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定点カメラ#18 ブルートピア

撮影もあと3日。この夏は『キャンバス』に関わった人たちにとってどんな意味を持つんだろうか。

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「、、、ねっ?」

たったの一文字で撮影現場を盛り上げ、ピリッとさせる。このおじちゃん、只物じゃないな。

六曜社珈琲店、かもがわカフェ、京都産業大学、gallery metaboでの撮影に参加していただいたエキストラのみなさん、本当にありがとうございました。あなた方のおかげでこの映画に厚みが生まれ、より魅力的なものになります。間違いなく。

そして撮影のためにステキな場所を提供してくださった薫平さん、だいちゃん、山本先生、畑中さん、ありがとうございました。

少し前、エキストラの募集をしていた時のこと。シネマプランナーズに1件の応募が届きました。そこに書かれていたのは”エキストラ大好きオジィ”の文字。何たるくせの強さ。どんな経験をしてきたんだろうこれまで。


「いやあぁぁぁぁ、演技うんまっっっ!!!」

「脚本にぴったり。本当にイメージしとったまんま!!!」

「明るいし、あの人のおかげで現場盛り上がっとったなあああああ」

まさか撮影帰りの車内で話題を独占してしまうとは。恐るべし眼鏡おじちゃん。恐るべしエキストラ歴20年。今でもあのひょうきんな顔が頭に浮かぶ。離れていかない。そろそろ大丈夫です。いや、本当にそろそろ離れてください。笑ってしまう。

主人公ハルとの会話。厳密に言うと会話ではないけど、心の会話。このシーン、物語の流れには直結していないが、私たちにとっては重要なシーンなんですよね。詳しくは映画をご覧ください。

とにかくこのシーンを主演のノブくんと、あのかっこいいおじちゃんと撮ることができてよかった。

ギャラリーでの撮影も、めーちゃめちゃ雰囲気のあるエキストラの皆さんがカメラの前を歩いてくれました。え、あのさ、セリフが無いのに何かが伝わってくるってすごくないですか?人生だけでなく、映像制作の先輩、尊敬。

僕もイケおじになりたい。

文責:あきら




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おまけ

先日、制作メンバーが泊まっているホテルに撮影助手のしんちゃんがやってきました。彼はぴっかぴかの大学1年生。

「ぼく、脚本も書いてるんですよ!こんど映画を撮ります!」

同じことをしているはずなのに、まぶしかった。誰かサングラスぷりーず。

「22歳の若造が何を言っとるんだ!」そうですよね。そうなんですよ。僕も1年生の時は「3つしか違わんのに何が”若い”だ。ふんっ」って思ってました。けど就職が決まって、内定者同士の懇談会に参加して、勤務地はどこになるんだろうな~って考えていると、もう信号が変わるんだって思うんです。

寺尾監督の1作目『ブルートピア』は、そんな映画でした。

なーーんにも知らない13人の大学生が勢いだけで作ったのは、これからの人生、その勢いだけで生きていけるの?っていう映画。僕たちは今、横断歩道の真ん中に立っています。でもあの映画をつくった時に4年生だったみんなはもう渡り切っちゃって、響くんは口ではまだまだって言ってるけど、明らかに何か俯瞰した感じだった。バンドも解散したって。今年、撮影に協力してくれる子たちは1年生とか2年生が多いんです。なんか突きつけられる感じするなあ。横断歩道から追い出される感じ。外から強い力で引かれる。信号の点滅はだんだん早くなって、そろそろ変わってしまう。

僕もイケおじになりたい。

善かれかし。

いつか答え合わせをする私たちへ

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