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出納帳で預り金を合わせる無理ゲーという頭の体操

GWだからといって、みんながみんなお休みのわけではない。
となると、緊急のご相談も入ってくるので、対応する。

今日の頭の体操は、出納帳のみで預り金を合わせるという案件。

助成金収入ー支出=残高=専用通帳に残ったお金のはずが

ご相談発覚の経緯は、助成事業担当者が気づいてしまったこと。
助成金会計専用エクセルに日々の動きを入力すると、その事業の経費が予算対比で自動集計されるようになっている。これで1年つけ終わった。でふと考えた。
助成金収入ー支出=残高は通帳残高になっているはずだよね。

あたりをつける「預り金」が怪しい

ところが合わない、ということでのご相談。
あたりをつけるのは「預り金」。給与や講師謝金から天引きされる源泉所得税や住民税。
収支報告には、税金などが控除される前の「給料手当」や「諸謝金」として計上される。「預り金」は収支決算報告には出てこない項目。
しかし、天引きだけしておいて、税務署等に納付していないということがままある。また、納付金額の計算ミス、所得税では年末調整の計算ミスなどもよく起こる。

エクセルフィルターで「預り金」だけ抜き出してみた

預かりと納付が同額であればよいのだが、ずれている。
このずれの金額が、収支差額と通帳残高の際に一致。
天引きしたのに、納付していないのが原因であった。

というものの、これ難しいよね。
とくに人数が少なくて、給与の源泉所得税を納期の特例で処理している場合は、支払期限未到来だから支出するという概念はないよね。

差額を通帳から引き出して、あとは報告を出すのみ

納付していない預り金を通帳から引き出し、残額=未支出の助成金が返金額になるということ。その通帳のコピーと助成金会計用の所定のエクセルシートを助成金事務局に提出しておしまい。

複式簿記にするか、補助簿をつけるか、どちらかにしてちょうだい

ということで、出納帳だけでは、預り金のズレに気づきにくい。
複式簿記にしていくか、預り金補助簿の作成を別シートでつけておくかが必要。いずれにせよ、複式簿記の感覚がないと、きびしい。

昔、福祉系の行政報告で「預り金収入」「預り金支出」という欄があって???だったのだが、こういうトラブルを防ぐために作っていたのかもしれない。といいつつ、会計ソフトがこれだけある時代だから、もっとやりかたをスマートにしてほしいものである。


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