、水原はギャンブルに誘われる前から、大谷に充分な報酬を求めないまま公私に渡るオーバーワークを続けたために、ギリギリの生活だったのではないかということだ。

配当金が大きい違法ギャンブルの誘惑に負けたのも、そのためだったのではないか。一方で日本のマスコミの一部は、水原がアメリカで贅沢三昧の生活を送っていたとも報じている。

だが、私にはそうは思えない。それは水原一平が清廉潔白な人物だと思っているからではない。

それが日本のマスコミの先導するカルト的な大谷現象と符合し、かつこの悲劇が、大谷に最も近い場所で献身的に仕える信者がたどった末路のように思えるからだ。(パート2につづく↓)


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