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【新築】物件の汚れを抑制する事に注力した背景。 建物環境はいづれ汚れ朽ちてゆく、だから最初が肝心。

2018年建設物件から、僕が特に注力してきたデザインと環境を構築する上で、大切なこと、汚れなどの劣化を如何に防ぐか。今日はそのような物事を少しだけ記してみようと思います。

建物の汚れの累積、劣化として古く見えてしまう箇所を建設段階で理解する

古く見えてしまうのは、汚れているから、劣化して見えるから。これくらい綺麗に維持するのは結構大変です。

僕が新築建設において、古く見えないようにすることに気づいたのは、外廊下物件を運営していたことかが発端でした。
外廊下は、外側手すり壁に汚れが累積して、雨垂れ汚れとなって跡が残る。

このような汚れは即時対応しなければ跡が残り続けてしまう。

この雨垂れ汚れこそ、劣化して見える原因でもあるし、また築年数が浅いのに、汚れが累積することで、古く感じてしまう。内見時に大きなイメージダウンにつながります。見た目の印象は非常にブランドイメージに直結します。

雨樋に関しても同様、この雨樋に汚れが累積し、樹脂表面についた汚れはなかなか取れなくなってしまう。

あらゆるところに雨垂れ汚れは累積するし、少しだけ放っておいても問題ないだろうと思うと汚れが取れないだけではなく、苔が生えたり、樹脂の表面上の劣化まで招きます。

外廊下に手すりは白だと本当に汚れが目立ってしまいます。1カ月4回ほど清掃しつつ、美化を続けてきました。

外廊下、外手すりは、できるだけガラス手すりに変更して雨垂れ汚れを抑制します

手すりをRC、サイディングの壁にするのではなく、可能な限りガラス、格子手すりに変更し内側、外側の汚れ抑制を図る、

一般的には手すりはRCであったり、木造だとサイディングを外張りしますが、可能な限り、写真のようなガラス手すりに変更することが望ましいと思います。
雨垂れの汚れのような跡がはっきり残ることも少ないですし、何よりも見栄えが良いと思いませんか?
コストはさほど変わらないことから、外廊下、外階段にできない場合、ガラス、格子手すりに変更することをお勧めします。

外廊下は汚れが様々な箇所に累積する。置かれているものが劣化する

過去の例ですが、住まわれる方の生活品が置かれている状況を理解することで、何をどのように行うべきかを見つけられます。

外廊下に、写真のようなベビーカー、幼児用自転車など、生活品が置かれることは、家主として困ってしまうと一般の皆さんは思われるでしょう。
僕の価値観としては、自分のお金で出して購入した品物を収納するスペースがないから仕方なく外廊下においてしまう、そのように感じてしますし、その購入したものが雨風にさらされ、汚れ、古くなってしまう。そのような環境を提供してしまっていることに申し訳ない気持ちになったことから、この建物を作った直後に建設したマンションでは、シューズクローゼットを作ろうと決意したものです。

シューズクローゼットを標準化した理由は、そのような経験から

また、そのような外廊下環境があることも、住みやすさを失っているなとも思ったことから、内廊下としたことも理由として存在します。

そんな理由で内廊下を定番化したのが2018年建設の物件からでした。

内廊下にすることで、外廊下の手すりの雨垂れ汚れの抑制、そして廊下そのものの汚れや、ドア、サッシ関係の汚れも全て排除することができた為、清掃コストを下げることにも成功しました。また劣化部分を極めて高いレベルで抑制できたことも特筆すべきところであり、サビ、劣化などは5年以上たっても全く起きていません。
クオリティを高く維持できることは、物件価値の維持に非常に役立ったのです。

外階段に至っても汚れの累積が多く発生します。雨樋も汚れが溜まる。

同様に、外階段においても同様、雨垂れ汚れは排除できません。可能な限り排除したいのならば、階段ですら、手すり、ルーバー、などで壁を作らないような施工が必要になります。この点も自社で開発した物件では、事情があり外階段とする場合、完全にルーバーで塞ぐなどして対応を行いました。

