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箸で切れるカラアゲの作り方

久々にからあげ、つくってみました。

自分は飲食事業者時代(といってもほんの数か月前までですが)は、ほぼからあげのおかげで食っていたといっても過言ではないのですが、実は、もともとからあげが好きだったわけではなく、なぜか自店のからあげが人気商品となってしまい、そこがからあげの恐ろしいところなのですが、からあげが売れ始めたら、からあげの圧倒的強さにほかの商品が負けて、ほぼ、からあげだけをつくる羽目になってしまいました。

8年ちょいの営業の末、コロナ含む諸事情あって今年の2月に廃業したのですが、大量の唐揚げを追い立てられるように揚げなくてもいい夏を久々に迎えて、正直、ほっとしていたところに、TLにからあげの話題が増えてきて、自分も食べたくなってしまいました。

そんなわけで、改めてほぼはじめて、といっていいかもしれません、自分のためのからあげ、というのを、作ってみました。

前にやっていたのは大量調理なので、家庭での調理とは違います。道具も違うし火力もレシピも素材も、なにもかも違う。その意味で、私は家庭でのからあげ初心者ともいえるでしょう。

自分のためのカラアゲ、というのを考えるとき、まず、肉をできるだけさわりたくない、ということがあります。手も器具も汚れるし素手で触ると肉も汚染される。カットもなんか、めんどくさい。夏は特に嫌。

それから、油がもったいない。大量の油を使用すると毎日カラアゲつくるわけでもない家庭では油の始末に困ります。

そして、暑い。暑いのが困ります。夏の揚げ物は地獄です。

ここらへんにできるだけ配慮した結果、けっこうおいしいから揚げができました。自分が店でつくっていたものとは似ても似つかないものですが、家庭料理にはそれに向いた作り方があるというものです。

というわけで、手順です。まず、肉は冷凍の場合は流水解凍します。冷蔵ならそのまま塩コショウして酒とかなにか好きな調味料を入れます。私は、カラアゲは、味より揚げ方だと思っているので、味は各自が好きなようにつければいいと思うのです。なお、私は塩コショウにんにく甘酒ヨーグルトで何時間か漬けておきました。今回は、ブラジル産もも肉、通称ブラモモ(以下、ブラモモと略)の冷凍ものを解凍して使用しました。肉はなんでもいいと思います。好きなやつで。(つきつめていけば鶏肉でなくてもいいのですが、ここはやはり鶏肉に留まっておきたいと思います。)

さてこの漬けたもも肉なのですが、カットするのが面倒なので、もも肉一枚そのまま揚げることにします。食品用ポリ袋に小麦粉とコーンスターチ(片栗粉でもいいし、なければなくてもいい、小麦粉も同様、家にある粉)を入れ、袋ごともみもみして混ぜたら、そこに肉をトングではさんで投入。漬けてあったのもポリ袋なので、手は一切、汚れません。そして移動先のポリ袋の中で、肉に粉をまぶす。外からもむだけ。

そして、一枚だけなので油をたくさん使いたくない。持っている中で一番小さいフライパンに、鶏肉が半分ひたるくらいの油を入れて、肉を入れ、中火で加熱します。加熱し始めたらもう、肉をつかんで入れてオッケー。油の量が少ないのですぐに温度があがって150度を超えます。そしたら、火を弱めます。弱火でいいです。あまりいじらないで。


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今回使用したのがブラモモで、ブラモモは国産に比べるとサイズが小さいので、そこらへんは大きさにあわせて時間調整は必要となるのですが、以下、だいたいの目安です。

弱火で油でぐつぐつ煮込むみたいな感じで3分くらいやっていると、下の面が固まって焦げ目がついてきますので、ひっくりかえす。そしてまた3分くらい。裏面。

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そうすると、反対の面もだんだんコゲっぽくなってくるので、そしたらまたひっくりかえす。トータルで7~8分(肉のサイズによる)くらい?

すると、なんとなくよさげな鶏のもも丸ごとカラアゲみたいなものができる。

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しかしですね、今回、自分もあれ?っと思ったんですが、この時点で中心温度をはかっても、60度くらいしかいっていない。これはNGです。表面加熱したつもりで中は半生の可能性がある。中心温度はせめて80度くらいいってほしい。

しかしもう表面がこげっぽい感じなので、これ以上、油で揚げたくない。そこで、もともとオーブンで4枚焼こうと思っていたところに出来心で一枚だけカラアゲになったので、ロースト用の肉をオーブンに入れたところに一緒に投入して追加加熱することにしました。

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170度30分。余熱なし。ちょっと長かった。もうちょい短くてもよかったし、ローストと一緒でなければ温度ももう少し低くてもよかったと思いますが、結果、中心温度90度越えの、香ばしい感じのカラアゲができました。

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で、これが箸で切れるんですよ。さくっとしてかりっとして、最後の加熱がゆっくりだったから、中はとってもやわらかい。だから箸で切れちゃう。そしたら別に調理段階で切らなくてもよくないですか?

レモンで食べてもいいし、タレかけてもいい。南蛮漬けみたいにしてもいいし、ユーリンチーとかこの季節に最高じゃないですか? で、むしろ、切らないほうがステーキ感が出ますよね。ちょっとサラダでも盛って、フォークとナイフを両脇に置いて大きめの皿でワインと出すとか、いかがでしょう。

最終段階でオーブンで加熱するので、加熱具合がいまいち心配な骨付きもも肉などでもいけると思います。あ、ラムのあばら肉でもいいな。豚のスペアリブとか?(脱線)

ボナペティ。

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