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根津神社【東京・文京区】

朱色の鳥居が立ち並ぶ東京・文京区の古社、根津神社(ねづじんじゃ)です。正確にいうと、根津神社の摂社「乙女稲荷神社(おとめいなりじんじゃ)」の参道に並ぶ、千本鳥居ですね。

都心にありながらも、比較的広大な境内を有する東京十社のひとつとして日常的に参拝客の多い神社です。

20.315も幾度となく参拝していますが、冬場の静謐とした空気の中で参拝すると、とても心が落ち着くいい神社です。乙女稲荷さんの効果なのか、若い男女の参拝も少なくありません。

付近には大学も多く、観光名所も事欠かないため、散策やデートするのに最高のエリアとも言えるかもしれませんね。

しかしながら、根津神社の由来や創建にまつわるエピソードは、あまりに乏しく、詳細はあきらかではありません。加えて、根津神社のHPもその知名度とは裏腹に、とても簡素です。

根津神社1

今から1900年ほど前に、ということですから、西暦は150~200年、日本の時代区分なら古墳時代の創建ということになります。日本武尊(やまとたける)が東征のおり、千駄木(根津のとなりの駅付近か)に祀ったのが根津神社の始まりとされています。

確かに、日本武尊が活躍した時代は古墳時代から弥生時代にさしかかる時代なので、年代的には妥当な感じがします。が、日本武尊は生年不詳で日本古代史上の伝説的英雄とされ、研究者の中には架空の人物であるととなえる方もいます。

古墳時代のヒーローですから、実在したのか実在しなかったのか、あるいは、モデルとなる似たような人物がいたのかいなかったのか、は想像するしかありません。いずれにしても、熊襲退治、東夷征伐を果敢に成し遂げたヒーローだったのですが、享年30歳、伊勢で病に斃れます。亡骸は白鳥となって大和、あるいは河内に飛んで行ったとされます。

陵(みささぎ)とされるお墓は、三重県亀山市(能褒野墓=のぼののはか)、奈良県御所市(白鳥陵=しらとりのみささぎ)、大阪府羽曳野市(白鳥陵=しらとりのみささぎ)の3カ所が、宮内庁に治定(じてい)されています。

古代のヒーローは多くの謎を秘めていて、お墓も数カ所にあり、どれが本当の陵なのか明らかになってはいない、ということです。

言ってみれば日本古代史の謎というわけですが、だからこそ、様々な想像が働きますし、そういうところがまたロマンティックなんですよね!

根津神社3

根津神社のある文京区は、その名が示すとおり、東大をはじめとする大学や都内屈指の名門高校や中学のある文京エリアですね。

上段で、観光名所も多いと記しましたが、神社でいえば「湯島天満宮(ゆしまてんまんぐう)」、「白山神社(はくさんじんじゃ)」なども文京区内にあり、小石川後楽園、小石川植物園(東大付属植物園)、都立公園である六義園(りくぎえん)、東京ドーム、講道館(柔道の聖地)、三菱史料館、弥生美術館などなど、名所は数えだしたらキリがありません。

これほど名所旧跡や観光の目玉が多いのですから、根津神社ももっと発展してもよさそうなんですが・・・と20.315は思います。

同じ東京十社で、港区赤坂に鎮座する日枝神社(ひえじんじゃ)の豪壮な造りや発展ぶりを見ると、ますます余計なことを考えてしまいますね。

でも、文豪ゆかりの深い根津神社は、文京の杜に静かに佇む飾り気のない古社として、これからも皆に愛され続ける存在だろうと思います!

【基礎データ】
■創建 不詳 ※始まりは古墳時代か。
■祭神 須佐之男命(すさのおのみこと)、大山咋命(おおやまくいのかみ)、誉田別命(ほんだわけのみこと)
■住所 東京都文京区根津1-28-9
■HP 根津神社




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