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画廊に行くようになって気がついたこと その27

 コロナで、リモートにもなり、世界のコミュニケーションが、ネットで、可能と思わされるようにもなりましま。

 作品もネット上で、オンラインとして取引されるようにもなっています。そこには、作品の肉体である〈物体感〉が失われています。

 天上にあったイデアという情報、形相が、質量を持ってこの世に具現化したと考えられていたのですが、その質量を、作品も、作家も、みるわたしたちも失ってしまう世界にも通じているのかもしれません。

 これは、もちろん、美術や画廊にとどまるものるものでなく、人が情報としてのみ捉えられている今日の社会の様相でしょう。

 社会から身体性が失われているということは、われわれの意識が、誰かの身体性を失いはじめていることでもあるでしょうし、それは、己の身体性を失っていく過程でもあります。


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