見出し画像

[5分小説]QUANTUM-波動-

Introduction

2040年。公正取引委員会の元審議官ヒエムスと審議官ヴァニタスを元カードエースムーヌスが出迎え室内闘技場に案内する。
ヴァニタスは自身の偽物と交戦する。
ヒエムスはムーヌスと戦うが...

QUANTUM-波動-

カードジョーカー♦︎クローンの服を着たヒエムスと姿を消したヴァニタスを元カードエースムーヌスが出迎え室内闘技場に案内する。
ムーヌスが答える。
「此処は研究動物が戦う闘技場だ。」
ヒエムスが問い掛ける。
「何時気付いた?」
ムーヌスが返す。
「カードジョーカー♦︎クローンは黒色肌のベルルム人だ。」
偽ヴァニタスがムーヌスの横から姿を現す。
ヴァニタスが姿を現し答える。
「私が自分の偽物の相手をする。」
《透過》
ヴァニタスが姿を消す。

《透過》
偽ヴァニタスが姿を消す。
《音透過》
ヴァニタスが足音を消す。
ヴァニタスが足音の方向にサイレンサー付きsmart handgun®︎を撃ち偽ヴァニタスの左肩を貫く。
偽ヴァニタスの血の跡が残る。
ヴァニタスが血の落ちる場所にsmart handgun®︎を撃つ。
偽ヴァニタスを貫通する。
ムーヌスが両手を上げる。
《引力》
ヒエムスが引き寄せられる。
《EMP》

ヒエムスが体勢を立て直す。
ヴァニタスが姿を現す。
《斥力》
《EMP装填》
ヒエムスがsmart handgun®︎を撃ちムーヌスを貫き倒れる。
ムーヌスが起き上がりヴァニタスに手を伸ばす。
《強い力》
ムーヌスがヴァニタスの首を掴む。
ヴァニタスが唸る。
「息が...!!」
ヒエムスがsmart handgun®︎を撃つ。
《弱い力》

ムーヌスの体表で止まる。
《EMP装填連射》
ヒエムスが放ったsmart bullet®︎複数発がムーヌスを貫通する。
ムーヌスが倒れる。
ヒエムスが量子暗号通信secret message®︎で審議院仮庁舎のウィンクルムに連絡する。
「ウィンクルム君、ベルルム戦争省 先端技術研究所の地図をハッキング出来るか?」
ウィンクルムがsecret message®︎で答える。
「少しお待ち下さい。」
ウィンクルムが先端技術研究所の地図を送付して来る。
ヒエムスが答える。
「やはり最深部か。最高権限のカードジョーカー♦︎クローンIDカードを持参して良かった。」
先端技術研究所最深部secret laboratory®︎のドアをヒエムスとヴァニタスは開ける。

ベルルム量子コンピューターウルティムムと各国量子コンピューターレプリカシリーズが並んで居た。
ウルティムムが答える。
「君たちの誤算は私が戦えないと思って居る事だ。」
「私は全てのナノマシンパワーを使える。」
室内人工衛星smart satellite®︎1号機、2号機、3号機が動き出す。
ヴァニタスがサイレンサー付きsmart handgun®︎をウルティムムに撃つ。
《停止》
ヒエムスが動く。
《EMP》
ウルティムムが電磁パルスを発する。
《EMP》
電磁パルスが相殺される。

《干渉》
ヴァニタスが放ったsmart bullet®︎が返って来る。
《透過》
ヴァニタスが姿を消す。
ヒエムスがウルティムムにsmart handgun®︎を撃つ。
《自動電膜》
ウルティムムを囲む強化ガラス表面でsmart bullet®︎が停止する。
室内人工衛星smart satellite®︎2号機、3号機が光る。
《電雷》
室内落雷が起こる。
ヒエムスとヴァニタスは伏せ回避する。
《EMP装填》

ヒエムスがsmart satellite®︎2号機をsmart handgun®︎で撃ち墜落させる。
ヴァニタスが超電動磁力弾smart magnet bullet®︎をsmart satellite®︎3号機に撃ち込む。
《電雷》
smart magnet bullet®︎に引き寄せられsmart satellite®︎3号機が爆発する。
《電雷連射》
smart satellite®︎1号機が室内落雷を多発させる。
ウルティムムが答える。
「道連れプログラムを発動する。」
「10秒後に世界中にSLMB多弾頭核ミサイルsmart nuclear missile®︎、大気圏外核弾頭space nuclear missile®︎を発射する。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1...」
ヒエムスが答える。
「これでも撃つか?」
《EMP装填連射》

ヒエムスがsmart handgun®︎をウルティムムに連射する。
《電膜》
電膜を貫通し強化ガラスを粉砕する。
ウルティムムが答える。
「分かった。レプリカシリーズを止めても良い。」
ヒエムスがsmart handgun®︎を下げ頷く。
レース・プブリカエの量子コンピュータートロヌス・レプリカが答える。
「私は"支配"の騎士。何故生きる?」
ヒエムスが答える。
「人は産声を上げて生まれて幸運なら歳をとって死んで行く。時間はあっという間で、人は一瞬で歳をとって赤ちゃんから老人になる。でもその一瞬の煌めきに生きる意味を見出す。」
《EMP》
ヒエムスがトロヌス・レプリカに触れ停止させる。

グラキエースの量子コンピュータープラティヌム・レプリカが答える。
「私は"戦争"の騎士。日常の死とは?」
ヒエムスが答える。
「身近な小さな事の終わりも見方を変えれば死だ。そして共に過ごす時間にかけがえの無い価値を見出している。またね、のお別れは小さな死だ。」
《EMP》
ヒエムスがプラティヌム・レプリカに触れ停止させる。
ドラコーの量子コンピュータースパエラ・レプリカが答える。
「私は"飢餓"の騎士。死にかけた事は有るか?」
ヒエムスが答える。
「死にかけると死の地平線が見える様になる。生と死の境界線に境目は殆どないと気付かされる。生と死の危ういバランスの中で人は立っている。」
《EMP》
ヒエムスがスパエラ・レプリカに触れ停止させる。

ソルの量子コンピュータークォンタム・レプリカが答える。
「私は"死"の騎士。死を超えるものは?」
ヒエムスが答える。
「もしかしたら人の強い思いや愛は死を超えるだろうか。俺はそれらは死を超える可能性が有ると思っている。死を超える物を見つけたい。」
《EMP》
ヒエムスがクォンタム・レプリカに触れ停止させる。
帰国路のair speed®︎機内でヒエムスとヴァニタスに脳波通信が届く。
(クォンタムだ。撃墜指示が出た。私が広域レーダーsmart radar®︎を妨害して居る間に着陸してくれ。)
ヒエムスとヴァニタスは中継地ベルルム植民諸島コロニアでmarine speed®︎に乗換え帰国する。
ヒエムスが審議院仮庁舎で審判長、ウェヌスタ、パッシオ、クレーメンス、ウィース、ヴァニタスに告げる。
「皆、引き続き迎撃を。」
各人頷く。

臨海副都心オーケアヌスの海辺にヒエムスとヴァニタスが来てヴァニタスが問い掛ける。
「1,000年後の人類はポストヒューマン支配下に?」
ヒエムスが答える。
「未来は分岐する。彼らは別未来に誘導してくれて居る。」
ヒエムスが続ける。
「それに君も居る。俺たちは1人じゃ無い。」
ヴァニタスが問う。
「運命とは?」
ヒエムスが返す。
「超越する為にある。」
黄昏色の太陽がヒエムスとヴァニタスの背後から照らしていた。

©︎ Card Master

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?