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オランダで人間模様(私周り②)

アダムくんの事

お部屋を掃除させてもらっているシェアハウスに身体の細めなアダムくんがいます。

DA PUMPのISSAとジャスティンビーバーを足して2で割ったような笑顔です。

いつもにこやか。

ボブちゃんが陽だとしたら、アダムくんは陰ですね。

どこか影があるけれど、人当たりが良く、すっと隣に座ってくるような、そんな感じです。

ボブちゃんが片付け下手だとしたら、アダムくんは片付け上手。

日本人の感覚に近いかもしれません。

お掃除に行っても、ベッドのシーツ替えるだけで良いんちゃうか。てな感じ。

はじめの方は、私の先輩、梨乃姐さんが

口をすっぱく言ってました。

〝アダムも移民だから、最初は全然話せなくてね、でも私と話していたら、もうこれだけ話せるようになったのよ!〟

だから、アダムくんもうなずきながら、

『Yuuki、オレは学校には行ってないよ、全部(社会生活)仕事から学んだんだ!』

語学学校問題で、落ち込んでいる私には希望の言葉でした・・・って、いやいや、仕事・・・見つからないから苦労してるんだけどね、あはは。

卵が先かニワトリが先か、問題。


アダムくんは何ヶ国語話せるの?

『ギリシャ語、フランス語、パシュト−語(?)スペイン語少し、オランダ語も少し・・・』

って、ちょっと!

レベル違うやないかーい!!!

・・・世が世なら多分、貴族・・・。

誤解を恐れず、思った事を率直に申すならば、もしアダムくんが、アフガニスタン生まれでなく、もともとオランダや他の国に生まれたならば、違う人生だったかも知れない。

でも、また逆に、アフガニスタンに生まれながらも、こうして幸福の国、オランダに来たアダムくんは、もちろん生きる力が強いのかも知れない。

ってな事をウダウダ考えながらいた。

アダムくんは内装業の仕事を一日中やっていて、休日もほぼない。

結構重労働の仕事なんだよなぁ・・・枝みたいに細いのに。

しかも、その技術はオランダに来てから職業訓練校で学んだので、オランダの資格を持っている。

重労働をあえて選んだのか。


せめて、私がアダムくんにできることはお部屋をピカピカに磨き上げる事だ!って部屋中を磨き上げていたある日、

アダムくんが寝ていた日があった。

(いつもはもちろんみんなが居ない)

梨乃姐が声かけて起こしながら、部屋から出て行き、テラスで梨乃姐と話している間に私はもう始めていたのだけど。

しばらくしてから、梨乃姐が小走り気味に戻って来て、小声ながらも、大声で

『ちょっと!Yuuki! アダムがお腹の調子が悪くて、上から下から吐いたんだってよ!』

えー、大変だねぇぇ・・・かわいそうに・・・。

って言ってる場合じゃない事に、あとで気づく。

家中に何だか汚いシミの数々・・・トイレや部屋のマット、キッチンや廊下にも・・・。

のたうちまわったんかーい!!

いや、それはまぁしょうがないとして、病院行ってないんかーい!!

うーむ、わかるよ?!

確かに。

私も、相当な状態じゃない限り、病院には行かないし、ましてや自分で掃除はできないね、うん。

これはさ〜、相当な状態じゃないんかーい?!

しかも、今の時期ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!

ってなりましたよ、もちろん。

まぁ、梨乃姐は

“コロナじゃねぇ!んなワケねぇ!”

って言って、相変わらず素手でやってましたけんども!

みんな生命の危機ぃぃぃぃぃ!!

ってなりながらも、

頑張ってそこらじゅうを掃除(消毒)しました。

なんだろなー、アダムくんは陰なんだよなぁ・・・生きる力は強いし、運も強いんだが、陰なんだよなぁ・・・。

ボブちゃんがアダムくんを気づかって、掃除すれば良いんだが、ボブちゃんはそんな人じゃ絶対的にないんだよなぁ・・・それがボブちゃん。 

そして、こんな時、そんなルームメイト(正しくはシェアメイト)の時に腹を下す、それがアダムくん・・・。

もうちょっと前だったら、頼りがいのあるアメリカ人が居たのだが、本国に帰りました。

『ボブちゃんが共用リビングを汚くする!』と若干の文句を残しながら。

ボブちゃんそんなの気にしなーい。


アダムくんはそのアメリカ人とも上手くやっていました。もちろん。

後日・・・。

私も梨乃姐も、腹を下しました。

まぁ、1日トイレにこもったら大丈夫になったけどね・・・。

私も梨乃姐も、生命力強し!!


オランダでは移民や移住者の方が圧倒的に多いから、日本の様に

”外国人が珍しい”

と言うことはないんだけれども、それでも、何かしらで外国にすむ、というのはそれなりの人生を送っている。

やはり自分の国から出て外国で暮らす、というのは、外国人(オランダ人)からしてみても、珍しいわけで・・・。

もっと言えば、自分の国で、周りが外国人の人ばかり、というのもそれはそれで結構特殊なんだな。

(梨乃姐さんの事)

うーん、そんなこんなで、この特殊な状況下では前世とか運命とか天命とか・・・そういった類いのものを自然と受け入れられる、もしくは実感する生活でもある。

アダムくんを見ていたら、そんな事を想う。

次回の人間模様は・・・?

・そんなキャラの濃い人ばっかりで決められません・・・あしからず・・・。

って事で、また書きたくなったら書いていこうと思います。

乞うご期待!

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