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介護中の私を支えてくれた、中目黒と代官山の煌めき【おすすめエッセイ】

本日は無料で読めるおすすめのエッセイを紹介します。タイトルはズバリ、

「介護中の私を支えてくれた、中目黒と代官山の煌めき」

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犬山紙子氏が、「街」をテーマに書いたエッセイです。地方出身の上京する若者には、共感する点がたくさんあるのではなかろうか。

このエッセイを読み、私自身が上京し、東京の街について感じたことを、つらつら述べていきます。

冷笑的だった自分と温かな東京の人たち

本文にはこんな文章がある。

夢を持ち、夢を追いかけてる人、夢を物にした人。そこに、私のような冷笑的なスタンスな人はひとりも見当たらなかった。

犬山氏は、夢を追いかけている志半ば、気が付けば、地元の街で冷笑的なスタンスを取っていたのだという。そこで、姉を訪れ東京へ。中目黒のカフェで「自分のスタイルや仕事に誇りを持っている」人たちに出会い、だんだんとその心が溶けていったそうだ。

卑屈っぽさを癒してくれる東京の街

私が上京して驚いたこと、それは皆、心に余裕があるということだ。皆さん、よく褒めてくださる。卑屈な人なんて全然いない。自分なりにその理由を考えてみたが、単に北の国(地元)との日照時間の差異により、根っこの方の明るさが違うからか、東京で一流のものを見て育ち、それに少なからず影響を受けてきたからか。

よく「日照時間が短いと陰鬱になる」とはいうが、上京してから、地元を客観視した時に少し、それを感じる。なんというか、北の国の人はヒリツいた笑いや、ブラックジョーク的なものを好む傾向にある気がするのだ。その点、こちらの人は明るい。

また、東京にいて、もちろん普段の生活範囲に限るのだが、店員さんなど、プロフェッショナルだな、と感じることが多い。一生懸命で「やりきっている」のだ。例えば、新宿の鞄屋の店員さんは、買い物後に「一緒に選べて楽しかったです」と一言添えた。するととても温かい気持ちになった。思わず、「さすが新宿のお姉さん!」と口にした。

都会にある「物質的な」豊かさと「心の」豊かさ

また、上京して、親の仕送りに甘えているということもあるが、行きたいところに行ける、ある程度、欲しいものが手に入る、ということがこんなにも心を充たしてくれるものかと、実感した。行きたい場所に行くたびに、「お母さん、お父さん、上京させてくれてありがとう」と心の底から思った。

他の人が必ずしもそうか、と言われればわからないが、私にとっては、行きたい美術館に行けること、行きたいライブに行けること、第一線で活躍している人を見られること、それが何よりもの幸せだった。一生懸命頑張っている人に会えるだけでパワーをもらえる。もちろん、それが地方にない、と言っているわけではない。そういうものに出会えるチャンスが多いということだ。

努力の街、東京

また、東京は努力の権化のような人が山ほどいる。見た目も、中身も、スキルも、努力して、努力して、努力して、初めて食っていける。東京の家賃、生活費は高い。それを払うにはそれなりの覚悟がいるのだ。第一線で活躍し、「東京で結果を出す」ということは本当に大変だと思う。生まれも育ちも一流、なんて人はザラにいる。そこで劣等感を抱かずに勝ち抜いて行くこと、謙虚さを保つこと、それのなんて大変なことだろう。

でも、だからこそ、魅力を感じてしまうのだ。

田舎を飛び出し、東京で生きるという決意表明

そんなこんなで、私は東京の街と人にすっかり魅了されている。そして、しばらくはここで生活したいと考えているのだ。

よく田舎の人は、上京し、帰ってこなかった人に向かって「東京色に染まった」「向こうに行ったら帰ってきたくなくなったみたい」という。けれどその言葉は、ただの都会信仰だとみられているような気がしてならない。「上京した人」にしかわからない「東京の魅力」というのが必ずあるはずだ。少なくとも私は、そう感じている。お母さん、お父さん、上京させてくれてありがとう。


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