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秋葉神社【埼玉・さいたま市西区】

雨の日、だったからかもしれませんが、ちょっと寂しくて殺風景な境内が広がっています。

ここはさいたま市内に鎮座する「関東総社 秋葉神社(あきはじんじゃ)」です。

関東総社(かんとうそうじゃ)といわれるぐらいですから、境内や社殿は結構な大きさ、広さを誇ります。歴史的にも古く、天平年間(奈良時代)の創建といわれています。

ご祭神は火之迦具土大神(ほのかぐづちのおおかみ)です。単に「かぐつち」とも言います。この神様は、イザナギとイザナミの間に生まれた神様で、少々かわいそうな運命にありました。

イザナミが「かぐつち」を生んだ際、彼女の陰部にやけどができてしまった。彼女はこのやけどにより死んでしまいます。夫であるイザナギは、怒って「かぐつち」を剣で殺してしまいます。その時の「かぐつち」の死体と血液から、また多くの神々が誕生・・・。

古事記も日本書紀も、結構、生々しいんですよ、実際。

上記エピソードから「かぐつち」は「火の神様」となったのです。

殺された → 悲惨 → 遺恨が残る → 慰霊する → 祀る → 神様になる、という日本の伝統が、ここにも表れているんじゃないか、と思います。

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秋葉神社は全国各地にあり、その数1,000社以上といわれています。特に、愛知県と岐阜県に多いようですが、なぜこの両県に多いのかは、今後の課題とさせてください。笑。

元来は、静岡県浜松市の秋葉山(あきはさん)という霊山への信仰が起源とされています。これも、やはり神仏習合の秋葉大権現(あきはだいごんげん)という山岳信仰および修験道の神様でした。

現在でも、浜松市には「秋葉山本宮秋葉神社(あきはさんほんぐうあきはじんじゃ)」があり、全国の秋葉神社の総本社となっています。新潟県長岡市の栃尾秋葉山の秋葉神社も総本社とされていますが、これには紆余曲折があり、ここではまとめきれないので、後回しにさせていただきます。すみません。

いずれにしても、秋葉大権現は「火除け」「火伏せ」の神様として祀られ、神仏分離後には「かぐつち」となったのです。

ここ、さいたま市の秋葉神社の鳥居は石造りです(上記写真)。石であれば、燃えることはありません。火除けの神様であることが、ここにも垣間見ますね!

ちなみに、世界の「秋葉原」も、駅近くにある秋葉神社が地名の由来です。

【基礎データ】
■創建 天平年間(西暦729~749年) 奈良時代
■祭神 火之迦具土大神(ほのかぐづちのおおかみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、菅原道真(すがわらのみちざね)、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)、倉稲魂命(うがのみたまのみこと)
■住所 埼玉県さいたま市西区中釘818
■HP 関東総社 秋葉神社

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