見出し画像

2LDK・3LDKのアパート、マンションの間取りで考えて欲しいこと。 高い入居率と支持率を得る為には

世間の賃貸マンションデベロッパー、ゼネコンさん、そして不動産投資家に
考えて欲しいファミリータイプ間取りに関して
僕が常に気をつけているポイントを幾つかご紹介してみようと思います。

お伝えする考え方の基本は、ペルソナが誰であるか、どんな顧客が住まわれるかを決定した上で、どのようなアイデアや特徴を備えるべきかが最初のポイントです。それではご覧ください。

1LDKと基本構成が絶対に同じであってはならない。

広い土間・そして・・・

これは2LDKにとって特に注意すべき点です。 上記の写真をご覧ください。 2018年に建設を行なったマンションの2LDKの玄関内部です。 
家族構成、生活内容を鑑みると、ファミリーと断定した際には、必ず土間は大きくなければいけません。
理由は、夫婦の両方の家族が来た場合、子供が友達を連れてきた場合、親戚が来た場合など、単身者より圧倒的に来客の人数、そしてそれらの方々の靴を置くスペースは確実に必要です。 この土間が1LDKと同じであっては決していけません。

そして、見てわかると思いますが、土間と廊下の幅が広いことです。
分譲でもそのような構成を見ることは、ほぼありませんが、ベビーカーを押して玄関内部に入り、そのベビーカーを回転させることを想定して広く作っています。

ベビーカーを回転させた後は、お子様を抱き、ベビーカーの横を通り、部屋に入ることを考えると、動線的に広くなくてはいけません。そして・・・・

シューズクローゼットを必須にした理由は、果的に生活用品を収納するためではない。

土間の横の扉をひらけばシューズクローゼット(原電、フック付き)があります。

広い土間で、ベビーカーを回転させて、横の扉を開くことで、シューズクロークが現れます。お子様を抱き抱えたまま、そのままベビーカーをシューズクロークに収納できます。このような動線と使い勝手を考えた構成は、初めのペルソナをしっかりと考え、特性を理解した、ものづくりをおこなった結果です。

それが形になり、一連の流れの説明を行うことで、心理的に、他の物件にはない特徴とし認識していただけます。

ただ、シューズクローゼットをつけたら便利だからという、思考停止の内容ではありません。アイデアというのは、何らかの不備や不満、自らが気づかない無意識の不便さを解消することが重要なのです。

当然ながら、シューズクローク自体にも意味を更に持たせセールストークとして、
外で遊んだ汚れた子供のおもちゃなどを収納する、室内に持ち込むほどでもない品物を置く、電動工具や電動自転車のバッテリーを充電する、シューズ乾燥機を使える、掃除道具も使えるためのコンセントも装備するなど、いろいろなセールストークが生まれます。 これを聞くと、他の物件では備わっていないこと、一連の動線を意識した土間との連携した使いやすさなどをお伝えすることが出来るというわけです。

浴槽は広くなくてはいけないが、鏡、棚の数、そして、あることにも僕は変更を加えます。

ファミリータイプの浴槽は基本広く設定されがちですが、ただそれだけでは、差別化は生まれません。

2LDK・3LDKの浴室で僕が最も注意している点は、鏡、棚、そして、水栓の高さを細かく設定してる点です。(1LDKも設定しています)
立って利用する人、椅子に座る人、椅子を使わずひざまづいて使う人など、浴槽の使い方も人それぞれです。

だからこそ、鏡、棚、水栓の高さは、そのようなシチュエーションでも使いやすいと思う位置に設定しています。 パッと見ただけでは、誰も気づかない要素ですが、大きな差別化につながるポイントです。

また、今の僕の物件は、鏡、棚などは全てマグネット対応のものを後付けしています。ですので、どの場所にも移動させることが出来ますから、水栓の位置を浴槽の高さに合わせバランスを見て、位置決めをしています。

2LDK/3LDK内のキッチンはアイランドを標準化、そこにも意味があります。

キッチンがアイランドである理由。それは将来のためでもあります。

アイランドキッチンは入居付に決定的で、大きな違いをもたらします。いくつかの建設機会でテストした中では、圧倒的な支持を得ている重要なアイテムとなっていますが、導入を考えた理由の一つとしては、将来の価値低下を排除したいと思ったからです。

アイランドにすることで、キッチンパネル、キッチンフロント側の造作がなくなり、実はコストカットできることは誰も気づいていません。
そして、アイランドにすることで、キッチンの代金は数万円高くなりはしますが、劇的なコストアップはしません。

先にコストをかけて、良いものを入れることの先には、10年、20年後のキッチントレンドにそのまま対応ができるということが最大の利点と考えました。

通常、キッチンの入れ替えなどは、取り外しが大変であり、取り付け後もパネルをキッチンに合わせるなどし、工事費用もかかるものですが、
アイランドに初めから導入することで、キッチン単体を入れ替えるだけで工事費用が劇的に抑えられるという点も、誰も気づいていません。

そして、使う方、特に女性にとって、アイランドキッチン、更に人造大理石、オールステンレス製などは、生活上憧れの環境構築の一つだと感じています。
特にアイランドキッチンの室内を2018年に作ったときには、問い合わせも、引きも、支持率も高く、退去が全く出ない部屋が多いことに気づきました。
それだけメリットがあるのに他者が導入しないのは、記してきたようなことを
考える力や、短絡的なことしか理解できない人たちが大多数だからだと感じています。

だから、賃貸は分譲に負けるし、適当に作られていると認識されてしまっているのです。賃貸住宅を作る人たちが、真に住む人や環境を考えているのであれば、
もっといい賃貸は世に溢れていると思います。

空気感を作れるようになると、無類の強さを発揮します。

室内からの景観、室内の雰囲気づくりは写真にも大きく影響を及ぼします。

その他、2LDK/3LDKそして、4LDKの賃貸を作っている僕にとって、記している内容は、ごく一部だけの話です。
すぐ真似をする人が多い業界ですので、全ては伝えませんが、僕らは常に生活に密接な、自分でも気づかない不便さを理解することを、いつも考えています。
それは室内だけに限らず、駐車場、エントランス、建物の玄関、様々なところにめを向けて構成を組み立ているわけですが、最も大切だと思うことは、
それぞれのアイデア、差別化は、説明をしなくても伝わるように作り上げることだと感じています。

特に入居予定希望者の皆様に大切に伝えたいことは、室内の空気感を感じてもらうことです。だから写真は特に大事であり、興味を掻き立てる間取り、設備、空気感を醸し出す他とは違うというイメージを抱いてもらえるかに掛かっています。

高い入居率、高い支持率をもつ僕の作る物件、環境は、そのような思考から生み出されています。市場に溢れる単身者物件から、ファミリータイプに移行してきている建設において、ただ1LDKに部屋を1つ増やして、浴室とキッチンを大きくしている「つまらないどこにでもある退屈な賃貸の2LDK」を作っている人しかいないからこそ、ファミリー物件を作るのならば、やはりしっかりと勉強すること、自分の経験を生かしたものづくりを行うべきでしょう。

言いなりの新築建設など、もうありふれていることですから
数歩先を行くような、画期的なものづくりをおこなってみては如何でしょうか。


ところどころ辛口なのは
いつものことですが
理解いただけると嬉しいです😊


サポートをいただける皆様には、質問や、思い、ご希望などありましたら、遠慮なくご連絡ください。 ブログ記事、何らかのサポートを検討したいと思います。まずはご希望をお聞かせください。今後もよろしくお願いいたします。