医の倫理系問題

医師法の異状死体に関する文章で正しいものを2つ選べ

a. 異状死体の届け出は医師法20条で規定
b. 医師は死体または妊娠4か月以上の死産時を検案し異状を認めると判断した場合、48時間以内に所轄警察署に届け出を行う
c. 診察中の患者が死亡した場合も検案の対象になる
d. 診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に死後診察しなくても死亡診断書を作成できる
e. 診療中の患者が受診後24時間以降に死亡した場合に死後診察したあと死体検案書を作成する

解説)オオタボン 12版 p773, SANS 2016 Q73改題
a. 異状死体の届け出は医師法21条で規定
b. 医師は死体または妊娠4か月以上の死産時を検案し異状を認めると判断した場合、24時間以内に所轄警察署に届け出を行う
c. 診察中の患者が死亡した場合も検案の対象になる→交通外傷などが例
d. 診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に死後診察しなくても死亡診断書を作成できる→医師法20条のただし~以降の内容
元々医師法20条は「医師はちゃんと診察して検案書なり診断書を書こうね」という内容
e. 診療中の患者が受診後24時間以降に死亡した場合は死後診察をせねばならず、この場合は死亡診断書または(例えば外傷による死亡などの場合)死体検案書を作成する
→診断書なのか検案書なのかは絞れないので誤り Ans.cd

医学の研究に関する倫理指針の文章で謝っているものを2つ選べ

a. 研究を含まない9例の報告は症例報告である
b. 介入研究はすべて公的データベースへの登録が必要である
c. 侵襲を伴わない研究で人体から取得された試料を用いない研究はオプトアウトを利用する事で、必ずしも文書によるインフォームドコンセントを必要としない
d. 試験終了後、3年間は試料と情報を補完する
e. 治験は特定臨床研究であり臨床研究法の対象となる

解説)オオタボン 12版 p778 ~
d. 試験終了後、5年間は試料と情報を補完する
ただ研究結果の最終公表日から3年経過した場合もOK
e. 治験は承認申請目的の医薬品等の臨床研究で、医薬品医療機器等法による
未承認や製薬会社からみが特定臨床研究であり臨床研究法の対象 Ans.de

インフォームド・コンセントを簡略化できる可能性のある研究はどれか

a. 介入のある研究
b 侵襲のある研究
c. 企業との共同研究
d. 既存情報を解析する研究
e. 新たに試料を取得する研究

解説)いわゆるオプトアウトが可能な研究はどれかということに言い換えられる。オプトアウト:web上に研究内容を公開して患者が研究拒否をする機会を設ける Ans.d

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A97-2018 臨床研究法の対象となるものはどれか。正しいものを2つ選べ

a. 市販後調査
b. 介入を伴う手術、手技の臨床研究
c. 承認申請目的の医薬品の臨床試験
d. 未承認の医薬品の臨床試験
e. 製薬企業等から資金援助のあった臨床試験

解説)頻出問題 過去問をやっていると勝手に覚える問題  Ans.de                      cに関して、承認申請目的の医薬品の臨床試験=治験に相当するので、医薬品医療機器等法になる。問題はここをひっかけたくて問うている。

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リスボン宣言に含まれないのはどれか

a 医療における選択の自由 
b 良質な医療を受ける権利 
c 自己の秘密を保持する権利 
d ヒトを対象とする医学研究の原則 
e 意識のない患者に対する医療における手続き 

解説)医師国家試験 106H14 正答率:93%
リスボン宣言は患者の権利を述べている。Dはヘルシンキ宣言;医学研究に関して述べたもの の内容。Ans.d

医療事故に関する記述で正しいものはどれか

a. ヒヤリハットは医療事故に含まれる
b. 個人に対する安全教育が重要である
c. 医療側に過失がある場合のことを示す
d. 医療に起因する死産は医療事故調査制度の対象になる
e. 重度後遺症が残存した場合は医療事故に相当する

解説)SANS 2019 Q.20改
「医療事故」の定義
①すべての病院、診療所(歯科を含む。)又は助産所に勤務する医療従事者が提供した医療に起因する(又は起因すると疑われる)死亡又は死産
②医療機関の管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの

医療側に過失があるなし関わらず上記の場合は医療事故 Ans.d
過失がある場合は「医療過誤」になる。この場合は死亡有無は問わず。
個人に対する安全教育が重要である→システムによるアプローチが重要


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