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画廊の楽しみ方ーーなんで画廊に足を運ぶのか(69)


 版画は、ドローイングに並んで、独学の方も多いように思います。
 デッサン、塗りというのは、長い年月の蓄積の上にのっていて、想いを絵として表してある程度以上になるのは、かなり大変でしょう。

 版画というのは、予想外の部分や、作家の工夫が、技術の操作の上で反映するのかもしれません。その発見、驚きが、翻って作家の想像力を刺激するのかもしれません。

 多分野から参加された方に、ユニークな方も少なくないです。

 高橋さんは、哲学畑ですが、コート紙を使った版画の手法で自分の中のイデアを表しています。コート紙は、印刷したりするために紙の表面に加工をしたものです。パンフレットを作っているようなあのテラテラとした紙です。それを鉄筆で表面を削るようにして版を作って印刷します。
 まるで、言葉で書かれた文章の向こうにあるイデアを読み取ろうとするような作業であります。

 北嶋さんは、建設学部出身です。彼は、印刷してものを組み合わせて作品を作ります。近々彼の個展がありますけど、彼の作品は、やはりパーツを組み合わせて何かを達成させるその感性は、これまでの体験の積み重ねがなせる技だと思います。


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