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紹介:渡瀬葉月「若法塾の希望」ーー『思想の科学研究会年報』創刊号DISPLAYーー

 渡瀬葉月「若法塾の希望」は、非常に興味深いものです。

 彼女は行政書士の資格をとりますが、その直前、引きこもりの若者を相手にする企業にアルバイトで働いていました。そこで、彼等を助けようとして、色々と努力するのですが、先が見えることはありませんでした。

”私は偶然「引きこもりの若者に社会復帰のチャンスを与えよう」という会社
で働いておりました。ところが私が多少頑張っても、引きこもりの若者が前向きになることはなく、彼らの置かれた境遇と将来には、絶望的な結論しかないことを嫌というほど知ったのです。色々考えましたけれど、引きこもりのベテラン選手に対して、何とか前向きに考えることに目覚めてもらい、社会復帰させてあげたくても、それは大変難しいことで、こちらが疲弊するばかり。新しい展開は見込めませんでした。それでも、この状況を見過ごすことはできず、考え出したのが、引きこもりになりそうな危ない子供たちに法律を教えて自信を付けさせる方法です。”    ーーー本文より

 それで、若いうちに自信を持たせる方法として、法律を学んでもらおうということに取り組みます。相手は、彼女がピアノを教えている中学生の子供達です。

”引きこもりの多くは、いじめられた経験をもちます。自信を無くし孤独に包
まれているのです。法律の知識を持たせることによって、失った自尊心や自信を持たせてあげれば、社会に戻りやすいのではないか。中学生に法律を教えている場所はまだ日本には稀ですから、若いうちに自分が何か他人と違う特技を持っていることを感じて、それを生きる武器にしてほしいと考えたのです。”                   ーーー本文より

 法律といえば、小難しいもので、行政が庶民を縛るものというようにも思いますが、彼女の試みは、なかなか面白い展開をします。

 結局、三人の中学生に教えて、一年後、「法学検定試験」という検定のベーシック〈基礎〉コースを受験します。
 その結果もですが、それ以上に子供達の反応は興味深いものです。

教育とは何かということを考えさせられる文章です。
詳細は、本文を直接お読みください。


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 基本的には、一般の投稿も受け入れたいと考えています。ただ、仲間内で制作している同人誌のような性格が強いので、そこを理解してもらった上で投稿を受け入れるつもりです。
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