外階段の手すりを壁ではなく、ルーバーで処理した施工例。開口率75%、2面外側必須の計画でしたのでうまく対応を行った例です。

雨樋は汚れが最も累積するから、外に出さない工夫を設計時に盛り込んだ

このように雨樋がバルコニーを通っているようであればかなり汚れは抑制ができます。

雨樋の汚れは、古さを感じさせるポイントが多く存在します。ベンドキャップも同様ですが、この雨樋を如何に外に出さないような建設を行えるかは、ゼネコン、工務店は簡単に処理したがるから理解を得るにはしっかりとした説明が必要だけど、古くなる過程で、綺麗さを継続させるのならば、行うべきだと感じています。
(清掃コストも大きく下げられます)

完全に内側を通すことで、外に飛び出ず、汚れの抑制を図った例です。

ベンドキャップ含めて如何に処理をして外側に飛び出さないで施工できるか、設計に全てはかかっていますが、お任せにしてしまいますと、簡単な方向に設計をされてしまうため、初期からしっかりと話し合う必要があります。

大雨で屋上(パラペット)に溜まる雨水の排水容量も余裕がある仕様とすること、合わせて排水経路をどうするかは、計画段階で相談することしか方法がありません。

外構においても汚れを抑制し、美化を継続できるかを考えたプランが必要

何も建物だけ汚れ抑制の対策をするだけでは不十分です。駐車場、自転車置き場、ゴミ庫など多岐に渡ります。

汚れを長期的に抑制しつつ、清掃を楽にして、コストセーブと、美化を継続することを考えると常に住まわれる方にとっても、内見に来られる方々に対しても大きな影響を与えることができます。
5年たっても新築のようなピカピカを維持でする為には、それなりの経験が必要です。外構に至っても考え方は同じであり、如何にシンプルに清掃を行えるか、汚れの累積するような箇所を減少させることができるかで、美化を容易にできます。

外廊下、外階段で見えないような部分を作るとこのような残念な経験をします。

住まわれる方にとって、階段などで不要なものを置かれたり、喫煙をされたりすることはよく確認してきました。
しかし内廊下、内階段にすることで、全てこのような不要物の設置や、タバコ、飲み物、ゴミを置かれることも激減します。 

究極的にシンプルにすることは、古さを抑えられ、雨垂れなどの汚れもかなり高い効果を発揮します。

雨樋は全てバルコニーを通した為、突起物が出ていない状態。建物壁自体も綺麗に保てています。

建物を複雑な構成、複雑なデザイン、多面の多い構成にせず、シンプルにすることで、汚れる箇所を大きく減らすことができるし、雨樋、ベンドキャップなども外に出さないことで、すっきりとした印象も与えられます。
さらに内廊下、内階段とすれば、定量的に汚れる箇所を激減することができ、お伝えしてきた通り、玄関扉、内廊下、階段部分の劣化も防ぐことになります。



建物環境は、古くなること前提で、古くなりにくいものづくりを行うと、多少コストがかかっても、数年以後、売却でも高い評価を得られます。
また、高く売れますし、汚れていない、劣化していない事実に驚かれることも
僕は何度も経験をしていますから、やってきたこと自体は間違いではないと感じています

内廊下、内階段は特に買われる方にとっては、特に魅力的に見えたようですし、
外壁も汚れ累積が見られないことから、タイルでないことにも(当然複数処理を施しています)意味を感じていただけたことも一般投資家と違って、わかる人にはわかるものだと感じました。

物件の汚れ、劣化を抑制するという考えを持った不動産投資家は存在しないでしょう。
しかしそのような考えを持って物件を作ることは、価値を維持できる側面もあり、資産として売却時においても評価されるポイントであることを
ぜひ知っていただければと思います。


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