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[5分小説]CIRCUS-演劇-

Introduction

首都空港ウェントゥスに1人の女が到着する。
学問都市ドクトゥスで公正取引委員会の審議官ウェヌスタと審議官ヴァニタスはレベリオー教授の弟子たちと会議する。
会議中弟子たちは1人ずつログアウトしていく...

CIRCUS-演劇-

首都空港ウェントゥスに1人の女が到着し部下が報告する。
「レベリオー教授弟子たちとカードマスターが接触、我々は9つ目のパスワードファイル未入手です。」
女が問い掛ける。
「テネルは?」
部下が答える。
「フォンス郊外の病院で治療中です。」
女がフォンス郊外の病院を訪れ答える。
「酷いやられようね。」
執行官テネルが答える。
「長官。」
ベルルム執行省長官マグニフィクスが返す。
「私が引き継ぐ。」

ドクトゥスでウェヌスタとヴァニタスはレベリオー教授の弟子たちから説明を受ける。
8番弟子オクトー博士が答える。
「来校は僕だけで他はオンライン参加です。教授の9つ目のパスワードファイルが見つかりました。」
「渡された技術は超小型核融合炉nuclear energy®︎です。」
6番弟子セクス助教授がログアウトする。
「伝統的方式トカマク式核融合発電技術で発生したドーナツ型磁場中に超高温・高圧プラズマを閉じ込め核融合を起こします。」
「燃料は重水素(D)と三重水素(T)、点火温度は摂氏1億~数億度です。」
「一方でファイル流出痕跡があります。」
7番弟子セプテム助教授と4番弟子クァットゥオル准教授がログアウトする。
ウェヌスタは審議院仮庁舎のウィンクルムに連絡する。
「送付したパスワードファイルのハッキング履歴確認を宜しく。」
ウィンクルムが答える。

「グラキエースからハッキングされて居ます。」
1番弟子ウーヌム教授がログアウトする。
3番弟子トリア准教授が答える。
「nuclear energy®︎技術は軍事転用可能で極短時間人工太陽発生の太陽爆弾が作れます。」
5番弟子クィーンクェ准教授と2番弟子ドゥオ教授がログアウトする。
ウェヌスタが問い掛ける。
「他の方々がログアウトして居るのは何故?」
審議院仮庁舎からウェヌスタに通信が入る。
「ベルルム執行省長官マグニフィクスより教授の弟子たちを返して欲しければペクーニアエ・コンメリクムの王立競技場アレーナでパスワードファイルを渡せと通達です。」
ヴァニタスが答える。
「執行官のやり方だわ...!!」
2人は王立競技場アレーナへ向かう。

アルスの誰も居ないcircus社テントでアウルムが空中ブランコショーの練習をする。
公演プログラムは(i)から(x)まで10章有る。
(i)ロープショー。
(ii)ハンドスタンディングアクト。
(iii)ローラースケーティング。
(iv)猛獣ショー。
(v)オートバイショー。
(vi)ダブル空中ブランコショー。
(vii)空中大車輪。
(viii)空中アクロバットショー。
(ix)空中リングショー。
(x)古典芸。

見て居たアルガーリータが呟く。
「上手くなったね。」
2030年。15歳の少年アウルムと少女アルガーリータは合同演習して居た。
アウルムはプログラム水準に達しない。
先輩パフォーマーはアウルムを冷笑したがアルガーリータはアウルムの才能を信じて居た。
アルガーリータは2人の動き・タイミングを合わせる為にテントのアウルムの部屋を訪れ話し掛ける。
「一緒に暮らそう。」
アウルムは驚く。
「え?」
アルガーリータが答える。
「間と呼吸を掴みたい。それに貴方の事をもっと知りたい。」
2人は共同生活を始める。

春、2人は体を作り直す。
2人は一緒に朝食を作る。
アルガーリータがrobot speaker®︎で音楽を流す。
2人は体幹・インナーマッスル強化のウェイトトレーニングをする。
アルガーリータが答える。
「疲れた。」
アウルムが答える。
「夕食にしよう。」
アルガーリータが準備しアウルムが皿洗い・洗濯をする。
夏、2人はアルス南部リゾート地リートゥスの海に行く。
アルガーリータがはしゃぎ答える。
「貴方と来る初めての海だ。」

秋、2人は筋持久力を高める。
2人は収穫祭の準備をする。
夕日がアルスの葡萄に似たウーウァ畑を照らす。
アウルムが答える。
「内緒でワインを飲もう。」
アルガーリータが微笑む。
「良いね。」
冬、2人は空中ブランコ捻り技の練習をする。
2人は手を繋いでテントに帰り晩酌をしてベットに入る。
アルガーリータが答える。
「来て良いよ。」
アウルムはアルガーリータを抱きしめる。

2040年。ウェヌスタとヴァニタスはペクーニアエ・コンメリクムの王立競技場アレーナに到着する。
トラックの中央に1人の女が立って居た。
ヴァニタスが答える。
「マグニフィクス執行官。」
マグニフィクスが答える。
「もう長官よ。」
ヴァニタスが問い掛ける。
「教授の弟子たちを拉致したわね?」
マグニフィクスが返す。
「流石。良く分かって居る。」
ヴァニタスが返す。
「此れが9つ目のパスワードファイルのUSB。弟子たちを解放して。」

マグニフィクスが頷き答える。
「私を倒せたら。」
《霧》
マグニフィクスが昇華する。
ヴァニタスが答える。
「ウェヌスタ、彼女に銃は分が悪い。私に任せて。」
ウェヌスタが退避する。
《透過》
ヴァニタスが姿を消す。
審議院仮庁舎から通信が入る。
「レベリオー教授弟子たちは拉致されて居た模様。全員救出しました。」
ヴァニタスが消火器をトラックに並べる。

《霧銃》
空気弾がヴァニタスの頭部を掠める。
ヴァニタスが空気弾方向の消火器をsmart handgun®︎で撃つ。
消火器が連鎖爆発する。
マグニフィクスが姿を現す。
ヴァニタスが答える。
「粉末消火器の主成分はリン酸アンモニウム(ABC)、炭酸水素ナトリウム(Na)、炭酸水素カリウム(K)。有害よ。」
《音透過》
ヴァニタスが足音を消しマグニフィクスの背後から背中を撃つ。
マグニフィクスが答える。
「相変わらずね。」
ヴァニタスが頷く。

アルスのcircus社テントで新カードクイーンプルイーナが答える。
「カードジョーカー♠︎。」
「新カードジョーカー❤︎、♦︎、♣︎。」
「♣︎8。」
「スートナンバー外。」
「良く集まってくれた。」
新カードジョーカー♦︎クブルムが答える。
「11章の追加プログラム天使と悪魔の聖戦演目で市街地へ侵攻する。己の体には超小型水素爆弾little nuclear bomb®︎が入って居る。生体反応が無くなれば起動する。」
サーカス団員が驚く。
「演劇じゃ無いのか?」
クブルムが答える。
「違う。次の公演地はソルだ。」

©︎ Card Master

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