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新築RCマンションは、タイル張りから吹付塗装へ 時代がそうさせていると感じる僕の見識。

世間の賃貸RCマンション、過去作られてきた分譲RCも、全てタイル張りがほとんど。
しかし近年、脱タイルがかなり進んできており、僕自身もタイルを貼ることに疑問を感じる出来事が増えてきています。
最も、そのようなことを考えたこともない投資家の人たちにとって、時代がそうなってきている現状を知ってもらいたいなと思い、今日は記事にしてみようと思います。


これでいいのだ!と僕は心から思う。タイルを張らずに、表層の適度な仕上げと吹き付け塗装で、長い時が経っても綺麗さを保てる。

佐世保にある賃貸マンション(1Fにテナント)を撮影。
北海道や関東の一部の投資家向け建売RC以外の
ゼネコン、建売会社は、基本タイルを貼りたがります。(基本ですよ)
その理由は、ボロ隠しにタイルを多用するからです。

先ず、打ちっぱなしに関しての話をしてみますので、読んでください。

そもそも建設時に使う型枠は、1Fから上階まで同一のものを使いますから、上に行けばゆくほど、型枠がボロボロで古くなってくるので、外壁自体の表面も汚くなってゆく。
だから、打ちっぱなしを指定すると、型枠を毎階新品を使うことになり、コストが上がります。
そして、その後、表層処理を行い(表面を綺麗にする作業)、表面の保護、塗装、クリア層などの塗装を行い、数々の手間をかけて完成しますので
打ちっぱなしというのは、なおさらコストが上がるものです。(北海道以外)

北海道や、関東の投資家向け低価格RC(低層)の場合は特別で、本当に打ちっぱなしが多いのですが、
その理由は、型枠を毎回新品を使わず、そのまま上階まで使い、表層処理はあまりせず(バリが多い・・・)塗装もせず完成としています。
理由は、寒暖差が激しすぎるため、タイルを貼ってしまうと接着剤の耐久性の問題で(良い接着剤を使えば別の話)タイルを貼りたがらないとのこと。
また表層仕上げもほぼされていません。(接着剤の話と同様)
本当にそのままの状態。

福岡でも近年タイルを張らない、表層仕上げと、吹き付け塗装のみの処理を施したマンションが大変増えてきました。

コスト低減にものすごく役に立つことと、建ててから、5-10-15-20年などの経過によっては、タイルの打診検査があり、足場を組む、修繕を行うなどの膨大なコストがかかることが懸念されているからです。

また、打診検査を受けない古いマンションのタイル落下事故も激増していることから、近頃吹き付けが増えてきている事情はそのような背景からも伺えるかと思うます。

そして最大にして、そうなるよなと思う理由が

地震被害への対策と、コスト低減、軽量化、塗料の性能向上が理由。


同じく佐世保のマンションの外構部分。こういうセンスの一端を感じる工夫がとても良いと感じます


上記のマンションの100メートル圏内にある4層RC。こちらもエントランス一部以外全部吹き付け塗装

吹き付けは、部分的な塗装修復も可能ですし、都度色を部分的に変えたり、全体を塗り替えることが容易いことでも、これから増えてくると考えています。
バルコニー部分は、開口率があり(70%)、この物件は見た目グレーチングを使っているものと思われます。(病院です)

カラーリングと照明だけで印象を作り上げられる一例ですね。コストとデザインを両立するに、本当にこれでいいと感じます。

そして、ついに高級分譲マンションも、ほぼ吹きつけ塗装がメインになり始めました。

まずこれをみてください。
福岡の超高級分譲エリアの新築群から、今年竣工した分譲RCマンションです。
施工会社は照栄建設さんで、僕もお世話になっているゼネコンさん。

福岡の超高級分譲地域。 続々と建設される高級分譲マンションのほとんどは、ほぼ吹きつけ塗装に。


ここから見える範疇全て吹きつけ塗装のみ仕上げです。
こちらも同じく、タイルは一切使われていません。
その近くにある2年前に竣工した分譲RCマンション。こちらはエントランス以外、完全にタイルはありません。
先に記したマンション。側面の一部分のみタイル張り。

このように、脱タイルは驚くほど進んでいます。
福岡での投資系RCデベロッパーのモダンプロジェ(1棟売り)などは、過去からずっと吹きつけ塗装のみ。
エントランスの少しだけタイルとして
将来のコスト低減と、低価格仕上げだけど、見た目はとても綺麗な状態を維持しています。


モダンプロジェが過去手がけた投資用1棟売りRCマンション。

僕が打ちっぱなし以外を望まない理由。

ここから僕自身の価値観の話になってしまいますが、
ブランドマーケティング活動を示してゆく過程では、誰がみても弊社の物件であることを認知させる必要があることは当たり前なのですが、
はじめに、打ちっぱなし仕上げにすることで、コストを十分掛けて
将来のコスト低減のための対応を行なっている、ということが答えです。

無論、建物は新築から5年、10年、15年と古くなってきますが
古くなりにくい状態を維持するには、どのような部分に気を付けて
建物を構成するかを考えています。

この部分というのは、素材をどう活かすか、見せるかにも繋がりますが
打ちっぱなしというのは普遍的であり、如何様にも将来塗装で変化をつけやすい
素地に近いものですから、素地を活かすという意味と
誰も行わないから取り組むという側面があります。

無論、それは内廊下であったり、雨樋を外に出さない工夫や、外構のデザインまで一貫性を持たせるというデザインから入る建築を徹底しているところも
打ちっぱなしにする理由に紐づきます。

ほんと、打ちっぱなしって、結構高いんですよ💦

地震被害時、経年劣化において、タイルは時限爆弾。

時限爆弾、そういう人ほんと増えてきました。
福岡でも西方沖地震、熊本での本震が過去起きた際に、
タイルは結構剥がれ落ちてきました。
そして、その後タイルを張り修繕を行なっても、色味が合わず
おかしな状態となります。

当然ながら、地震被害を想定し、分譲もタイルを極力低い部分、生活において大きな影響を受けにくい箇所に限定して貼る事くらいになってきています。
長い間住まわれる人に、コスト的影響を受けるであろう、タイルを貼らない工夫は
今後も浸透してくると思われます。

投資用マンションであっても、脱タイルはこれからも進むことと思われますが、
僕はそれでいいと感じます。

吹きつけ塗装で十分表現できる。
タイルは低層で、エントランス周りで十分。
これから建てられる人は、その辺りも十分ゼネコン、設計の方々と話し合いながら決めてみてください。

それと、たくさんの近年建築されている分譲マンションなども多く見ることを
お勧めします


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