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audible『交通誘導員ヨレヨレ日記』~ひとはこんなに怒鳴る生き物なのか?

狭い世界でしか生きていない私、
他の世界をみてみようと日記シリーズを漁っており、
今回はこちら『交通誘導員ヨレヨレ日記』。

ですが、このシリーズで、1番聴いていてしんどくなりました。
なぜ、理不尽に怒鳴る?叫ぶ?それ意味ある?

私がふだん生きている世界では、ネガティブな感情を表出することは少ないため、「ボケィ」「アホゥ」とかいう叫び声にビクッとしました。また、他のシリーズにはない章ごとのBGMもあって違和感あり。違和感はあってもいやというわけではなく、こんな世界観もあるんだなという異世界体験をしているという意味合いです。

ですが、私にはここで働くのは無理。上の立場のひとの意向を汲み取って、お客さまに迷惑をかけないようにふるまう。登場人物に自分の力を誇示しようとする意向が強いかたが多く見えて、それを気にしつつ顧客満足度を高めるようなふるまいをするほど私は器用ではない。共通の目的に向かって一緒に考えていくようなかたちでないと、バランスとってやれないよ~、これはむり~。とくに、自分が理解できない理由で機嫌悪くされたり怒鳴られたりすると固まってしまうため、役割を果たせず人を不機嫌にする自分に自己嫌悪する未来がみえてしまいます・・・。

また、日記の中で著者が「底辺」といっていることも気になりました。同化式切ってはいないが、自嘲気味の振る舞い。著者は以前は羽振りがよかったが、最後には税金を滞納して、税務署員に部屋を捜索されるようすも記載しています。(さすがに警備員の給与所得までは手を付けられなかったようです)。

良いときも悪いときも経験した著者が、人生の終盤でいろいろふりかえるという意味合い、他人の人生の追体験をできるというのが読書のおもしろさですね。そのなかで、自分との相違点を意識する、それを表現する言葉を持つ、そういうことが知らない分野を聴く醍醐味です。

最近は誘導灯をもった警備員姿の機会も増えてきたため、この仕事はいつまであるのかも気になるところではありました。

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