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[5分小説]WITCH-冥府-

Introduction

2040年。オーケアヌス警察署留置場に魔女3姉妹長女プラキドゥムが訪れる。
公正取引委員会の審議官少女マレはスートの組織の次の目的を知る為、スートの組織被害者から話を聞く。
マレはVR空間で何かを見付け相棒の猫オーケアヌスに問い掛けるが...

WITCH-冥府-

オーケアヌス警察署留置場に魔女3姉妹長女プラキドゥムが訪れ答える。
「ソル当局に手を回した。釈放よセーリウス。」
セーリウスが答える。
「お姉ちゃん。」
マレに50代の短髪ダンディーな審議官パッシオから量子暗号通信secret message®︎で連絡が届く。
「3姉妹が姿を消した。」
マレはスートの組織の次の目的を知る為、死者のデータと対話するVR空間アプリghost meet®︎を起動しスートの組織被害者から話を聞く。
「魔女3姉妹を知って居る?」
被害者たちが答える。
「知らない。」
マレが問い掛ける。
「何故貴方たちが狙われた?」

被害者たちが返す。
「私たちの共通点はスートの組織と関わって居たか歯向かった事だ。」
他の者が声を上げる。
「無関係の者も多数居る。」
マレが問う。
「無差別化して居る。何故?」
被害者たちが答える。
「組織存続が危うくなり先鋭化して居る。」
ghost meet®︎のVR空間でマレが何かを見付けオーケアヌスに問い掛ける。
「これは何?。」
オーケアヌスが答える。
「バグだ。VR空間の切れ目だ。」

マレはVR空間の切れ目に入り真っ白な世界に出る。
マレが問う。
「此処は何処?」
オーケアヌスが返す。
「分からない。」
男が現れ答える。
「此処は中間世界。私の空間。持ち物は少なくて良い。本当に良い物を少し持って居れば十分だ。」
男がマレとオーケアヌスに問い掛ける。
「100年ブランドを知って居るか?3度の世界大戦、世界恐慌、オイルショック、バブル崩壊など様々な困難に直面しながらも存続して来たブランドだ。」
男が空間を撫でると高級車が現れる。
「此れはMercedes Benz®︎。自動車創成期より活動する世界的企業だ。」
男が自分のジーンズを指差す。

「此れはLevi's®︎。ジーンズの礎を築いたベルルムを代表するブランドだ。」
男がライトを付ける。
「此れはColeman®︎。時代は変わっても人々を照らし続ける。」
男がマレとオーケアヌスの写真を撮る。
「此れはLeica Camera®︎。紛争地まで最先端の光学技術で時代の瞬間を写し撮る。」
男がリュックサックを手に取る。
「此れはDeuter®︎。数々の機能でクライマー愛用の逸品へと昇華した。」
男の前にスポーツカーが停まる。
「此れはAston Martin®︎。有名スパイに愛されたナーヴィスのスポーツカーの最高傑作だ。」
横にバイクが停まる。
「此れはHarley Davidson®︎。傑作を産み続けるベルルムのモーターサイクルの雄だ。」
男が車を見つめる。

「此れはMichelin®︎。アルスの求められる全ての性能を徹底的に追求したタイヤだ。」
男が紅茶を飲む。
「此れはLipton®︎。世界で最も愛される紅茶だ。」
男が帽子を取り出す。
「此れはBorsalino®︎。ヒストリアの伊達男たちを唸らせる高級かつお洒落な帽子だ。」
男がワインを嗜む。
「此れはRiedel®︎。世界中のワイン愛好家が絶賛するレース・プブリカエの名門だ。」
男が宣言する。
「ソルに同時多発化学攻撃が起きペクーニアエ・コンメリクムは無人化する。」
「私は3代目カードエース、冥王モルス。ghost meet®︎創業者。」
マレが問い掛ける。
「初代と2代目は?」

