大活字本と埼玉福祉会。
先日図書館で予約した本は、手元に届いたら「大活字本」でした。
「大活字本」は本の大きさが、標準の単行本(128㎜x182㎜)と比較するとさらに一回り大きいサイズ(150㎜x210㎜)。
字はびっくりするほど大きい。
数えてみたら、一行で最大31文字、見開き2ページで22行。他の単行本のおよそ半分の字数でゆったりしている。
確かに読みやすい。
想定している読者は、たぶん高齢者や視力が落ちている人なのだろう。
気になって調べてみると、「埼玉福祉会」というところが出していた。
埼玉福祉会:
埼玉福祉会は1978年に社会福祉法人として認可されているところ。
いくつか行っている事業の一つが「大活字本」の出版です。
「大活字本」:
大活字本は、500部限定の本で、ここでは年間に
約30タイトルの「大活字本」を出版している。
編集、印刷、製本まで自前でやっているようだ。
・ナミヤ雑貨店の奇跡:東野圭吾
・青春の門 第九部 漂流篇:五木寛之
・あなたの脳にはクセがある:養老 孟司
・霊長類ヒト科動物図鑑:向田邦子 などなどが既出版本です。
また、本のほかにも
・SAIFUKU ブックコートフィルムES (文庫判用)
https://amzn.to/3kzXKPY
・SAIFUKU 書見台卓上タイプ https://amzn.to/3Hl7DuD
などの本に関連する品も出しています。
埼玉福祉会の得意先は全国の公共図書館、老人ホーム、盲学校、病院、福祉センターなどで、いわゆる一般向けの図書ではないようです。
福祉会の理念:
埼玉福祉会のトップページには以下のように記されています。
文化と福祉を創造する
社会的コストをかけない、自立した障がい者福祉事業を達成するために、福祉を経済と経営の視点から捉え、経済社会のなかにおいて主体的に事業を展開しながら利益を生み出しています。そして、その利益を事業に再投資することで、障がい者雇用を持続的に創出しております。
また事業案内では、取り組んでいる様々な9つの業務が挙げてあります。
その一つが図書整理課。業務内容は、
・図書館事業部 図書整理課:装備事業、防虫防カビ事業、アウトソーシングなど、
中を開けて詳しく見ると、
「埼玉福祉会では全国の公共図書館、小・中・高校図書館、大学・専門図書館などの図書委託整理を行っています。本の分類・検索・入力・装備を一貫して行っており、その技術力は高い評価をいただいております。さらに洋書の整理を得意としており、英、仏、独語はもとより、ロシア語、 中国語、韓国語、インドネシア語等でも高い評価を得ています。」
語学に幅広く通じている様子が分かります。
福祉事業施設で働く方々が500部の限定で本をつくり、図書館などに販売する。収益的にはきびしいことが考えられます。
なにか役に立ちたいものです。
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