罪
あの人はまだ持っているのか
捨てられなかった揃いの箸を
折って捨てよと何度も泣いた桜の絵柄
雨の京都
薄い赤と綺麗な青の夫婦箸
二人の名前を刻んだ夫婦箸を
大事なものを失うぞ?
あの人はいつもそう言った
小さな星の同じ空の下
いつかまたどこかで出会ってしまうだろう
私の罪
それはあの人を幸せにできなかったこと
大事なものを失うぞ?
私はまだあの人の言葉にとらわれている
あの箸を捨てられずにいる私がいる
そしてそれもまた
私の罪
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