「初代は引退し2代目は元カードクイーンヴァニタスに倒された。」
オーケアヌスが答える。
「モルス氏は死んでいる筈だ。」
3代目カードエースモルスが答える。
「魂は不滅。また会おう。お嬢ちゃんと猫よ。」
アニマーリアがペクーニアエ・コンメリクムの量子通信タワーquantum tower®︎の最上部デッキに立ち自らをソル周辺の量子暗号通信と接続する。
《超野生》
ペクーニアエ・コンメリクムの野生動物たちが暴走する。
global news®︎の速報が流れる。
「ソルの動物園で大量脱走が起きました。」
オーケアヌスが答える。
「俺を広域人工衛星wide satellite®︎と接続しろ。」

オーケアヌスと広域人工衛星wide satellite®︎が接続される。
《超共鳴》
オーケアヌスがペクーニアエ・コンメリクム中のdrone animal®︎とsmart animal®︎に指示を出す。
「動物たちを鎮圧しろ。」
マレが審議官たちに量子暗号通信secret message®︎で連絡する。
「化学兵器が何処かに仕込まれて居ます。」
クレーメンスが問い掛ける。
「何処だ?」
ペクーニアエ・コンメリクム中の排水溝からガスが噴出する。
ヴァニタスが答える。
「地下よ。吸入で透明化するナノマシンだ。」
クレーメンスが答える。

「起動させるな。」
オーケアヌスがghost meet®︎のIPアドレスから逆探知して居た量子通信タワーquantum tower®︎の最上部デッキにマレが到着する。
3代目カードエースモルスとアニマーリアを見付けマレが答える。
「モルス、貴方はロボットね。」
モルスが答える。
「よく分かったな。私はモルスの電子記録が移植されたロボット。」
モルスがpen phone®︎でナノマシン起動番号を押し答える。
「何故起動しない!?」
smart helicopter®︎が中和剤を空中散布して居た。
「残念だよ。」
モルスが量子通信タワーquantum tower®︎外壁を滑走し去る。
マレとオーケアヌスがアニマーリアを確保する。

ガスマスクを付けた魔女3姉妹長女プラキドゥムとセーリウスが首相官邸を地下通路から襲撃する。
プラキドゥムが答える。
「総理大臣を人質に取った。交渉人を呼べ。」
ヴァニタスが答える。
「テロリストには屈しない。」
警察省SATが首相官邸に突入する。
《瑠璃石》
プラキドゥムの体がラピスラズリで結晶化する。
《黄玉》
セーリウスの体がトパーズで結晶化する。
《瑠璃石連射》
《黄玉連射》

プラキドゥム結晶体とセーリウス結晶体がラピスラズリとトパーズを連射する。
SATが退避する。
プラキドゥム結晶体がソル総理大臣に答える。
「ベルルムに従うと宣誓しろ。」
smart helicopterでマレが到着する。
《極小域EMP》
プラキドゥム結晶体とセーリウス結晶体の結晶化が解除される。
プラキドゥムが答える。
「時間切れよ。」
再度プラキドゥムとセーリウスが結晶化する。
マレがアニマーリアを人質に取る。
アニマーリアが問い掛ける。

「私が弱いと思って居る?」
《紅榴石》
アニマーリアがガーネットで結晶化する。
40代半ばのナチュラルストレートの女性審議官ウェヌスタとヴァニタスが到着しヴァニタスがアニマーリア結晶体の核にsmart handgun®︎を向け答える。
「妹さんの核を狙って居る。総理大臣を解放しろ。」
プラキドゥムとセーリウスが去る。
アニマーリアを捕縛する。
ウェヌスタがアニマーリアに答える。
「置いて行かれたわね。」
プラキドゥムとセーリウスに指示が来る。
「直ぐに帰国しろ。」
プラキドゥムが答える。

「アニマーリアを失った。」
ペクーニアエ・コンメリクム警察署留置場でマレがアニマーリアに答える。
「貴方は未だ少女。釈放してあげる。」
オーケアヌスの暗雲下の海辺でマレとオーケアヌス、アニマーリアが座って居る。
マレが答える。
「貴方は自分で生きていくしかない。」
「『初秋』という小説がある。15歳で独り立ちした男の子の話よ。物語が貴方に勇気をくれる。」
アニマーリアが問い掛ける。
「マレお姉ちゃんって呼んでも良い?」
マレが答える。
「良いよ。」
2人は目を合わせ再び海を見つめる。

©︎ Card Master

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