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【続々・万年筆談義~一目惚れは苦労する?】おとといの記事に続く…

2020年6月30日のことである。
福岡市の天神にあるジュンク堂書店&丸善が入居しているビブレ2ビル取り壊しのため、閉店と相成った。(*現在はジュンク堂書店は別のビルに移転し営業継続)
ビブレ2での最後の営業の日、もうここに来ることもない、最後に寄ろうと文具を取り扱う丸善に立ち寄ってみた。閉店が近づくにつれて、在庫処分のためあらゆるものがセールになっていた。
最終日、筆記用具のコーナーをのぞいてみると、残りわずかになっている万年筆やボールペンが70%オフになっていた。
70%の値引きなぞ、こういう在庫処分の時にしか、まずないだろう。
思わずショーケースをのぞき込んだときに見つけたのが、アイスブルーの万年筆!
「これ、好き!」とまさに一目惚れ!スタッフの方にケースから出してもらうと、70%オフで7000円、定価は24000円位だったと記憶している。
ブランドの万年筆で見た目が良くて、値段が安くなっているなんて、最高じゃないか!
2万円超えの万年筆が7000円なんて、何てお得!(私は2万円超えの万年筆は持っていなかった)またこの色とデザインの素敵なこと!
やはり値段が高いとデザイン、色合いがステキなんだ!と惚れ惚れと眺め、今、買わないと、明日はない!(閉店だから)と店員さんに「買います!」と伝え、即決で購入した。
 家に戻って、はやる気持ちで、すぐ使い始めたが、実に使いにくい期待はずれの万年筆だった。セール品に飛びついたバチがあったのか?とさえ思ってしまった。まず書いていると最初にかすれる。書き続けると、インクが出るが、突如、またかすれる。”切れない包丁”、”書けないペン”、本来の役割を果たしてくれない道具は、ストレス以外何ものでもない。残りものに福あり!ではなかったのか?やはり見切り品は【難】があるのか?
文字がかすれる状態が続いたので、一度、万年筆メーカーに調整に出し、そのおかげで、かすれる状況は改善された。
しかし、その後もなかなかサラサラとは書けず、書いては止まり、書いては止まりとなりがちの万年筆であった。(何故そうなのか?については、筆記用具売り場のベテランの方に原因を解明していただいた。)
実用性第一!の私が、見た目(デザイン)に飛びついて、書き味もチェックせず、購入した万年筆…。努力が必要な筆記用具となっている。
書きづらいので、本来なら、お蔵入りであるが、やはり色合いとデザインが好きで、手元に置いている。実用性だけでない道具との付き合いもあるのだなぁ。
人間(!)でも物でも吟味せずの一目惚れはリスクが伴うことあるね…と”一目惚れ(!)万年筆”からの学びとなった。まぁ、一目惚れが「セールの万年筆」だからよかったんだけど…。
…ん?ということは、これが定価だったら、購入出来ていたか?「高嶺の花」と買ってなかったかもなぁ。「これはいい!」と思うもの、定価でも、びびらず買える度胸!これからの人生で何度かあればすごいな。
と、こんなに思うのもケチくさいかも…。
〜思いがけず、万年筆を巡って内省のひととき。

#万年筆 #内省のひととき

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