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田縣神社【愛知・小牧市】

玉さすり 賽銭いれて 珍となる

ジョークではありません。「たま」と「ちん」に関係するのです、マジで。

ここは天下の奇祭、「豊年祭」で有名な小牧市に鎮座する田縣神社(たがたじんじゃ)です。天下の奇祭、というのはお神輿が男根になっていて、練り歩く巫女さんたちが男根をかたどったモノを抱えるという大変珍しい神社なんです。

その様子は各種メディアでも取り上げられ、YouTubeにもUPされているので、興味あるかたは検索してみてくださいね。

特にコロナ以前は、インバウンドによる外国人たちの観光名所として多くの人で賑わっていました。「オーマイガー!」って感じですか。

20.315が訪れたのは8月上旬。東海地方も梅雨が明けて、むせかえるような暑い午後の昼下がりです。

案の定、参拝客はほとんどいませんでした。こんなに暑い夏の、それも午後2時前後に神社に行くなんて、物好き以外なにものでもありません。笑。

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拝殿のなかほどには、それらしきモノが安置されていますね。

田縣神社のHPでは宮司を務める粟田孝浩さんのご案内文があります。

当神社は、古来より五穀豊穣、家業繁栄、開拓の祖神として崇められております。特に大同二年(807)に編纂された古典『古語拾遺−御歳神の条−』の故事に基づいて男茎形を奉納し祈願する俗習があり、「産むは生む」に通じて、恋愛、子宝、安産、縁結び、夫婦円満、商売繁昌、厄除開運、諸病の平癒の守護神として、全国の崇敬者から格別の崇敬を受け、また世界各国の人々から注目される神社でございます。            以上抜粋

創建年代はわかっていません。

ただ、上述のように『古語拾遺-御歳神の条-』に関係していること、『延喜式』にもその記載があることなどを考慮すると、相当に古い由緒があると思われます。弥生時代ではないかとの説もあります。

ご祭神は御歳神(みとしのかみ)と玉姫命(たまひめのみこと)の2柱。

御歳神の父親は大歳神(おおとしのかみ)で、祖父は素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。大歳神の弟(あるいは兄)が宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ=お稲荷さん)になります。

お稲荷さんは穀物の神様ですが、この大歳神も同様に食物の神様です。
ということは御歳神も食物系の神様でしょうか・・・。
残念ながら、御歳神が何の神様なのかはよくわかりません。

玉姫命の父親は尾張地域の豪族(一帯の支配者)、大荒田命(おおあらたのみこと)と言われています。

尾張地域はヤマト王権との繋がりが古くからあり、何人ものお妃を輩出していますが、玉姫命もその中の一人だったのでしょう。お妃となった相手は、尾張国造の一人、建稲種命(たけいなだねのみこと)。玉姫命が麗しい美女でハートを射止められたのか、それとも、政略的なものだったのか、それは想像するしかありません。

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いずれにしろ、夫である建稲種命が亡くなると、玉姫命は実家のあるこの地に帰り、2男4女を育て、父である大荒田命をサポートし開拓に励んだといいます。その功績から、田縣神社のご祭神に祀られました。

それにしても、こうした由来や由緒を調べてみても、「何故に男根か?」についての疑問は残ってしまいます。

あえて強引に由緒に紐づけるとすると、子宝に恵まれたその事績から関連付けたといえるかも知れません・・・。

『古語拾遺』にそのヒントがあるとHPには書かれていますが、原本は漢字のみで書かれた平安時代の神道に関する資料です。

これは、さすがに敷居が高すぎる・・・。
ちょっと挫けた20.315です。

小牧といえば、小牧城、小牧長久手の戦いの場ですね。戦国時代マニアにとっては歴史に想いを馳せながら、田縣神社にも足を運んでみるものいいと思います!

【基礎データ】
■創建 不詳 ※HPには弥生時代とも。
■祭神 御歳神(みとしのかみ)、玉姫命(たまひめのみこと)
■住所 愛知県小牧市田県町152
■HP 田縣神社

※写真は全て20.315が撮影。
※田縣神社に類似した神社は神奈川県にもあります。
※隣接する犬山市には女陰を祀る大縣神社(おおあがたじんじゃ)が鎮座しています。
※豊年祭は3月ですが、2020年は関係者のみで行われました。


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